みちのくの放浪子

九州人の東北紀行

晩秋

2017年10月01日 | 俳句日記

晩秋初日の夜明けである。
秋といえば十月、空は高く澄み、空気は
軽く、木々はいよいよ色ずき、万象が秋
一色となり、名月に酒が旨くなる。

そして、秋の実りはこれからが本番だ。
稲、粟、胡麻、南瓜、大根、栗、胡桃、
玉蜀黍、落花生、自然薯、里芋、そして
柿、林檎、蜜柑、柚子等々。

どれをとつても旬の味覚で、昔はこの季節にしか食せなかった。
天はこれらを採って、厳しい冬を越しな
さい!と我々に与えてくれていたのだ。

キリギリス君は、その時まだバイオリン
を弾いて楽しんでいた。
アリさんは、力を合わせて地下の倉庫に
貯蔵していた、リスさんも同じだ。

人間は工夫して、何時でも何処でも飢え
る事の無いように社会を作った。
それで、人口も増えた。
でも、ひとたび歯車が狂ったりすると⁈

歩道の並木に秋桜が美しく咲いている。


〈晩秋の 花も侘しき 総選挙〉放浪子
季語・晩秋(秋)

10月1日〔日〕曇り
本当は、神無月を題材に書きたかった。
徒然草の「神無月のころ、栗栖野といふ
ところを過ぎて、ある山里に…」との章
が好きで、結びの言葉が中学生の私でも
「だよね〜」と共感出来たからだ。
だが、俳句の世界では「神無月」は冬の
季語である。旧暦のそれは新暦の11月で
あるからだ。
だから、止めにした。
でも、秋は秋。
無粋な選挙が恨めしい。