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旧日立航空機立川工場変電所銃撃跡 終戦70年に寄せて-1

2015-04-03 12:23:22 | 東京散策
 

外壁に残る無数の穴は、太平洋戦争でアメリカの小型戦闘機による機銃掃射やB-29爆撃機の爆弾がさく裂して出来たものである。
建物は旧日立航空機(株)立川工場の変電所で、アメリカ軍の攻撃を3回も受けている。
最初は、1945(昭和20)年2月17日、グラマン戦闘機など50機編隊による。
2回目は、2か月後の4月19日、ムスタング戦闘機数機の攻撃。そして、3回目は4月19日、B-29の101機編隊の爆弾投下である。
3回の空襲で、工場の従業員、動員学生、周辺住民あわせて110名の死者と多くの負傷者を出した。
無数の弾痕は、当時の攻撃のすさまじさを教えてくれるとともに、戦争の悲惨さや悲惨さを強烈に訴えている。
              

          

 
建物の裏や両サイドの壁面の被害はほとんど無かった。
変電所は、このままの状態で1993(平成5)年までの半世紀近く電気を送り続けていた。
その後、市民の活動や元従業員たちの熱意の運動によって、取り壊しを免れ保存された。
戦争の傷跡を残す建物が消え、戦争に対する記憶も薄らぐ近年、この建物を見て戦争の悲惨さと平和の尊さを強く感じ取った。

         
                     
工場敷地内の給水塔も戦災建造物として保存を検討したが、老朽化が激しいため止むなくそのその一部をモニュメントとして変電所と一体で保存している。
給水塔はおよそ25mの高さがあり、保存部分は地面から4m付近で、円筒を1/4にカットしている。

建物近くには、平和の花サクラの古木が見事に花開いている。
          

          

       
場所:都立東大和南公園内(西武線・多摩モノレールの玉川上水駅より5分)

近くの団地の通路に咲く桜
          

          



訪れた日:2015.3.31 玉川上水と共にを歩く



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