モノトーンでのときめき

ときめかなくなって久しいことに気づいた私は、ときめきの探検を始める。

コモンマロウ(Common Mallow)の花

2008-06-17 07:10:05 | その他のハーブ
(写真)コモンマロウの花


コモンマロウの花が咲くと梅雨が始まり、
そして北国では、田植えの時期になる。

コモンマロウの花は、
赤紫の下地に濃い赤紫の線が葉脈のように入り
全体としては、和紙の絞りが入ったかのような直径5cmぐらいの花びらで
大きな葉の影で1日ぐらい気づかなかった可能性があるほど、咲きはじめはわかりにくい。

一番咲きの花の上にはつぼみが結構準備されており、
下から順番に天上に向かって360度パノラマ的に咲いていく。


この花の花びらを使ったハーブティーは変化があり手品のようでもあり面白い。
薄い青色のティーにレモンを絞ると、淡いピンクに変化する。
作り方は、生の花びら・葉を15gつまみ、お湯を1カップ注ぎ10分蒸らすだけでよい。
のどの薬として古来より使われてきた。
一日花のため、花びらは朝の咲きがけ時に摘むと良い。

属名のMalva(マルウァ)は、ギリシャ語でやわらかいという意味に由来し、
薬用・食用で栽培されてきた。
サラダにも良いそうだが、見た感じでやわらかいとは思えず、まだ食べたことはない。

(写真)コモンマロウの立ち姿


この花は日本の風土になじんだ純和風の香りがするが、
原産地は小アジア・ヨーロッパ南部で江戸時代に日本に入ってきたようだ。

近縁種のタチアオイ(=ホリホックHolly-hock)は、
5万年前のネアンデルタール人の墓で発見された野草の中にも
タチアオイの花があったぐらい古い歴史があり、
ヨーロッパには十字軍の頃に伝わり
日本にはもっと早くに、シルクロードを通り中国経由で入ったようだ。
敦煌130洞窟(366年からはじまる)の壁画にもタチアオイの1株が描かれているようであり、
シルクロード経由で中国に伝来した裏づけとなっている。

和名のタチアオイは立葵と書くが、
葵は、葉が傾いて日に向かい根元を日に照らさないように守るところからきており、
知恵があって揆(はかる)=葵になったという。

徳川氏の家紋は“三つ葉葵”であり、由来は諸説あるようだがめでたい植物としての評価があったようだ。

(写真)コモンマロウのつぼみ、葉、花


コモンマロウ(Common Mallow)
・アオイ科ゼニアオイ属の耐寒性がある多年草
・学名は、Malva sylvestris。英名がコモンマロウ(common mallow)high mallow、和名はウスベニアオイ。
・原産地は、南ヨーロッパ。
・草丈60㎝~100cmで、大柄な葉にはビタミンが豊富。
・開花期は5~8月。開花期に花と葉を収穫しハーブティーに利用する。レモンを入れると青からばら色に変化する。
・耐寒性強いので、戸外でも大丈夫。
・耐暑性やや弱い。鉢の場合は、マルチングし乾燥を防ぐ
・こぼれダネでふえ野生化しやすいので注意する。
・3月頃に、地上部10cm程度を残し剪定し株を若返らせる。
・さし芽でも増やせる。冬越しした株元近くの元気なわき芽をさし芽する。

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