水徒然2

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再生可能なエネルギーに係る記載を調べました。(その13:ノルウェーの浸透膜発電について)

2013-02-01 | 再生可能エネルギー・省エネ関連

'13-02-01投稿

 既報(その12)にも記載しましたが、時期は個人的には不詳ですが、新たな有望な化石燃料の創出などで当面凌ぐとしても、将来的には必ず有限であり、結果として化石燃料が高騰かつ枯渇することは必然であり、
 特に、わが国は電気の融通に関しても陸の孤島、かつ地震国なので耐震性のある発電手法を実施せざるを得ずコスト高にもつながり、その推進が難しいと思われますが、計画的に再生可能なエネルギーを増大せざるを得ないのでは?と思われます。
 

 日本の再生可能なエネルギーの現状に係る記載(その)の参考情報に記載したような画期的な発電方法によって低コストな手法の進展が必要か?

 また、四方海で囲まれた不利既報で記載した水陸両用車を活用して太陽光発電二次電池(蓄電池)などとハイブリッドで、わが国の先端技術を集結して、排他的経済水域である海を有効に活用して開発していくことが望まれます。

いずれにしても、国が率先して、援助をしてその普及を指導して再生可能なエネルギーの進展の見える化が重要かと願っています。

 

 関連投稿:今までの「再生可能なエネルギーに係る投稿」の整理('11-5-21~'12-2-29)

 今回は、既報までに記載しなかった液体の濃度の差を利用した浸透膜発電に係る記載を調べました。

BIG LOBE 
1月9日(水)12時24分
注目を集めるノルウェーの浸透膜発電 本文詳しく見る
(一部割愛しました。)
「世界的なエネルギー不足を解消する手段として、液体の濃度の差を利用した「浸透作用」を挙げる人は少ない。しかしノルウェー沿岸部では、海水にどっぷり浸かった発電プラントのプロジェクトが進行中で、新たな電力源として世界の注目を集めている。

首都オスロから南に約1時間、オスロ・フィヨルドの岸辺の街トフテは、パルプ会社の本社工場以外にこれと言った特徴はない。しかし、国営の電力会社スタットクラフト(Statkraft)は、同工場で3年以上も、ひっそりと世界初の浸透膜発電プラントの発電技術を磨いてきた。

とはいえ、同プラントでの発電能力はわずか2〜4キロワットとカプチーノを一杯作れる程度で、即戦力とは到底言い難い。
それでも、ノルウェー再生可能エネルギーセンター(SFFE)は、浸透膜発電から得られる電力の潜在量は世界全体で、東欧およびロシアの総電力消費量に相当する年間約1370テラワット時に及ぶと推定している。

◆濃度差による発電

 スタットクラフトの試みは「塩分濃度差」発電としても知られ、基本的な物理的プロセスである拡散現象を利用する。海水の水分子は、近くの淡水側に移動する性質がある。
河川と海水が交わる条件下ならどこでも発生し、熱という形態でエネルギーを生み出す

 両者
を半透膜で仕切ると、膜を通過できる水分子が拡散し、淡水が海水側に移動する。この現象が浸透作用(正浸透)である。海水側は容積が増えるため海水の流れが加速。その力で発電タービンを回転させる。
両者を半透膜で仕切ると、膜を通過できる水分子が拡散し、淡水が海水側に移動する。この現象が浸透作用(正浸透)である。海水側は容積が増えるため海水の流れが加速。その力で発電タービンを回転させる。

ちなみに、浸透膜の一種「逆浸透膜」は、海水淡水化プラントで数十年の歴史がある。1950年代に実用的な逆浸透プロセスを開発したアメリカの化学エンジニア、シドニー・ロブ(Sidney Loeb)氏は、後に膜で隔てたときに塩水の水分子が淡水側に移動して発生するエネルギーを捕捉する技術を開発している。

スタットクラフトによると、トフテのプロトタイプ施設で圧力遅延浸透圧(PRO)という手法を開発するにあたり、10年以上の歳月と、1億クローネ(約15億6000万円)を超える研究資金を費やしたという。コーヒーメーカー1台分の電力を生成するのがやっとの施設にしては過大な投資だが、研究者にとって発電量の大小は現時点では重要ではない。同社はトフテの実験を、浸透膜発電の大きな潜在能力と優れた環境配慮をいかに有効活用できるかを学習する場としてとらえている。

専門家らはその潜在能力に着目している。オランダに拠点を置くエネルギー分野の大手調査会社DNV Kemaの上級スペシャリスト、フリソ・シッケマ(Friso Sikkema)氏は「非常にクリーンなプロセスだ」と述べている。

 この再生可能エネルギー源への関心は国際的にも高まっている

 例えばアメリカ航空宇宙局(NASA)は、これまでにも宇宙船内の廃水処理に浸透膜システムを利用してきたが、現在はPRO方式を発展させ水の浄化と発電を同時に行える技術の研究を進めている。

 カナダ最大の電力会社で、世界最大の水力発電量を誇るハイドロ・ケベック電力公社は、ノルウェーのスタットクラフトと協力してPRO技術の開発を進展させ、カナダの長大な海岸線を利用した浸透膜発電の実現可能性を探っている。

 また
日本の東京工業大学は、2010年に浸透圧発電研究センターを開設。翌年には、福島第一原子力発電所を廃炉に追いやった破壊的な大地震と津波が発生し、国レベルのエネルギー供給の行く末に再考を促す契機となった。透膜発電への取り組みを先導する同大学の谷岡明彦教授は、「日本の河川と海水が合流する地点に設置すれば、原子炉5〜6基分の電力をまかなえる」と主張している。

◆今後の課題

 では、こうしたメリットにも関わらず、浸透膜発電が世界中に広まっていないのはなぜだろうか。

 その理由としては、非常に高額となるインフラ投資が挙げられる。3万世帯分の電力を供給する商業プラントの場合、スポーツ競技場並みの敷地と、500万平方メートルの膜が必要になるとスタットクラフトは推定している。加えて、きれいな水を抽出できるように膜で十分に汚れを取り除く工程も、費用がネックになるという。

 アメリカ、ペンシルバニア州立大学のブルース・ローガン(Bruce Logan)氏は、「コストを抑えた膜技術の開発が、浸透膜エネルギーの現実的な価格体系を確立する上での鍵になる」と話す。

 スタットクラフトの次のステップは、より多くのエネルギーを生成する、グリッド(電力網)接続の大規模なパイロット・プラントをプロトタイプから立ち上げることだ。同社は、ノルウェー西海岸での建設認可を申請している。

 発電用の膜開発のペースについて懸念を示す一方でローガン氏は、スタットクラフトの計画は「極めて重要な進展」であるとし、期待を寄せている。「研究が順調に進めば、浸透膜発電は3〜5年のうちに大きく飛躍する可能性がある」。」という。

⇒河川、海水中の汚染物質を事前に除去する工程を経て、圧力遅延浸透圧(PRO)という手法の量産化と常に安定した発電用水が供給可能な立地的な制約があるようですが、その他メンテナンス費などを含めた量産化の目処が3〜5年のうちにつくとのこと。

 汚染水の浄化(純化)に用いる逆浸透(RO)膜装置とは異なり、正浸透とのことです。


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