水徒然2

主に、水に関する記事・感想を紹介します。
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エアロゾルに係る記載(その31:国内における大気汚染の現状を多角的に監視しよう。)

2013-02-26 | 放射能など有害微粒子・エアロゾル関連

'13-02-25投稿、'13-02-26追加・更新

 既報(その29)に記載したように、大気汚染微粒子は最近特に増加していると言われているようですが、実際問題、目視できるわけでもなく今後どのように汚染が増大しいくのか?気がかりです。
大気上空で浮遊するAM2.5で象徴される大気汚染粒子は風任せで、いつ、大量にわが国に飛来して来るかもしれません。

 既報(その27:AM2.5大気汚染物質推移のSPRINTARSアーカイブによる調査)にて、中国大陸およびその周辺の大気汚染物質推移を調べてみると、大陸内の汚染は確かに1980年代と比べて酷くなっていますが、ここ十年来の汚染は少しずつしか増加しているに過ぎなく、今回の中国国内における大騒動が逆に不思議なくらいと思われます。 ただし、ここ数年来は大陸上空の汚染は北京など中国沿岸部の諸都市周辺にまで拡散したので、中国内で問題となっているのでは?と思われます。(汚染推移:文末参照)

  既報(その23 )によれば、この大気汚染微粒子は大気浮遊粒子状物質(エアロゾル)による気候システムへの影響及び大気汚染の状況を地球規模でシミュレートするために開発された数値モデルであり、それぞれ地表付近から高度約1kmまでの平均質量濃度から算出していますことから、それ以上の空域に浮遊存在しているものが、降雨などによって地表に降り注いだりした場合、どのような影響を及ぼすのかも不詳ですが、
 いずれにしても、黄砂、火山灰、環境放射能、インフルエンザウィルスなどの超微細な粒子、および 化石燃料の消費によって発生するCO2、SO2などSOX、NOx(窒素酸化物)、および窒素有機化合物(VOC)などガス状物質に加えて、大気汚染微粒子として煤、硫酸塩などハイブリッド汚染が発生して、光化学スモッグを引き起こして、喘息など呼吸器系疾患、酷い場合は肺がん?を発生させて問題となっているという。
 これは、黄砂などに付着するさまざまな有害超微粒子による後遺症なのか?長年の蓄積の影響なのか?よくわかりませんが、下記の参考投稿に示すさまざまな有害物質による後遺症と考えられます。
 
参考関連投稿:その9-1:(放射能などエアロゾルの形状)
・・・環境に悪影響を与えている放射性物質(死の灰)、火山灰、ウイルス、花粉などエアロゾルの形がどのようなものか調べました。続きを読む>>

 黄砂などの発生が比較的少ない冬季でもこの中国国内での惨状が、現状、わが国内に、そのままスライドして来ないだけ救いですが、
大きな粒子は比較的近距離で落ちてしまい、小さな微粒子が遠くまで運ばれくるという。

「イラク(中東)からの黄砂」によれば、
http://www.shimadzu.co.jp/powder/lecture/
beginner/b03.html

2003年3月25日~27日にかけて、西日本において黄砂が観測されました。


通常の黄砂は、中国大陸で巻き上げられた砂塵が偏西風に乗って飛来します。ところが、この時期、中国大陸では大規模な砂嵐の発生がなく、イラク(中東)で大規模な砂嵐が発生しており、これによって巻き上げられた砂塵が日本まで運ばれてきたものだと考えられています。・・・イラク(中東)から日本までの距離は約8,000kmもあり、このような長距離を運ばれる間に、粗大粒子は徐々に沈降・落下し、微小粒子だけが日本まで到達するため、イラク(中東)からの黄砂のほうが、比較的距離の短い中国からの黄砂に比べて、かなり小さくなっていることがわかります。・・・黄砂は、春の雪解けの後、ゴビ砂漠やタクラマカン砂漠などで、強い風のために多量の砂塵が空中に吹き上げられ、比較的低い高度(約3,000m)で移動して中国、韓国、日本等に降り注ぐことになります。大きな粒子は比較的近距離で落ちてしまい、小さな粒子が遠くまで運ばれていきます」 

 国立環境研究所の調査に係る情報によれば、全国31%で基準値超え 1月末のPM2・5 越境汚染の影響とのことで、今までのわが国内の汚染は基準に対して、どのくらいであったのか不詳なので、以下、調べました。

 PS'13-02-26
EICネット
http://www.eic.or.jp/library/ecolife/knowledge/japan02a.html

「大気環境の現状
国内における大気環境の現状

二酸化硫黄、一酸化炭素については、近年良好な状況が続いている。

二酸化硫黄濃度の年平均値の推移
(環境白書 環境庁)

・・・

二酸化窒素や浮遊粒子状物質については、環境基準を満たしていない測定地域の割合は概ね横ばいで推移しているが、大都市地域を中心に環境基準達成状況は依然低い水準となっている。
 
・・・
 
 
浮遊粒子状物質濃度の年平均値の推移
(環境白書 環境庁)

 

有害大気汚染物質

 有害大気汚染物質とは、古くから問題となり規制の対象とされてきた窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)などの大気汚染物質以外の、大気中に微量に存在する種々の有害な物質および物質群の総称である。これらの物質に長期的に暴露されることによる健康影響が懸念されている。
有害大気汚染物質対策に関しては、一部の欧米諸国で取り組みが進んでおり、わが国においても対策に向けての調査・検討が行われている。

有害大気汚染物質とは、OECDの定義によれば「大気中に微量存在する気体状、エアロゾル状又は粒子状の汚染物質であって、人間の健康、植物又は動物にとって有害な特性(例えば、毒性及び難分解性)を有するもの」とされており、種々の物質および物質群を含むが、この語は、古くから問題となり規制の対象とされてきたNOxやSOxなどの大気汚染物質とは区別して用いられている。
また、有害大気汚染物質を分類すると、(1)金属および半金属(水銀など)、(2)吸入され得る鉱物繊維(グラスファイバーなど)、(3)無機物の気体(フッ素など)、(4)非ハロゲン化有機化合物(ベンゼン、多環芳香族など)、(5)ハロゲン化有機化合物(塩化ビニル、ダイオキシン類など)に大別される。一般に大気中濃度が微量で急性影響は見られないものの、長期的に暴露されることによる健康影響が懸念されるものである。・・・」

 ⇒石炭などの化石燃料の燃焼によって発生する浮遊粒子状物質、NOxやSOxの大陸からの越境の影響はなかったのだろうか?

 AM2.5に属する燃焼煤については中国ではここ十年来少しずつ増加傾向となっている(文末 引用図 参照)が、国内では少しずつ減少しているのは不思議な現象なのか?当たり前なのか?
個人的には
今後の国内のNOxやSOxなど含めて多角的に大気汚染状況について着目したい。
 去年の統計および今後のデータについては
国立環境研究所ホームページ
環境数値データベース
大気環境月間値・年間値データの閲覧
で確認できると思われます。

環境省
微小粒子状物質(PM2.5)測定データについてhttp://www.env.go.jp/air/osen/pm/monitoring.html

「平成12年度から平成21年度までのPM2.5測定データ(国設環境大気測定所及びPM2.5モニタリング試行事業及び微小粒子状物質曝露影響調査で得られたデータ)について公表します。
 こちらで公開しているデータについては、欠測処理等をしていない参考値となりますので、ご利用の際にはご注意ください。
 なお、平成22年度測定分(微小粒子状物質曝露影響調査を除く。)からは、例年発行している「大気汚染状況報告書」及び国立環境研究所ホームページ(リンク)に掲載することとしておりますので、そちらをご覧ください。(「平成22年度 大気汚染状況報告書」は現在作成中です。)

※PM2.5モニタリング試行事業:本事業は、地方公共団体が設置する大気環境測定局において、微小粒子状物質(PM2.5)自動測定機による測定を継続的に実施することにより、全国の環境大気中のPM2.5濃度に関する基本的なデータを取得するとともに、PM2.5自動測定機の特性の把握及び地方公共団体における機器の取扱いの習熟等に資することを目的として、平成21年4月より順次測定を行っている事業です。

PM2.5自動測定機器導入設置経緯 [PDF 203KB]   」

 

国立環境研究所ホームページ
環境数値データベース
大気環境月間値・年間値データの閲覧
http://www.nies.go.jp/igreen/td_disp.html

測定物質一般環境大気測定局自動車排出ガス測定局
年間値月間値年間値月間値
二酸化硫黄(SO2)
一酸化窒素(NO)
二酸化窒素(NO2)
窒素酸化物(NOX)
一酸化炭素(CO)
オキシダント(OX)
非メタン炭化水素(NMHC)
メタン(CH4)
全炭化水素(THC)
浮遊粒子状物質(SPM)
浮遊粉じん(SP)
微小粒子状物質(PM2.5)

一例として、福岡県 2010年度 PM2.5 一般局/年間値を転記しました。 

測定局情報年間値データ
測定局
コード
市町村測定局
名称
有効測定
日数
年平均値 日平均値が
35μg/m3
を超えた

日数
  
(日)(μg/m3) (日) 
40131030 福岡市東区 香椎 31 18.4   3    
40202010 大牟田市 国設大牟田 333 21.2   43    

  越境汚染物質が今まで平年並みと報道された福岡市でも、わが国環境基準(1立方メートル当たり35マイクログラム)を超えるPM2.5が飛来して、同市西区で23日午前3時、PM2.5濃度が1立方メートルあたり104マイクログラムを観測したという。(毎日新聞2013年2月23日(土)12:54)福岡県以外も、HPによって閲覧できますが、今回は割愛しました。

参考関連投稿:
エアロゾルに係る記載(その29:<追加>大陸からのAM2.5大気汚染物質の飛来に対する情報)

 

<汚染推移> 引用:月平均データ
http://sprintars.riam.kyushu-u.ac.jp/archivej.html
(開発責任者 竹村俊彦(九州大学応用力学研究所))

1980年1月:工業化、車、原発など、まだ進展していない頃
1996年1月汚染が砂漠地帯に加えて南部地域で目立つ

 

 

2008年1月:
北京オリンピック前、砂漠、南部地域に加えて
北東方面に拡散

 

 

 

2012年12月:汚染が中国全土に拡散、濃霧AM2.5問題が顕在化。

 

 

 

 

 

 

 


 

 


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