水徒然

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環境(水)中の放射性物質の影響と浄化に係る記載(その23:土壌中のセシウムを酸で抽出して定量可能)

2012-03-09 | 日記

'11-03-09
 既報(その22)で記載しましたように、環境中には放射能によって汚染された様々な物質があります。
 既報までにて、食品(、魚、牛乳、・・・)、土壌がれき(瓦礫)、汚泥(下水)、山林の落ち葉などについて調べましたが、
参考投稿:
環境(水)中の放射性物質の影響と浄化に係る今までの記載
 
 個人的には、測定方法による誤差、風化による放射性元素からなる放射能の組成の変化、・・などのためか?どうも放射能が実際に変化しているのか、測定上の問題なのか?
よくわかりません。

 すなわち、別報に記載した地震の前兆という「爆縮現象」(環境放射能値(ベクレル値)が低下)と同様に、
 上記の放射能値がどの様に放射能が増減して実際に推移しているのか?

ベクレ
ル値は有効な放射能指標であることは言うまでもありませんが、
放射能の定量化による補完の必要性を感じています。

全て、定量するのではなく、代表的な対象での結果が低ベクレルの対象の汚染に対しても類推できると思われます。
また、除染、内部被曝防護、爆縮などにも応用できるかと思われます。
関連投稿:射能マイクロスポット発生に係る要因考察

 話が少し外れますが、
 
 ベクレル検査の規制値(/kg)を設定した場合の注意点として、

 被測定物の比表面積、真比重、嵩密度、含水量によって放射線の透過量が変わる問題点があると思っています。
 また、実際の測定検査を見ていませんので、上記の様々な物質のベクレル検査値(/kg)のサンプリング量、セッティングはどの様なのか?

 放射能強度1Bqは1秒間に1つの原子核が崩壊して放射線を放つ放射能の量というが、
例えば土壌などはどの位の厚さにしてはかっているとか?、含水量はどの様か?によって、
観測放射線の透過量(検出)も違ってくる?のではと
と思われます。

 産廃基準に対しても、 JIS(日本)DIN規格(ドイツ)ANSI規格(アメリカ合衆国)などの測定方法のISOとして標準化しないと、バラツキを含めて「数字」が一人歩きしないか?と危惧しています。(原発からの常時排出基準と照合することも必要か?)

 要は、事前に、熱分解ガスー質量分析、示差熱解析などで所定の温度で燃焼灰化時の状態を汚染していない対象と比較したり、「放射能の中身と含有量」を明らかにすることが必要かと思われます。
 もちろん、放射能の場合はその含有量は極超微量(ppb、ppt、・・・)なので、場合によっては、サンプリグ量を増やしたり、抽出液を濃縮したり、環境からのコンタミを防ぐためのハイクラスのクリールーム内で分析していると想われますが、・・・。

 例えば、公害元素カドミウム(Cd)汚染米の場合では、農林水産省の基準(0.4ppm)と厚生労働省(1ppm)の基準、コーディクス(0.2ppm)の基準には違いがあるものの、物質の定量値を指標としています。
引例:

 ヒ素や六価クロム、カドミウム、PCB、アスベスト、光化学スモッグ(エロアゾル)など重金属・化学物質汚染については、国が主体となって、既報に記載した中国の重金属汚染などと違って、それなりの対策(めっき工場などの様に完全クローズドシステムの普及など)されてきました。
 
 本題に戻って、

 今回は土壌の放射能汚染実態の定量をするため手法として有効と想われる
土壌汚染を除染するために土壌中のセシウムを低濃度の酸で抽出する方法
に係る記載を調べました。

(転載開始)

産総研

2011年8月31日 発表
土壌中のセシウムを低濃度の酸で抽出することに成功
-プルシアンブルーナノ粒子吸着材で回収し放射性廃棄物の大幅な減量化へ-
セシウム抽出方法を一部抽出しました。)
ポイント
土壌から酸水溶液でセシウムイオンを抽出し、
抽出したセシウムイオンを吸着材で回収
抽出したセシウムイオンはプルシアンブルーナノ粒子吸着材でほぼ全量を回収可能
放射性セシウムに汚染された廃棄土壌などの大幅な減量化に期待

・・・大量の汚染土壌の処理が課題の一つとなっている。高濃度の酸を用いて土壌から放射性セシウムを抽出できることは既に知られているが、取り扱いが難しいことや、抽出した放射性セシウムを吸着材で回収する際の効率が悪い、酸の再利用が困難でコストが高い、など多くの問題があった。 今回、土壌の重量に対して用いる酸水溶液の重量比(固液比)を上げ、200 ℃の高温で処理することで、大半のセシウムイオンを低濃度の酸水溶液中に抽出することができた。さらに、抽出したセシウムイオンを土壌の1/150の重量のプルシアンブルーナノ粒子吸着材で回収することに成功した。・・・

 一般的に、放射性セシウムと非放射性セシウムの化学的挙動は同様であると考えられているため、今回、土壌から酸水溶液への非放射性セシウム抽出量を評価することとした。土壌試料は、計画的避難区域に指定されている福島県飯舘村の畑から採取した非汚染土壌(下層土、褐色森林土)を使用した。土壌に含まれる非放射性セシウムの総量は、土壌の全分解を行い、その溶液のセシウムイオン濃度を測定し2.3±0.3 ppmと評価した。以下に示すセシウムイオン抽出量は、このセシウムイオン濃度2.3 ppmに対する、抽出されたセシウムイオン量の比として計算した。・・・固液比増加によるセシウムイオン抽出量の増加について図2に示す。これは、0.5 mol/Lの希硝酸を使用した際のセシウムイオン抽出量の固液比依存性を示したものである。酸濃度が一定であっても、固液比を増加させると、セシウムイオンの抽出率が劇的に向上することがわかる。この処理により、例えば12000ベクレル(Bq)/kgの土壌を現在作付け制限の基準値となっている5000 Bq/kg以下にすることができる。さらに、使用する酸を硫酸にすることで、より多量のセシウムイオンの抽出も可能である。0.5 mol/Lの希硫酸を使用した場合、固液比200、95 ℃、45分静置の条件で約88%のセシウムイオンを抽出できた。ただし、実用上硝酸、硫酸のいずれを使用するかは、容器の耐久性などシステム要件を考慮して決定することが望ましい。 ・・・
◆放射性セシウム核分裂を起こし、放射線を発するセシウム原子の総称。東京電力福島第一原子力発電所の放射性物質漏洩事故では、半減期の長いセシウム134(半減期約2年間)とセシウム137(半減期約30年間)が、長期間にわたり放射線を発している。
◆半減期放射性核種は自然に放射線を放出して別の核種に変化するが、その際、元の放射性核種の量が半分になるまでにかかる時間のこと。半減期が長いほど、放射性物質として長期間残り、放射線を出し続けることになる。
◆除染有害物質を環境などから取り除くこと。本件の場合、人間の活動する空間から放射性セシウムを除去することを指す
ベクレル(Bq)放射能とは放射線を出す能力で、この放射能を表すSI単位系の基本単位がベクレル(Bq)である。1秒間に一つの原子核が崩壊して放射線を放つ放射能が1 Bqとなる。1ギガベクレル(GBq)であれば、1秒間に10億個の原子核が崩壊し放射線を放つことを表す。・・・」
本文詳しく見る

(転載終了)

 食品に関しては、低コストな放射線測定法が開発されて、消費者放射能検査時代の兆しがあり、近い将来
、どこが画期的な携帯放射能検査器が開発するのか妄想しています。
参考投稿:
環境(水)中の放射性物質の影響と浄化に係る記載
(その18-2:消費者食品放射能検査時代の兆し )


 
j最近の土壌の放射能汚染を首都圏150カ所を市民が測定した結果を 調べました。

(転載開始)

参考情報:
土壌の放射能汚染〜首都圏150カ所で市民が測定
投稿者: ourplanet 投稿日時: 火, 08/09/2011 - 13:38
「市民の手で、放射能による土壌汚染の状況を把握しようと活動を行っている「放射能防御プロジェクト」のメンバーが8日議員会館で記者会見を開き、首都圏などの約150カ所の土壌検査を行った測定結果を発表した。首都圏や関東の土壌調査で、100カ所以上の調査ポイントの結果がまとまった形で公表されるのは、国や自治体などを含めて初めて。
 
調査結果によると、埼玉県の三郷市早稲田で、セシウム134、セシウム137の合計が、1キロあたり1万4140ベクレルを測定。チェルノブイリ事故の際の強制移住区域にあたるレベルの汚染にさらされていることが明らかとなった。また、東京都の江戸川区臨海、千葉県の松戸市紙敷、松戸市松戸、茨城県の取手市大塚で、それぞれ1キロ当たりあたり3000ベクレルを超えるセシウムに汚染されていることが明らかになった。・・・」
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(転載終了)


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