水徒然

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南極になぜオゾンホールができ易いか?に係る記載を調べました。(その3:大気レーダーによる観測)

2011-12-12 | 日記

'11-12-12投稿
 既報(その1その2)にて南極になぜオゾンホールができ易いか?について調べています。

また、別報にて、並行して 南極と北極との違いは、陸と海(地殻の影響度)および地磁気の極ですが、ごく最近の
北極圏におけるオゾン層の急激な破壊現象の要因についても素人的に考えています。
 南極においては
現在、PANSY(大型大気レーダーの設置)計画などで極地のオゾン層の消滅・生成について観測評価するようですが、それ以上に、なぜ1980年以降オゾンホールができ易かったか?について素朴な疑問を持っています。

 既報(その1)において、
1)南極上空のオゾン層破壊ガスが増加したから?
 増加要因として①火山爆発など過去に何度かあったにもかかわらず、また、②1980年以降にフロンなどを排出する冷凍機、半導体業界などが密集する工業地帯、および③ニュートリノなど人工の崩壊放射線を発生させると言われている原発立地地区からかけ離れた南極でオゾンホールがなぜ急速に発生し始めたのか?
2)放射性物質とメタンとの反応生成物、および放射性物質からの崩壊放射線がオゾン層破壊に影響しているのだろうか?
 温室効果ガスのひとつメタン既報の北極のオゾンホールについては地球温暖化に伴って地殻から解離して増加しつつあると言われている)と核実験、核爆発などによって大気圏中に蓄積しつつあるヨウ素などハロゲン系の放射性物質との反応生成物がオゾン濃度を減少させたのでしょうか?
3)宇宙電離放射線の質および量の異変によってオゾン濃度を減少させたのでしょうか? 
4)ハープ(HAARP)などの電離層を通過する電磁波によって電離層のかく乱現象が生じたためオゾン層も破壊されているのでしょうか?
5)オーストラリアにはウラン鉱山が多いとのことから、自然高放射線地区からのラドンなどの崩壊放射線との関連性でもあるのでしょうか?」と妄想していますが、本当にそうなのか?何が真因なのか?
本件、個人的には十分理解、整理、納得されていない現象です。
詳しく見る>>

 
 今回は、大気レーダーとはどのようなものかに係る記載を調べました。

<参考資料>
大気環境のイメージ



   (google画像検索から引用 図拡大クリック)

(転載開始)

京都大学電気関係教室技術情報誌
「CUE」No.7 June 2001から転載
 
地球大気環境を探るレーダーリモートセンシング
(図および一部割愛しました。文中太字、強調
1.はじめに  
 気象庁は、平成13年4月より『ウインドプロファイラ』による新しい高層風観測網の運用を開始した。ウインドプロファイラは風を測る機能に特化した小型の大気レーダーである。同庁は全国18地点において従来から気球(レーウィンゾンデ)を用いた高層気象観測を実施している。ウインドプロファイラはこれを補完するように全国25ヶ所に配置され、遠隔制御によって自動観測を行う。観測データは1時間毎に気象庁本庁に送られ、現業の気象予報モデルの初期値として利用されることになっている。同庁はこれにより予報の難しい局地的な豪雨や豪雪の予報精度の向上を図るとしている。実はこの観測網に採用された25台のウインドプロファイラは我々が三菱電機株式会社とほぼ10年の歳月をかけて開発した小型大気レーダー(図1)である。後述のMUレーダーで培った技術で開発されたもので、高度5kmまでの下部対流圏の風を高精度・高分解能で測定できる。大学の研究室で生まれた技術が発展して天気予報という身近な用途に用いられることになったわけである。以下では大気レーダーを中心に地球大気環境のレーダーリモートセンシングの現状と今後予想される展開について述べよう。
2.大気を測るレーダー  
 大気レーダーは大気の小さな乱れ(乱流)が生じさせる大気電波屈折率変動による散乱を捉えるものである。夜空で星がまたたくのも同じ理由である。標的はレーダーの電波が通過する大気そのものであるから、当然その散乱強度は極めて微弱である。このため例えば高度100kmまで測定しようとすると、大略、周波数50MHz、アンテナの大きさ直径100m、放射電力数100kW以上という大規模な設備が必要となる。・・・
 1970年代初頭、一部研究者が着目するところとなった。当時適当な観測手段が無かったためまだ充分に理解されていなかった中層大気(Middle atmosphere:高度10~100kmの領域)の解明を目指していた研究者達である。このための専用の大型レーダーの建設が米国、西独(当時)はじめ各国で始まった。我が国でも1984年11月、加藤進名誉教授を中心とする本センターのグループが同種大気レーダーを滋賀県信楽町の国有林内に完成させた。『MUレーダー』(図2)である。
 今日では各国の大気レーダーの活躍はめざましく、既に地球大気環境リモートセンシングの強力なツールとして定着している、といってよい。
 MUレーダー中層大気の他、超高層大気(Upper atmosphere:高度100km以高の領域)の一部も観測できるので両者の頭文字から『MU(Middle and Upper atmosphere)レーダー』と名付けられた。今日では内外の研究者から「ミュー」と親しみを込めて呼ばれている。
 MUレーダーには他の大気レーダーにない特徴がいくつもある。なかでも特筆すべきは一般のレーダーに見られる巨大な送信機がないことである。そのかわり475基の各八木アンテナにそれぞれ小さな半導体送受信機が取り付けられている。一個の小型送受信機の発射電力は2.4kWにすぎないが475基の小型送受信機を同時に働かせることにより1MWという大きな発射電力を得る仕組みになっている。・・・
 現在に至るまでMUレーダーは時間的変動の激しい高層大気を詳細に観測できる世界で唯一のレーダーであり、大気レーダーとして世界最高性能を誇示しているのである。
3.大気レーダーが捉える高層の姿
  MUレーダーでは現在、高度数百kmまでの大気が観測されている。高度10kmを越える高層では最早前線が通過したり雨が降ったりすることはない。そのため以前はそこは何も起こらない静寂の世界と考えられていた。しかしMUレーダーを始めとする大気レーダーの観測によって大気の波が激しく荒れ狂っている世界であることが明らかになりつつある。・・・
 この種の波は地球の重力により作られる波であることから、重力波と呼ばれている。目には見えないが実は大気中にも水の場合と同様の重力波が存在する。・・・
 地球規模の大気の運動として高度60kmあたりを中心に夏は東風(西向きの風)、冬は西風(東向きの風)が吹いているのはよく知られている。
 しかし、ひとつの興味深い謎は、高度80km付近にいつも風速の非常に弱い層が存在していることであった。太陽による加熱だけで気圧が決まるとするとその高度で風速が弱まることはない。実はこの事実の説明に大気重力波が上方に伝搬し、ブレーキとして働いていると言う説が多くの気象学者により提唱されていた。中層大気中にはこうした大気重力波がいつも観測される。鉛直流と東西風、又は鉛直流と南北風の積の高さ勾配(微分値)から背景風の減速量が求められる。その結果、確かに東風が吹く夏には東向きの、西風の吹く冬には西向きの抵抗が発生し背景風を減速することが明かとなり10年来の謎が解明された。・・・

 しかし、これらの波が一体どこで発生しているのか、その強さや地域による分布はどうなっているのか?大気レーダーが今懸命に調べている課題であり、今後の観測結果が待たれている所以でもある。・・・
 MUレーダーが初めて明らかにした鉛直流変動は極めて複雑で、が小規模なものから大規模なものに変化(組織化)して行く過程が克明に捉えられた。・・・     

 また、高度100kmより上方の電離した超高層大気の観測でもMUレーダーは目覚しい活躍をしている。一般にオーロラが見られるのは高緯度であり、電離層異常が頻発するのは低緯度とされていた。中緯度の研究は既にやり尽くされもはや何も面白い現象は残っていない、とする研究者の長年の偏見があった。しかし実際には、大気中を下層から伝搬する大気の波と、上層の電離大気が相互に作用を及ぼし合うことで実に多様な現象が生起していたのである。

 
特にMUレーダーが発見したプラズマの爆発的な大規模上昇流や、準周期的な不安定現象は、国際的に研究者の「中緯度回帰」を促した、と評価されている。なお超高層大気は地球温暖化にともない逆に寒冷化することが知られている。こうした気候学的研究も今後発展的になされるものと考えられる。

4.まとめ  
 レーダーリモートセンシングの進歩はまさに日進月歩と言ってよかろう。我々もミリ波帯レーダーはじめ先端的な多周波・多変量レーダーの開発と利用研究を進めている。大気レーダーは今後地球環境問題等に対する興味から一層広く展開が進められるだろう。特に、地球規模の大気循環の源である赤道域の大気レーダー観測は従来より世界中の研究者の関心の的であった。なかでもインドネシア近辺は世界で最高温の海洋に無数の島が浮かぶ海洋大陸となっている。そこでは激しい上昇気流によって大規模な積雲が発生し、大気が上層の成層圏に噴水のように噴き上げているとされている。一般に、互いに混じりにくい対流圏と成層圏の大気がインドネシアの上空で混じり合っているわけである。成層圏のオゾン層を破壊するフロンもここから入り込み、成層圏内に広がって南極まで運ばれ、オゾンホールを作っていることがわかっている。赤道域はことのほか大気波動の活動も盛んであり、これらの物質の輸送にも関与しているはずであるが、残念ながらこの地域での観測データは極めて少ない。   去る平成13年3月、我々のグループは同国スマトラ島の赤道直下のブキティンギ市郊外に『赤道大気レーダー(Equatorial Atmosphere Radar; EAR)』(図3)を建設した。赤道域大気の解明を目指して最初に構想されて以来10余年を経て漸く実現したものである。このレーダーはMUレーダーほど強力ではないが、それでも赤道大気を地表近くから高度20kmまで一気に調べることができる。運用は同国航空宇宙庁(LAPAN)と共同で行われる。我が国の大学が外国で運用する初めての大型設備となり、先駆的な学術成果は勿論、新しい形態の国際共同研究としてその進展が期待されている。」
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(転載終了)

⇒「・・・成層圏のオゾン層を破壊するフロンもここから入り込み、成層圏内に広がって南極まで運ばれ、オゾンホールを作っていることがわかっている。赤道域はことのほか大気波動の活動も盛んであり、これらの物質の輸送にも関与しているはずであるが、残念ながらこの地域での観測データは極めて少ない。・・・」とのことですが、いずれにしても、「1980年以降、南極になぜ」、「最近では北極でも拡大」について、その真因が解明されていません。
 また、大洪水で被災しているタイなどは数年前までは「旱魃」に悩まされて、人工降雨剤の研究が活発であったのが嘘のようです。
気象異変の変動幅も大きいようです。
世界各国の気象操作の影響(副作用)もあるのだろうか?
「・・・ ヨウ化銀、ヨウ化銅は人工降雨剤として利用されています。中国などで人工降雨剤を使って旱魃などの環境対策を実施していることは衆知の事実であります。・・・また、人工降雨剤には、上記以外に有機物系のポリスチレン、ナイロン、メタアルデヒドの微粒子が使われています。
 タイでは国王自ら、技術開発して特許出願しています。・・・」
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 既報(その2)によれば、「・・・
1971年には米国の人工衛星Nimbus-4号にBUVというオゾン観測器が搭載され,全球的なオゾン観測が開始されました。・・・1982年には日本の忠鉢繁とイギリスのファーマンがそれぞれ独自に,南極昭和基地とハレー基地のオゾン観測データからオゾンの異常な減少に気づき,1984年から1985年にかけて世界的に報告し,いわゆる「南極オゾンホール」の発見となったのです。・・・また,東京大学等により,紫外吸光法を用いたロケット搭載型のゾンデを用いて1970年代から鹿児島県内之浦のロケット実験場で高度70km以下のオゾンの観測が行われてきました。最近では,差分吸光レーザーレーダーや赤外吸光,ミリ波分光などさまざまな手法によるオゾン観測もいくつかの研究グループによって行われてきています。・・・」と言われています。
 観測に使用される紫外線、赤外線、ミリ波など電磁波は水、酸素、オゾンなどによって吸収されて発熱反応を起こすことから、当然、湿度にも影響すると想われます。別報でも記載しました2次的な副作用を素人的には「オゾン層の破壊(消滅)」に影響しているのでは???とも妄想・杞憂しています。
例えば、電磁調理器のような波長は水を振動加熱する効果があるし、電離層にメタンが存在すればメタンの炭化など真空度に応じて様々な反応が起こりそうです。
 また、オゾンの発生は大気中の水分が多くなると、すなわち湿度が高くなると減少し、地震などの前兆として、地殻が振動を受けると発生するとも言われています。
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参考:

      

      (google画像検索から引用
 図拡大クリック)
<電磁波の波長と周波数の関係

     (google画像検索から引用)

電磁波の波長と環境中の水に対する透過吸収反応

既報で記載の引用図
http://150.48.245.51/seikabutsu/2003/00213/contents/0006.htm
(水はニュートリノなど電離放射線、粒子線、紫外線、光、赤外線、サブミリ波、ミリ波など電磁波をを吸収するとそのエネルギーは熱化すると言われていますが、その吸収度が解ります。水はその熱によって発生させると思っています。)

関連投稿:
地異に係る記載(地震など岩盤崩壊時に発生するオゾン)
オゾンの生成・消滅に係る紫外線の波長など諸要因の記載)
・異常気象に係る記載(タイ国の大洪水の原因は?)
(赤道付近のタイなど周辺国の近年の気象異変の真因は一体何なのだろうか?)


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