'11-04-19投稿、強調
既報の放射性化合物の調査の過程で、ヨウ素化合物は概ね水溶性でありますが、水に不溶性の数少ないヨウ素の化合物として、ヨウ化銀(AgI)、ヨウ化銅(CuI)があることを知りました。
ヨウ化銀、ヨウ化銅は人工降雨剤として利用されています。中国などで人工降雨剤を使って旱魃などの環境対策を実施していることは衆知の事実であります。
今回は局所的な降雨などと関連がありそうな人工降雨剤の種類、実施方法に係る記載を幅広く調べてみました。
1.人工降雨とは
1)Hatena Questionによれば、
http://q.hatena.ne.jp/1179318388
(一部割愛しました。)
「雨ができるには以上のように、核になる粒子と低温の雲が必要であるが、ある程度発達した積雲や層積雲の上部では温度は0℃以下になっているものの、氷点下15℃くらいになるまでは、過冷却と言ってまだ水滴のままであり、雪片の形成に至らず、雨は降らない。そこへ、強制的に雪片を作るような物質を散布してやれば雨を降らせる可能性ができるわけで、・・・人工降雨はある程度発達した雨雲がある場合に有効であり、かつ成功するもので、雲の無い所に雨雲を作って雨を降らせるのは不可能である。またその雨量も、本来の雨量を1割程度増加させるくらいで、自由に降水量を制御できるまでには至っていない。・・・」
2.人工降雨の詳細
気象庁 気象研究所
「人工降雨研究の最前線」によれば、
http://jcsepa.mri-jma.go.jp/outreach/
20090306/symp090306_murakami.pd
(一部抽出しました。)
「<人工降雨・降雨の必要性>
深刻化する水不足→水資源確保
温暖化に伴う異常気象の頻発
<人工調節の基本的考え方>
最小限の人工的刺激によって自然の雲が持っている潜在的能力を最大限に引き出す
・氷晶(核) 雨滴の芽エネルギー強冷法
人工氷晶核法(ドライアイス・ ヨウ化銀)
・雲核 吸湿性粒子散水法・・・
人工的に生成した雲粒や氷晶などを雲内に導入し、それに引き続く雲の微物理構造の変化を利用するミクロンサイズの吸湿性粒子が核となり周囲の水蒸気を集め、大きな雲粒を作る。
・氷晶発生法ー強冷法ドライアイス、液体炭酸、液体プロパン
人工氷晶核(ヨウ化銀、ヨウ化鉛、メタアルデヒド)
<人工氷晶核発生装置>
・地上発煙装置AgI-AgCl-NaCl-アセトン溶液
・火工式発煙装置アメリカ法AgIO3+還元剤
・ソビエト法AgI+酸化剤+還元剤投下式
・火工法
・高射砲、ロケット砲
<吸湿性粒子発生装置>
・フレア法 ・マイクロパウダー法
<人工降雨・降雪技術の現状>
•40カ国以上で100件以上のプロジェクト
–大多数が業務的、研究的プロジェクト
<問題点>
•効果判定(統計的手法)の難しさ
•自然環境への影響
•社会的影響
<我が国における取り組み >
•1947年人工降雨実験(航空機からドライアイスを撒布)九州大学、九州電力、在日米軍
•1951~1965年頃人工降雨実験(ヨウ化銀やドライアイス)電力会社がスポンサー、大学や気象研究所参加
•1965年~渇水時の人工降雨実験(地上設置型のヨウ化銀発煙装置や航空機からのドライアイス散布装置、散水装置)東京都、福岡県、沖縄県、香川県
•1988~1992年科学技術庁振興調整費「降雪機構の解明と降雪雲の人工調節の可能性に関する基礎的研究」気象研究所、大学、国立研究機関
•1994~2002年共同研究「山岳性降雪雲の人工調節に関する研究」気象研究所・利根川ダム統合管理事務所
•2006年~科学技術庁振興調整費
「渇水対策のための人工降雨・降雪に関する総合的研究」気象研究所、大学等(10機関)
寒候期の「人工降雪技術の高度化」
理想的なシーディングによる増雪効果の達成と実用化のために最適シーディング法の確立・・・
<おわりに>
•気候変動に伴って今後ますます豪雨豪雪・少雨少雪などの異常気象が頻発することが懸念されている。
•降水の人工調節は、日本の山岳性降雪雲のように条件を満たした雲では最大30-40%の増雪が見込める魅力的な技術である。
•水不足・渇水を緩和するための,そして今後は水資源を管理するための一手法としてますます重要性が増してくるものと思われる。
•世界的には水不足問題が深刻化することは間違いなく,そのような国々への技術支援の必要性も高まるであろう。
•水資源管理技術の高度化に向けて –水資源管理とその有効利用のために短期・長期の降水予報精度の向上とその利用 –水循環サイクルを少しだけ調節して人類がその恩恵を受ける気象改変あるいは気候改変に関する研究も」
(転載終了)
⇒水に難溶性、不溶性のヨウ素化合物として、今までの調査ではAgI、CuI、PbI、AgIO3などがあげられます。
また、人工降雨剤には、上記以外に有機物系のポリスチレン、ナイロン、メタアルデヒドの微粒子が使われています。
タイでは国王自ら、技術開発して特許出願しています。
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