水徒然

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異常気象に係る記載を調べました。(その22:全球のオゾン層の現状と見通し)

2011-12-16 | 日記

'11-12-16投稿
 大気圏に存在しているオゾンは生態系に有害な紫外線を吸収して地球を衛る重要な役割を持っています。詳しく見る>>
 オゾン層が少なくなると、太陽系から地球に注がれる紫外線など放射線は増加して、最終的には熱となって今まで以上暖める効果がありますが、・・・。 「温暖化」と「オゾンホールの拡大」はどちらが卵か鶏か個人的にはよくわかっていません。

 地球温暖化現象と関連する想われる最近発生した北極でのオゾンホールの拡大(真因不詳)は生態系、異常気象に対して今まで以上に悪影響を与えていると言われています。詳しく見る>>
 
 極域上空のオゾン破壊(オゾン(O3)→酸素(O2) )の真因は定かではありませんが、

 通常、環境中のオゾン濃度の推移はメタンと連動していたり、そのメタンは天然ガス採掘などで地表に漏えいしたり、
関連投稿:(メタンガス発生)
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また、地震などの振動によってオゾンが発生(酸素(O2)からオゾン(O3))していると言われています。

すなわち、オゾンの生成・消滅は単に大気圏上空での紫外線(UV-B、UVーC)によって起っているとは限らないようです。詳しく見る>>

 また、大気上空中に存在しているさまざまなエアロゾル(火山灰、放射能、黄砂・・・)、水分(湿度)の触媒的な影響も受けていると想われます。詳しく見る>>

 オゾンに係るさまざまな知識は別報に譲るとして、全球的なオゾン濃度推移について個人的に不詳につき調べました。

(転載開始)

気象庁
3.1.1 オゾン層の現状と見通し
(一部抽出しました。国内情報は割愛しました。)
「大気中のオゾンは多くが高度10~50kmの成層圏に存在する。このオゾンの多い層をオゾン層という。成層圏のオゾンは生物に有害な太陽紫外線の多くを吸収し、地上生態系を保護するとともに、紫外線を吸収し熱を放出することにより、成層圏における大気の循環と気温の基本的な構造を決めている。現在、人為的な影響によりほぼ全球で長期的にオゾンは減少している。このようなオゾン層の変化は、生態系に影響を与えるとともに、成層圏の気象に変化をもたらし、ひいては地上の気候にも影響を与えると考えられている。ここでは地上および衛星からの観測結果に最新の研究成果を加えて、オゾン層および紫外線について、現在までの状況と今後の見通しを述べる。なお、対流圏のオゾンについては、第2章で記述している。

(1)オゾン層およびオゾン層破壊の概要
 成層圏のオゾンは、低緯度の高度30km付近を中心として光化学反応により生成され、ブリューワ・ドブソン循環と呼ばれる成層圏内の大気の流れに乗って中・高緯度へ、さらに下部成層圏へと輸送される。地表から上空の大気全体に含まれる気柱あたりのオゾンの総量として定義されるオゾン全量は、この輸送の効果により、オゾン生成の中心である低緯度よりも中・高緯度で多くなる(図3.1.1)。


 図3.1.1 衛星観測による全球のオゾン全量分布

米国のニンバス-7衛星に搭載されたオゾン全量マッピング分光計(TOMS)の測定データをもとにして作成した全球のオゾン全量の年平均の平均値(1979~1992年)を示す。等値線間隔は15m atm-cm。

 また輸送の季節変化によって、冬から春にかけて多くなる。・・・

 高緯度のオゾンが少なくなるなど、オゾン全量の変動に大きな影響を与えている(図3.1.2)。・・・

 オゾン量はこのようなさまざまな時間尺度での変化を繰り返しつつ、長期的には1980年頃から赤道付近を除くほぼ全球で減少している。これは、人工物質であるクロロフルオロカーボン類(CFCs;フロンとも呼ばれる)などに起因する塩素や臭素によりオゾンが破壊されたことによる(オゾン層破壊のしくみについては付録3参照)。・・・
 国際的なオゾン層破壊物質の規制が取り組まれた。その結果、1992~1994年にピークに達した対流圏内のオゾン層破壊物質の濃度は、その後減少し続けていることが観測で確認されている(
2.6節参照)。
 しかし、オゾン層が回復するにはまだしばらくの時間を要すると見込まれている。

(2)オゾン層の現状
1)全球のオゾン層
 図3.1.3に、地上観測および衛星観測にもとづく全球平均オゾン全量の偏差の推移を示す(Fioletov et al., 2002a; WMO, 2003)。年々変動はあるものの1980年代初めから現在まで、オゾン全量が減少していることがわかる。このなかで、1992年から1994年にかけて一時的に大きく減少したのは、1991年6月のピナトゥボ火山の噴火にともなうものである噴火にともない成層圏内の硫酸エーロゾルが増加し、その粒子表面で進んだ化学反応付録3参照が、オゾンの破壊を促進したと考えられている(WMO, 2003; Jäger et al., 1995; Kondo et al., 1995)。このオゾン破壊は北半球の中・高緯度で顕著であった(図3.1.2参照。特に1993年の北半球中高緯度で減少が大きい)。



 図3.1.4に衛星観測にもとづく緯度帯別のオゾン全量の長期変化傾向を示す。これによれば、低緯度域を除いたほぼ全球で減少していることがわかる。特に南北両半球の高緯度域の減少が顕著である。図には示していないが、季節別にみると、冬と春の減少傾向が大きくなっている。塩素・臭素によるオゾン層破壊は、低温の気象条件で促進されるため、より低温の高緯度ほど減少が大きくなる。また、冬から春にかけてオゾン層の破壊が進むため、春に最も減少傾向が顕著となっている。・・・

 次に、オゾンの高度分布の長期変化傾向を図3.1.5に示す。オゾンの減少は高度40km付近の上部成層圏と高度15km付近の下部成層圏の二つの高度領域で極値を示している(WMO, 1998)。これはともに、CFCsなどのオゾン層破壊物質に起因するオゾン層破壊現象であるが、上部成層圏では紫外線によりCFCsなどから遊離した塩素・臭素が直接オゾンを破壊するのに対し、下部成層圏ではエーロゾル粒子表面で進む特殊な化学反応により活性化した塩素・臭素がオゾンを破壊する。その破壊機構の詳細は、付録3を参照して頂きたい。・・・

3)南極域上空のオゾン層;オゾンホール

 南極域上空では、春を中心にオゾン全量が著しく減少する現象が生じている。オゾンの減少領域が南極大陸を囲むように拡がることから、この現象は「オゾンホール」と呼ばれている。オゾンホールの内部では下部成層圏のオゾンが大きく破壊されている(図3.1.9)。・・・

 
 図3.1.19にいくつかの数値モデルを使って得られた全球のオゾン量の推移予測を示す。上図は北緯60度から南緯60度までの観測されたオゾン全量値と数値モデルによる予測の範囲である。下図は衛星による南極域における最低オゾン全量の観測値と数値モデルの予測範囲である。モデルの予測に大きな幅があるのは、モデル計算で考慮した、将来の二酸化炭素やメタン、一酸化二窒素など大気微量成分の濃度予測に幅があること、また、対流圏や成層圏の気温など将来の気候の予測にも幅があるためである。このように予測の幅はあるものの、オゾン全量は2020年以前に最低レベルとなり、今世紀半ばまでにオゾン層はおおむね回復すると考えられる(WMO, 2003)。・・・」本文を詳しく見る

(転載終了)

⇒古いデータなので、2000年以降のデータについて、どのようになっているのでしょうか?
更新データを調べる予定です。
 全球のオゾン濃度は長期的には1980年頃から赤道付近を除くほぼ全球で減少している。これは、人工物質であるクロロフルオロカーボン類(CFCs;フロンとも呼ばれる)などに起因する塩素や臭素によりオゾンが破壊されたことによると説明されています。
1992年から1994年にかけて一時的に大きく減少したのは、1991年6月のピナトゥボ火山の噴火にともなうものである噴火にともない成層圏内の硫酸エーロゾルが増加し、その粒子表面で進んだ化学反応が、オゾンの破壊を促進したと考えられています。

 南極のオゾンホールと同様、1980年以降にオゾン濃度が減少していることがわかります。
北極圏では最近オゾンホールが拡大しています。

 
素朴な疑問として、①火山爆発など過去に何度かあったにもかかわらず、また、②従来からフロンなどを排出する冷凍機、半導体業界などが密集する中高緯度の工業地帯からかけ離れた南極でオゾンホールがなぜ1980年以降に急速に発生し始めたのか?詳しく見る>>





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