Odilon Redon
ルドンとその周辺―夢見る世紀末|三菱一号館美術館 グラン・ブーケ収蔵記念
会期: 2012年1月17日(火)〜3月4日(日)
http://mimt.jp/redon2012/
三菱一号館美術館に行くのはこれで3度目です。
マネ、カンデンスキーにつづいて、今回はルドン。
ルドン展は少し前のBunkamuraでの展示を見逃しているのでぜひ見たいと思っていました。
会期終盤になってきましたが、27日の日曜の時点で10分弱くらい建物の中に並んだ程度。
展示室は最初の部屋がやや混雑しているくらいで、あとはゆったり見られる状態でした。
目玉のグラン・ブーケはかなり大きくて見やすいのでまったく問題なしでした。
目玉の三菱の新収蔵作品をのぞくと作品は岐阜県美術館所蔵作品ばかり。
ルドンの作品を多数所蔵しているのがすごいですが、リニューアルオープンの展示もすごいようです。
http://www.kenbi.pref.gifu.lg.jp/page3312.php
ルドンというと幻想的な版画に尽きるという人間なので、第一部の「ルドンの黒」がやはり印象に残ります。
不気味さとユーモアを同時にもった独特の版画は一度見ると忘れられませんが、そこにたどりつくまでに、いい師匠や友人とめぐり合ったことが重要だったことがわかりました。
特にロドルフ・ブレスダンの版画はすごかったなあ。
http://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=43281&isHighlight=true&pageId=2
この細かい描写はルドンとは全然違いますが、幻想的なイメージは継承しているんだろうなあ。
ブレスダンの作品の異常な描き込み具合を見ると、町田で見た「驚異の部屋」の展示を思い出します。
ルドンの絵には、そういった博物学的要素やシュールレアリスムに通じる文学的ともいえる要素が混在しているように思えました。
展示解説にはユイスマンスの「さかしま」によってルドンの名が世に広まったということが簡単に書いてありましたが、それ以上詳しい説明がないのはなぜなんでしょう。
「さかしま」というと退廃的小説の権化(?)みたいなものだから、そこで紹介されて有名になったことは「ルドン=退廃」というイメージがつきすぎて困ったりしなかったのかな?
まだ未読の「さかしま」ですが、これを読んだら挑戦したくなってきました。
相当難解なんでしょうが。
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0990.html
話は「グラン・ブーケ」に飛びますが、これは本当に大きい作品でした。
ルドンが大きい作品を描くというイメージがなかったから特に大きく感じました。
ある男爵が食堂に飾るために描かせたものだということです。
確かに色は明るく食堂向けなのかもしれませんが、その花のただならぬ色彩は先日、近代美術館で見た大岩オスカールの作品を思わせる異様さがあります。
版画と絵画ではずいぶん印象の違いルドンの作品ですが、無垢と恐怖、優しさと残酷さといった複数のイメージがつねに共存して、見るものを不思議な感覚に陥れるところは共通しているように思えます。
そういえば、ロスコのあの大作も食堂に飾るためのものだったはずだと思い当たり、なんだか不思議な気分になりました。(ひ)
ルドンとその周辺―夢見る世紀末|三菱一号館美術館 グラン・ブーケ収蔵記念
会期: 2012年1月17日(火)〜3月4日(日)
http://mimt.jp/redon2012/
三菱一号館美術館に行くのはこれで3度目です。
マネ、カンデンスキーにつづいて、今回はルドン。
ルドン展は少し前のBunkamuraでの展示を見逃しているのでぜひ見たいと思っていました。
会期終盤になってきましたが、27日の日曜の時点で10分弱くらい建物の中に並んだ程度。
展示室は最初の部屋がやや混雑しているくらいで、あとはゆったり見られる状態でした。
目玉のグラン・ブーケはかなり大きくて見やすいのでまったく問題なしでした。
目玉の三菱の新収蔵作品をのぞくと作品は岐阜県美術館所蔵作品ばかり。
ルドンの作品を多数所蔵しているのがすごいですが、リニューアルオープンの展示もすごいようです。
http://www.kenbi.pref.gifu.lg.jp/page3312.php
ルドンというと幻想的な版画に尽きるという人間なので、第一部の「ルドンの黒」がやはり印象に残ります。
不気味さとユーモアを同時にもった独特の版画は一度見ると忘れられませんが、そこにたどりつくまでに、いい師匠や友人とめぐり合ったことが重要だったことがわかりました。
特にロドルフ・ブレスダンの版画はすごかったなあ。
http://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=43281&isHighlight=true&pageId=2
この細かい描写はルドンとは全然違いますが、幻想的なイメージは継承しているんだろうなあ。
ブレスダンの作品の異常な描き込み具合を見ると、町田で見た「驚異の部屋」の展示を思い出します。
ルドンの絵には、そういった博物学的要素やシュールレアリスムに通じる文学的ともいえる要素が混在しているように思えました。
展示解説にはユイスマンスの「さかしま」によってルドンの名が世に広まったということが簡単に書いてありましたが、それ以上詳しい説明がないのはなぜなんでしょう。
「さかしま」というと退廃的小説の権化(?)みたいなものだから、そこで紹介されて有名になったことは「ルドン=退廃」というイメージがつきすぎて困ったりしなかったのかな?
まだ未読の「さかしま」ですが、これを読んだら挑戦したくなってきました。
相当難解なんでしょうが。
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0990.html
話は「グラン・ブーケ」に飛びますが、これは本当に大きい作品でした。
ルドンが大きい作品を描くというイメージがなかったから特に大きく感じました。
ある男爵が食堂に飾るために描かせたものだということです。
確かに色は明るく食堂向けなのかもしれませんが、その花のただならぬ色彩は先日、近代美術館で見た大岩オスカールの作品を思わせる異様さがあります。
版画と絵画ではずいぶん印象の違いルドンの作品ですが、無垢と恐怖、優しさと残酷さといった複数のイメージがつねに共存して、見るものを不思議な感覚に陥れるところは共通しているように思えます。
そういえば、ロスコのあの大作も食堂に飾るためのものだったはずだと思い当たり、なんだか不思議な気分になりました。(ひ)