定ちゃんの部屋

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(from 2006.1.18)

PINK FLOYD

2010年11月24日 | 私的ロックの名盤 P
プログレバンドの中では特にお気に入りなのがピンク・フロイド。
初体験は、中学生の時に聴いた「狂気」。だけど、その時はポップス大好き少年だったので、小難しいフロイドの音楽は響かなかった。
それから高校生になってリアルタイムで聞いた「鬱」。
彼らのキャリアの中では最高傑作の部類には入らないアルバムやけど、かなり愛聴した。
そして、決定打となったのが、遡って聴いた「THE WALL」。
これぞ究極の名作と言えるアルバムで、2枚組の大作なのに1曲目から聴き始めると、最後まで通して聴きたくなってしまうという逸品。
彼らのアルバムにはYESのような派手なテクニックや、GENESISのようなキャッチーなメロディはないけれど、ギルモアのギターを始め、じっくりと鑑賞するに値する。(2004.8.14)


「THE PIPER AT THE GATES OF DAWN」(夜明けの口笛吹き) (1967)

記念すべきピンク・フロイドのデビュー作。
当然、ギターはデイブ・ギルモアではなくてシド・バレット。
シドが殆どの曲を手がけた唯一のアルバムで、正にサイケデリック・ロックの名作。
精神分裂症になって引退してしまってからはロジャー、ギルモアのフロイドになってしまうので、「シドのフロイド」を楽しむならこのアルバムしかない。
不気味なアレンジが巧みな①「ASTRONOMY DOMINE(天の支配)」、サビメロがポップな②「LICIFER SAM」・・・と冒頭でいきなり彼らの世界へ引きずりこまれてしまいます。
絶妙なポップ感覚と何とも言えない奇妙な雰囲気が同居した唯一無二のオリジナリティを放っているアルバム。


「ATOM HEART MOTHER」(原子心母) (1970)
            
印象的な牛のジャケで有名なプログレロックの超名盤・・
と言われてますが、ロックとクラシックの融合と言われる1曲目の壮大なシンフォニックインスト大作「原子心母」を何度も聴いてるけど、僕にはその超名曲の意味が未だに理解できないでいます。まだまだ甘チャンなのです。
同時期に出たプログレ作品の同じく1曲目のクリムゾンの「21世紀の精神異常者」の方がスゲ~っと思ったけどね。
2、3、4曲目はフォーキーで叙情的な雰囲気のまあ普通の曲。
5曲目は水道の音、コーヒーを飲み干す音、卵はハムを焼く音・・といったSEを聴いてると、本当に情景が浮かんでくるような感じ。正に「朝食」です。
しっかし「フランケン風・脳の朝食」って何やねん!爽やかな音に乗せて「脳をよく洗い皮をむく?」そんなもん食べれるかいな(笑)


「MEDDLE」(おせっかい) (1971)
           
小学生の時よくTVで見たプロレス。当時大人気の黒人太っちょスター「アブドーラ・ザ・ブッチャー」が入場する時凄くダークで印象的なテーマソングが流れる。
僕は子供心にその曲は「ブッチャーの曲」だと思っていた。
数年後、高校生になってたまたまこのアルバムをレンタルで借りて1曲目の「吹けよ風、呼べよ嵐」を聴いてビックリ!そう。その「ブッチャーの曲」やないですか!こんな所に隠れていたなんて。ヘヴィなベース主体に独特の音象のこの曲は聴いてるとなぜかゾクゾクする。こんな曲を作れるのはフロイドしかいない。
そしてラストの大作「ECHOES」。トリップ感満点のこんな曲を作れるのはフロイドしかない!


「THE DARK SIDE OF THE MOON」(狂気) (1973)
            
長期ロングセラーで世界で売れに売れまくったギネスもののフロイドの代表作。
様々なSEを多用し、正に「プログレッシブ」というアルバム。アルバム全体の雰囲気がとても叙情的で、女性コーラスを導入したり、ピアノが入ったりする④「THE GREAT GIG IN THE SKY」なんかは「夜の雰囲気」満点。
③「TIME」の冒頭の様々な時計の音は目覚まし代わりになりますね。ボ~っとCD聴いててこの部分で「ビクッ」とした人は僕だけじゃないハズです。
レジスターとお金の音のSEが印象的な⑤「MONEY」だけのアルバムじゃありません。
ただ、無茶区茶売れた割りには「コレ!!」という曲が見当たらないように思うんやけど、個人的には8曲目。「I’LL SEE THE DAEK SIDE OF THE MOON」の歌の後のSEの笑い声が不気味・・・


「WISH YOU WERE HERE」(炎あなたがここにいてほしい)(1975)
            
このアルバムは「Shine On You Crazy Diamond」のイントロのデイブ・ギルモアのギターに尽きます。
正にストラトキャスターというトーンに、ブルージーなフレーズ、絶妙のチョーキング、最高です!「ストラトの名盤10選」というコーナーがあれば必ず選ばれるアルバムです。
そして、元メンバーのシド・バレットに捧げるアコースティックギターがほのぼのした雰囲気の「WISH YOU WERE HERE」も名曲。
全世界で売れまくった「狂気」よりもこっちの方が好きだし、このアルバムはフロイドの中では「WALL」に次ぐ傑作だと思う。


PINK FLOYD 「ANIMALS」 (1977)

確か、中2の時に友人にカセットを借りて僕がフロイドで2番目に聴いたアルバム(初フロイドは「狂気」)。
コレ、聴いた時は全く受け入れられなかった。というのも、メロディが分かりにくくて、インスト部分が異様に長い。まだ洋楽初心者にはこのアルバムは早かったのです。それから、歳をとる毎にたびたび引っ張り出して聴いて、ようやくこのアルバムの全体像が掴める様になった。今聴くと、②「DOGS」なんかギルモアのギター全開で素晴らしいし、③「PIGS(THREE DIFFERENT ONES)」は歌メロがキャッチーで、20年前に受けた難解さはそれ程感じない。
犬をインテリ、豚を資本家、羊を労働者に例え痛烈に社会・時代批判をする濃い内容のアルバムで、実在の工場に豚の気球を飛ばしたジャケも凄く印象的。
音も然る事ながら、フロイドは歌詞を読んで2倍楽しめます。
ちなみに、アルバム最後の歌詞が
「誰だって知ってるだろう?犬には翼のある空飛ぶ豚から身を隠す安全な我が家が必要だってことを・・・」


「THE WALL」 (1979)
            
ピンク・フロイド究極の超名盤。僕は何回聴いたことか分からないくらい聴きまくった最高の一品。
1曲を単品で聴くより通しで聴いた方がなお最高。(というか、頭から聴くと通して聴きたくなるアルバム。)
ロジャー・ウォーターズの才能が全面開花といった感じで、全米大ヒットした皆さんご存知のDISK1の⑤ANOTHER BRICK IN THE WALL(PARTⅡ) 、切ない歌メロが一度聴くと頭から離れられないDISK2の①「HEY YOU」、ギルモアのギターワークが神の領域にまで達した事を実感するDISK2の⑥「COMFORTABLY NUMB」、SEと曲が同化したオペラチックなDISK2の⑫「THE TRIAL」 ・・・と、1曲1曲の出来も当然良いけれど、アルバムを通しての曲の流れ・構成が絶品です。
2枚組というのを忘れさせてくれるくらい何度も聴くにつれどんどんハマってしまうというコンセプトアルバムで、正に「聴く映画」とはこのアルバムを指す。最後の壁の崩壊までのドラマの盛り上げ方、テーマメロディの使い方、SEの使い方どれも完璧!!これはロックの究極盤です。


「A MOMENTARY LAPSE OF REASON」(鬱) (1987)
            
中心人物のロジャー・ウォーターズ抜きで作られたデイブ・ギルモアのアルバムと言えるでしょう。
ブレインがロジャーでなくデイブでも十分フロイドしてるし、逆によりフォーキーな感ジが薄くなりメタリックな感じがします。⑩「SORROW(時のない世界)」のイントロのギターの音色はそこら辺のメタルバンドよりも歪んでるんとちゃう?
凝った音作り、ダークな雰囲気、まさに「フロイド」です。
インストの①「SIGNS OF LIFE(生命の動向)」からストラトの光沢のある音色のギルモア節が炸裂。
アルバムタイトルが歌詞に出てくるポップでノリの良い④「ONE SLIP(理性喪失)」、メロディが素晴らしい叙情的なバラードの⑤「ON THE TURNING(現実との差異)」も素晴らしい。
巷では評価が真っ二つに分かれてるようですが、僕は当然、「賛」の方です。まあ、ロジャーとギルモアのツインヴォーカルじゃなくなって、ギルモアの渋い声が沢山聴けるというのも僕は嬉しいし。
これも高校生の時分に擦り切れる程聴いた愛聴盤。


「THE DIVISION BELL」(対) (1994)

今の所の最新アルバム。と言っても、もう9年前なんやね。今フロイドは何をしてるのでしょうか。
久々にラックから引っ張り出して聴き直したけど、このアルバムは凄く良い!
インスト①「CLUSTER ONE」から圧倒されます。素晴らしいストラトのトーンはロック界最高の1つ。
②「WHAT DO YOU WANT FROM ME」のイントロの「キュイーン」というギルモアのギターのチョーキング1音でKOされますね。
前作「鬱」も素晴らしかったけど、叙情的なメロディではこっちの方が勝ってます。ロジャーがいなくなって、ギルモアのバンドになったけど、このオジサンは声も良いし、ギターも上手い。
大人の叙情ロックの名作といったところでしょうか。③「POLES APART(極)」、⑤「A GREAT DAY FOR FREEDOM(壁が崩壊した日…)」、⑧「COMING BACK TO LIFE(転生)」とか聴いてると、その優しいメロディとヴォーカルになんだか癒されます。



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