(TxT)<戯れ言ですよ

とみーのにっき&おえかきちょう

凪のあすから 第二十話 ねむりひめ

2014年03月11日 | 凪のあすから
意外に早いお目覚めで。

 そんな今回のお話は…
 おじょしさまの墓場で眠るまなか見つけ地上に連れ出した光たち。自分たちと同じようにすぐに目覚めると思っていたが、一週間経ってもまなかは眠り続けたままだった。
 光、要、ちさきは、まなかを目覚めさせる手がかりを探すため連日汐鹿生に潜っていた。一方、美海とさゆも学校の図書室でさまざまな文献を調べることに。
 白雪姫からヒントを得たさゆの「光がまなかにキスしちゃえばいいと思うんだ」というひと言を強く否定する美海。そこで美海は本当の自分の気持ちに気付くのだった……。
 以上公式のあらすじ。

 お話は冒頭に書きましたように、ラストでまなかが目を覚ます、という話なんだけど、基本的にはそれまでの美海という所がメイン。のような気がする。
 いつものように、なんやかんやありつつまなかの目覚めまで持っていくんだけど、今回のお話のポイントは大きくふたつ。ひとつはあらすじにあるように、美海がもしかして自分はまなかが起きなければいいと思っている?と気付く事。
 恋する乙女の美海を思えば、それは分からんでもない話ではあって、まぁまなかを恋敵とすれば割と当然の感情ではある。しかし問題は、美海としてはまなかを嫌っているわけではないということだ。1クール目で、シシオ四人衆の輪の中に入りたいと思っていた彼女としては、同い年になった事もあって、光や要同様に起きてほしいと思う一方で、光が想いを寄せるまなかが目を覚ます事を恐れてもいるのだ。
 劇中あったように、光のまなかに対する想いは、揺るぎなく真っ直ぐで強い。滅だし寝込んでしまうくらい無理をしてまで、まなかを起こそうと必死な様を延々と見せている。ひとつ屋根の下に暮らし、間近でそれを見ている美海にとって。それは光らしく好ましい一方で驚異でもあるのだ。
 それ故、図書室でのさゆの「キスしちゃえばいいんじゃない」という提案を、「それはダメ!」と頑に否定したのだ。さゆの言う通り、何が目覚めのきっかけか分からないので、ただまなかに目覚めてほしいだけならば、それは試していい事なのだが(まぁ14歳という歳を考えれば、ホイホイ試していい事ではないような気もしますがそれはそれ)、恋する乙女としてみれば、好きな男が他の女にキスしてる所なんか見たくないのも当然である。しかしその提案があって初めて美海は自分が訪販する思いがある事に気付いた。要はその想いは無意識的だったのである。
 というのがひとつ目のポイントで、思わず自分の気持ちに気付いてしまった美海は自己嫌悪に陥ってしまったわけだが、まぁ上記しましたが、それはむしろ人間としては普通ではあって、見ていて「美海がそう思ってしまうのも仕方ない」と思わせることが狙いなのだろう。人を好きになった事がある人間ならば、美海の気持ちが分かろうというもので、それで美海がうあー自分はなんてヤツなんだーと落ち込んでいるのをどう持ち上げるのかを気にさせる。そこですかさずふたつ目のポイントである。

 紡が美海のエナの事で電話した所、彼女が泣き出してしまったので、ふたりで話をするという件。
 話の流れは自分に上記した思いがある事を嫌悪する美海に、紡はそれは自分も同じであると告白する。光と要が起きなければ良いと本気で思っていたとする紡は、ちさきが自分の前から居なくなる気がして怖かったと言う。
 美海はここで紡の気持ちを知るわけだが、物語的にも、彼が自分の想いをこうまではっきり言ったのは初めてである。自分はどうやら分かりにくいようだ、という前フリがあったからかもしれないが、なんにせよ、そんな彼がはっきりと言ったわけだから、それだけ真剣に美海の話に乗ったということでもある。
 紡は続けて「でも結局、目覚めた時は嬉しかった」と言う。美海は光もまなかも大切だから苦しいのだという紡。それは彼も同じだったのだ。かなり要約してしまえば、好きになるってことは「そーゆーもんである」という話なのである。どっちも大切なのだから、どっちの気持ちもある、この歳になれば正にそーゆーもんであることは重々承知なんですけど、14祭の美海にとって、それは初めて知る事であったのだ。
 とは言え実感の無い美海ですから、本当に自分はそう思えるのか分からない。もしかしたら本当に起きなければ良いのにと願っているのかもしれない。だから自分も紡のように思えるのだろうかと聞く。紡は美海もきっとそう思えると答える。それは美海にとっては随分な救いであったのだろうことは、今回のラストで分かる事となる。

 寝ているまなかに話しかける光の所にやって来た美海は、優しい笑顔でさゆの提案を口にするのだ。紡の話を聞いて美海は少し吹っ切れたのである。まなかが目覚めたとしても、きっと自分は嬉しいと思うだろうと。
 少々言葉足らずな美海は、ただ「キスしてほしい」と言ってしまい、光に自分にキスしてほしいと言っていると誤解され、ちゃんと説明するも、14歳男子にキス性と言われて出来るもんでもなしで、すったもんだしている所でまなかが目を覚ます。相変わらずとぼけたヤツである(笑)。
 とぼけているかどうかはともかく、まなかが目を覚ました所で引っぱったわけだが、自分としましては少々引っ掛かる部分がある。まなかが目覚めるきっかけはなんだったのであろうか。
 光が無理して熱出して寝込んでしまうほど思っても目覚めなかったのに、ひょんなことから突然目を覚ましたかのように見えますが、思うに美海の心境の変化がきっかけだったのではなかろうか。
 マナか救出の際にうろこ様は、何かを失って何かを得れば差し引き同じみたいな事言って、それはまなかと美海のエナの事でもあるんでしょうが、彼女たちが対であるともとれる言いようである。実際まなかのエナがなくなってみ海にエナが出来たわけだし。
 まなかに関して美海は何かしら深く係っているような気がしますが、はてさてどうなりますやら。まぁ、私の予想はアテにならない事の方が多いので、さもありなんな結果になりそうですが(苦笑)。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿