(TxT)<戯れ言ですよ

とみーのにっき&おえかきちょう

ソ・ラ・ノ・ヲ・ト 第十二話 蒼穹ニ響ケ

2010年03月29日 | 視聴済アニメごった煮
ちょっと綺麗過ぎた感はあるが、それだけに綺麗に終わった。

そんな今回のお話は…
敵国の兵士を匿ったことで、反逆の罪に問われたカナタたち。
しかしそれでもカナタたちは、自分たちが正しいと信じる道へと進みます。
両軍が睨みあい、開戦間近の緊張した空気が漂う国境付近。
開戦を阻止するため、小隊メンバーが取った行動とは――!
以上公式のあらすじ。

お話としては、砦の乙女達がタケミカヅチで両軍の間に入って戦争を止める、という話。
ローマ軍は滅ぼさねばならないとし、どうしても戦争し逮捕ポキンズ大佐に反旗を翻し、
大佐立ちの包囲をタケミカヅチで突破しつつ、両軍にらみ合いの間に入って鳴らす彼方の休戦信号ラッパで止まらず、
どちらの国にも伝わっている「アメージンググレイス」で両軍の進攻が止まってしまうのは、
冷静に考えると随分都合が良いと思えるが、そこまでにセーズの街の人々や、従軍する兵士、
アイーシャやユミナらの殆どの人が、戦争を望んでいない事を見せているので、
確かに都合が良いが、彼方のラッパに説得力があるし感動的である。
実際こんな事があったとしたら、絶対止まらないとは思うけど、そこはエンターテインメント。
わたしは納得したので、そこは私としてみたら、このアニメの勝ちである。
そのラストに至るまでの、軍令に背くフィリシア、過去を晒され怯えるノエル、戦争したがりの大佐、
止まりそうにない戦争などなどの、どうにもならない閉塞感を、
彼方らが決死の覚悟で打破しようとタケミカヅチで行動を起こす様子は、戦争は止まらないかもしれないし、
それによって自分達は死ぬかもしれない、でも自分達の信じる事の為に命を賭す彼女らの一連の行動は、
砦の乙女達の伝承の真実にと共に、このお話の大きな盛り上がりを作っている。
彼方のラッパで戦争が止まると書いたが、実際劇中は、アメージンググレイスを演奏している間の数十秒間止まっただけで、
本当に戦争を止めたという事では、その後停戦の為にやってくるリオら近衛師団になるわけだが、
その数十秒間でお互い殺し合いが始まってしまったとあれば、近衛師団がやってきた所で止まらない事を考えると、
彼方らが作ったその数十秒は奇跡的だし、またそのように演出していて、
「どうせ戦争止めるんだろ?」という考えを頭から吹っ飛ばしてくれる。これが大事だろう。
例えば、大概のバトル物のお話があったとして、最終的には主役が勝つさ。
でも「どうせ勝って終わるんだろ?」と思ってしまうのではなく、
わかってはいるものの「どうなるんだろう?」と思わせるのは技量がいる事なので、そういう意味でも素晴らしい。

個人的な所としましては、ちょっと綺麗に締め過ぎているのが気になったくらいで、
ラストのラストでリオが時告げ砦に戻ってくる所はいらんような気もするが、
その辺は好みの問題だと思うし、このアニメ的にはそういうハッピーエンドはらしくもある。
すごく印象に残ったのは、自分はたくさんの命を奪ってしまったと、後悔と自責に押しつぶされていたノエルに、
「そう思うなら、それ以上の命を救ってください」と毅然とした態度で言うユミナで、そんな彼女の強さに魅かれた。
最後に砦の乙女の伝承ですが、ローマの伝承の方が正しく本当の事を伝えているようですが、伝承云々は私としてはいーんですよ。
問題は天使はなんだったのか、という所が投げっぱなしなのが残念。
彼方が第1話で見たあの化石はなんだったんでしょうね。

さて、全体的な感想ですが、今時珍しい原作の無いオリジナルのお話で随分楽しんで見た。
最初はほのぼの軍隊ものかと思ったが、戦争云々の暗い部分はちゃんと前振ってあり、
最終的にはそんなような事があるんだろうと予測できるので、最後の方の展開に特に苦も無かった。
不思議な世界観と砦の少女達ののんびりとしながらも起こるちょっとした事件などを楽しく見れた。
物語としても、リオ、フィリシア、ノエルが過去と決別し、終わりに近づいているという世界で、
それでも生きていく意味を見つけ前に進んでいく様子を描いているし、
クレハと彼方は過去云々でお話は作られていなかったけども、クレハは両親が死んで孤児として育って、
もうすでにまだ幼いながらもしっかりと前を向いて進んでいるし、彼方はあの世界においても、
なんでも「ステキ!」と言って、終わろうとしている世界を愛し人を信じている。
そんな彼女らが、彼女らなりに一生懸命に生きていっている様子を描いていて、
ただ可愛い少女たちの様子であったり、最後の盛り上がりの為だけの取って付けたような戦争、
のようにはなっていなかったのではなかろうか。
先にも述べたように、ちょっと消化不良な部分や綺麗過ぎる終わり方ではあったものの、
私は見て良かったなと思えるアニメでした。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿