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AZUKI七 詩の世界(5)

2005年02月02日 | よしなしごと
寂寞間、無常観、孤独感、そこはかとないダークさ、俯瞰的、情景描写的、日本的自然観、日本的宗教観、などなど様々に議論されているAZUKI七の詩ですが、なぜ暗くなりきらないのだろう?一言で言えばその特徴は何だろう、とずっと考えていました。で、やっと結論らしきものに到達しました。それは生きとし生けるものすべてに向けられる優しさではないでしょうか?多分仏教の慈悲ということばが一番近いのですが、余りにも宗教臭い。愛ということばが一般的かもしれませんが、キリスト教の愛は人間対象限定ですので、×。したがって一番日本語らしいことば「優しさ」にしてみました。

詩の世界(1)で、

彼女は得意の擬態語(「ゆらり」など)や間投詞(「ほ ら」など、個人的にはこの「ほら」が気に入っています)を駆使することによりややもすれば重くなりがちな死と生のテーマや別離のテーマをさりげなく語りかけることに成功しています。

と記しましたが、それに加えて、最近お気に入りの「夏の終わりの長い雨」の

成り行き任せでもいいんじゃない。

や、「見えないストーリー」の

僕らはまだやれると信じていいでしょう。

や、「君という光」の

変わらずにいようね 幼い愛し方でもいい

名曲「永遠に葬れ」の歌詞全部

など、などの語りかけ口調。

結構重苦しかったり、難解な言葉遣いが続いた後、さらりと「ほら」や、「ゆらり」、「いいんじゃない」、「でしょう」という表現で全体をほんわかと包み込む、そこに見え隠れする「優しさ」。人間だけではなく、生きとし生けるものすべてに向けられる「優しさ」。AZUKI七 詩の世界の世界の本質にやっとたどり着いた気がしています。
 
コメント
 
 
 
Unknown (シラバブ)
2010-04-01 16:02:04
七様の詩は、とてもいいですね 尊敬してしまいます。憧れの、女性ですね。 
 
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