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名前の表記について

2016年10月21日 | 英語生活ノおト
英語生活ノおト 第2巻(補) >英語のバックグラウンド(3)> 名前の表記について


この記事はFamily Name(姓)とLast Name(名)の改定版です。

名前の表記について学びましょう。
例えば、通常Shin'ichi(注) Kawadaと表記するところ、名簿などで、姓を最初にもってくる場合、KAWADA, Shin'ichiと、
1)姓は全て大文字、
2)姓と名の間は,
3)名は最初が大文字、つづいて小文字で
書いてください。英米ではWilliamなどのように姓、名どちらにも用いる名前が多くあります。しかも他民族が入り混じり、どっちが姓でどっちが名なのか彼等でもわからない場合が多い。だから、このようなルールができるのでしょう。

この表記法に関してはどんどん変わってきています。まず、最近は「,」を省き、
しかも最初を姓でそろえず(姓のアルファベット順には違いありませんが)、

Williams CLINTON
KAWADA Shin'ichi
George WILLIAMS
YAMADA Taro

となってきています。頭を姓でそろえたほうがわかりやすいのですが、その国固有の名前の表記法をより重んじるやり方ですね。

なお、last name, family name, surnameはいずれも姓のこと、first name, given nameはいずれも名のことです。

と、ここまでは名前には姓と名の両方があるという前提ですが、アラブ系の国々、ミャンマー、マレーシアでは名前に姓と名の区別がなく、名のみ、ということが多くあります。考えてみれば明治まで日本の庶民は名のみでしたね。

サダム・フセインの正式な名前はSaddam bin Hussein at-Takritiで、どうもTakriti一族のHusseinの息子のSaddamという意味らしく、全体で彼の名前です。姓と名の区別はありません。同じようにアウンサンスーチーもAung San Suu Kyiで一つの名前です。当然夫婦でも名前は異なります。

このような場合アルファベット順はやむを得ず、名前の頭文字を使います。

Aung San Suu Kyi (ミャンマー人)
Williams CLINTON
KAWADA Shin'ichi
Mariam Binti Mohd Hashim (マレーシア人)
Saddam bin Hussein at-Takriti (アラブ人) 
George WILLIAMS
YAMADA Taro

だんだん複雑になって来ましたね。私は最近の国際会議で、名前を名簿や名札でどのように表記して欲しいか、いちいち聞きました。トラブルになるよりマシですからね〜。

(注)ヘボン式ではShinichiが正しいですが、「シニチ」と発音される可能性が大。どうしても「シンイチ」と発音してもらいたければ、このように'を挟むのも手ですが、パスポートの表記では許されません。またヘボン式では大野も小野も同じONO。どうしてもちゃんと伸ばしたければOHNOとHをはさみますが、こちらはパスポートの表記で許されているようですが、使用実績を証明するものが必要だそうです。同じように加藤はKATOH。なお、パスポートのローマ字はあとで変更できませんので気をつけてください。