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コンピュータ25年の歩み(番外編:デスクトップの元祖)

2005年12月12日 | よしなしごと
デスクトップの概念はどこから始まる?多くの方がマッキントッシュ、もしくはウィンドウズだと思われていると思います。ところが、ディスプレイを机上に見立てる、という発想を最初に世に問うたのは、あの、コピーで有名なZEROXなのです。名前はXEROX STAR(日本語版はJSTAR)。

記録によると英語版の発表が1981年、日本語版が1982年とありますから、アップル社が歴史的なマック(Apple Macintosh)を世に出したのより数年早いですね。ですから正式には、STARが元祖じゃあないでしょうか。

当時のコンピュータのディスプレイは起動時は左のように真っ黒で、画面の上(DOSの場合)、もしくは画面の下(オフコンの場合)にコマンド・ライン(カーソルが点滅している場所、ここにコマンドを打ち込んでプログラムを起動する)があるだけの、味も素っ気もないものでした。ウィンドウズのアクセサリーの中に、コマンド・プロンプトという画面がありますが、DOSの時代はこれが初期画面。今でもソースを修正したりする場合、DOSコマンドのEditなど、使うことがありますね。DOSの場合はAUTOEXEC.BATというファイルに記述することで初期メニューを作ることくらいは出来ましたし、オフコンの場合ログ・オン画面というのもありました。まあ、それくらい。

XEROXの営業の方に連れられてショウルームで見たのが事実上管理人GUIの初体験。初めてデスクトップという概念の説明を受けたのもこの時でした。80キャラ×24行‥文字ディスプレーしか見たことのない管理人にとって、それはまさに次元の異なる話でした。


日本語版の画像が手に入らなかったので英語版で我慢していただきますが、20数年前にすでにディスプレイにゴミ箱、計算機、IN、OUTのボックス、プリンターなどのアイコンが登場、基本的に後のマッキントッシュ、ウィンドウズのディスプレイとなんら変わるところがありません。またすでにマウスや、LANを組んでサーバ、プリンターを共用するという基本的な技術も搭載していました。

STARと数年後に登場したApple Macintoshは、当初からお互いにフィードバックを受けながら発展していったと思われますが(マックのデスクトップ、初期のSTARに極似)、マックが他社のアプリケーションを受け入れる、パソコンであるのに対し、STARの方は、どちらかというとXEROX社の専用ソフトでしか動かないDTP機としての側面が強く、値段もオフコン並み(つまり1000万~)と極めて高価、爆発的にヒットするにはいたりませんでした。

考えてみると、デスクトップ、LAN、サーバなど、今のコンピュータの核となる技術はすでに20数年前に確立されていた、という驚くべき事実。当時すでに誕生していた、パスカルとかRPGとか、コボルとか、プログラム言語もいまもずっと使われている。この20数年の進歩はハード、ソフトの面で著しいものがありますが、革新的アイデアという点では、80年代初頭には、頭が上がりませんね。ウィンドウズなどXEROX、アップルが開発した技術に追いつくのに10年以上かかりました。

注:JSTARに関する情報はこちらを参考にさせていただきました。