日々のことを徒然に

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アユを放流するわけ

2022年10月18日 | 自然 季節

 錦川に架かる名勝・錦帯橋から国道2号線を上流へ向かうと山陽道の岩国IC手前に下多田という地区がある。ここで国道を離れ松尾峠に向かうのは県道111号線。峠は海抜334㍍で急峻でヘアピンがくねくね続く難所となっている。峠に着くとこの時期には雲海がみられる絶景の地だ。隣町までは長いトンネルを出て急な坂道を下る。

 訪ねた家の庭の前を幅が十数㍍はありそうな川があり清流が流れている。錦川の支流と思い「アユはいるのか」と聞くと「いますよ」という。錦川から上がってくるのかと聞くと、「残念だがこの川は錦川本流に流れずダムに流れ込む」、ダム経由で水は錦川に届くという。「と、いうことでこの川のアユは気の毒だが小さい」という。

 「ダムで生まれたアユは流れ込んでくる同じ川では大きくならない」という。「琵琶湖で生まれたアユの稚魚は琵琶湖では大きく育たない。だから毎年のように取れた稚魚を全国の河川に放流しているのだ。ダムも似たようなもの」と教わった。琵琶湖やダムなど環境変化の少ない方が生育にはいいと思うがそうではないという。

 「餌に関係あるようだが、詳しくは知らない」と土地の人の話。この川のアユは大きくても十数㌢と小さい、獲る人も人はいないそうだ。毎年アユが放流される訳を知った。峠を超えればそこには知らなかった違った不思議な環境がある。清流の瀬音が何か秘密めいて聞こえる。

 (今日の575) よその地で旬をふるまう鮎の稚魚
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