「菩薩半跏像に唐の影響」 京都・向日、模刻作者が特徴語る

2017-03-08 18:48:55 | 歴 history
 京都府向日市文化資料館(向日市寺戸町)の特別展「長岡宮の大極殿・朝堂院」が4日始まり、記念講演会が同資料館で開かれた。展示品の一つ、宝菩提院菩薩半跏像(ほうぼだいいんぼさつはんかぞう)模刻像を制作した彫刻家の中村恒克さん=横浜市=が、制作から分かった同像の特徴などについて解説した。

 菩薩半跏像は、かつて向日市内にあった寺の本尊で、国宝の木彫仏像の中でも随一の美作として知られる。現在は、京都市西京区の寺に安置されている。中村さんは、東京芸術大大学院の博士課程在籍中に、同像の模刻像を卒業制作として2年間かけて完成させた。

 講演会には歴史ファンの市民ら約90人が参加。中村さんは、像の足元に添えられるハスの花びらの形をした「蓮弁」が同時代の仏像よりも枚数が多く、仏像が体をやや左側にひねった姿勢になっていることなどを指摘。「同時代の日本の他の仏像にはなく、中国・唐の影響が見られる」と述べた。

 また長岡京に遷都した桓武天皇に触れ、「唐の文化を積極的に取り入れており、遣唐使で日本に来た木彫刻や石彫刻の職人に、仏像を作らせたのではないか」と推察。参加者が熱心に聞き入った。

【 2017年03月05日 12時06分 】


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