「聴竹居に茶室の美学」 京都・大山崎、重文指定で講演と見学

2017-07-25 19:21:32 | 会 party
 戦前の木造モダニズム住宅の代表作とされる京都府山崎町大山崎の「聴竹居」が、国の重要文化財に指定されるのを記念し、一般社団法人「聴竹居倶楽部」が22日、同町の大山崎ふるさとセンターで、建築史家の藤森照信・東京大名誉教授を招いた講演会を催した。

 聴竹居は、京都帝国大教授の故藤井厚二氏が環境工学に基づいて設計した自邸。洗練されたデザインと伝統的なしつらえが融合し、国の文化審議会は今年5月、重要文化財に指定するよう答申した。

 講演会には約150人が参加。藤森名誉教授が「藤井厚二と茶」と題して語った。

 藤森名誉教授は「藤井氏を導いた美学は茶室にある。現代建築に茶室をどう取り込むかを実践していた」と強調。幾何学への強いセンスが感じられる一方で、リビングに別の部屋が張り出す聴竹居の独特の構造が、茶道表千家の茶室「残月亭」の特徴と類似していると指摘し、「空間に生き生きとした動きをうみ出していて、興味深い」と話した。

 講演会の後、参加者たちは聴竹居を見学。涼しさを確保する構造など随所に施された工夫についてボランティアから解説を受け、驚きの声を上げていた。

【 2017年07月23日 11時08分 】



最新の画像もっと見る

コメントを投稿