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小澤征爾に恋をした、14歳のカナダの少女の話から★

2010-01-08 15:11:15 | 日記
※今日はmixiと連動いたします。

指揮者の小澤征爾さん(74)が食道がんと診断されて
6月まで全公演をキャンセルすることが分かりました。



小澤征爾さんがモデルになった恋愛小説
があるのをご存知でしょうか?

カナダの女性作家Sarah Sheard(1953~ )が
1985年に書いたALMOST JAPANESE です。
(邦題『私とアキラと日本と』伊藤和子訳:1995年)

小澤征爾さんのニュースを知って思い出したので
この小説のことを紹介したいと思います。


◆14歳の少女の初恋の相手は

カナダに住む14歳の少女エマ。

彼女の14歳の誕生日に、地元のオーケストラが日本人の
常任指揮者を迎えることになりました。


アキラは隣のベネットさんの家を買った。
父と母は、大変な名誉だと言っていた。
「あの日本人は天才だ」
「マルコーニかアインシュタインが隣に越してくるようなものだ」

※アキラの家に挨拶に行くことになったエマに映った姿の描写から

・若白髪がいく筋か混じった髪
・濡れたような黒で、つやつやと光沢がある。
・笑うとその髪が揺れて、ひたいに降りかかる。

「その髪の下から、私をじっと見つめる目」
・猫の目のような目の形
・かすれたがらがら声だが、どこか女性っぽい。
・強い訛りで「鳥が歌を覚えるように私の名前を繰り返した」

それからというもの、
エマにとってアキラはかけがえのない憧れになりました。

アキラの描写は小澤征爾さんに見えてきませんか。

◆つつみこむ愛情


「今日で15歳になった。アキラは37歳」

「彼はとても人に気をつかう。私よりずっとデリケート」

「彼は私になんでも話してくれる。言葉のハンデは問題にならない」

「僕はエマとなんでも話すんだ、と彼は誇らしげにマネージャーに言った。

セックスの話以外はね・・」

「私たちの愛は特別だった」
 
◆◆
思春期の揺れ動く繊細な感情と、モデルとなった小澤征爾の魅力が
複雑に交差していきます。
◆◆


エマは大人になり、同年代の男の子とのいろいろな恋愛体験を経て
再びアキラと向き合うかのように、日本に向かいます。


◆ふたたびめぐり合う歳月の中で


日本での凱旋公演を聴きにきたエマに映ったアキラの描写から

・一瞬見た瞬間、息を呑んだ。
・かなり過酷な生活をしているようだ。
・髪はもうほとんど灰色。
・目と口のまわりには小じわができている。
・皺が刻まれたせいで、どこか西洋人的な風貌に見える。


この時の演奏は、アキラがヨーロッパの楽団に移るために
エマと別れる最後のコンサートと同じ曲目でした。

ドヴォルザークの交響曲第四番

エマは大泣きするんです。
まるで過去の純粋な恋愛を思い出すかのように。


コンサート終焉後、楽屋での再会シーンは
いつ読んでも泣けます。。

彼はすでに結婚し、子供もいる。
そのことはカナダの新聞で読んで知っていた。
彼はうちの近所の様子をたずねた。

あれから変わった?

きみは結婚したの?
ご両親は健在?

無意識のうちに私は、
彼とつきあっていた頃の話し方にもどっていた。

短い簡単なフレーズを重ね、彼と同じように冠詞を省く。


◆小澤征爾と重なる・・

エマはアキラに問いかけます。

お疲れでしょう?私はもう帰ります。

あなたはしあわせ?
今の生活はどう?

このあとのアキラのセリフは
今日のニュースの小澤征爾さんと重なります。


彼の顔を疲労の影がよぎった。

指揮者はラクじゃない。

経営サイドとしょっちゅう会議があるし、責任が重い。
寝る暇が無くてね。くたびれるよ。

彼は笑った。

僕はもう年だ、エマ。よれよれのじいさんさ。
どうか、笑ってやってくれ!


私はたまらなくなって、彼の手を握り締めた。


彼女は、僕がカナダにいた頃、隣にすんでいたお嬢さんでね。
それが今では、こんなにきれいな娘さんになって・・

(以上、伊藤和子訳を多少移し変えて紹介いたしました)


◆◆
小説のラストを明かすのはいけないことですから書きません。

この小説が絶版なのは惜しい。
今ならケータイ小説に再編してもっと紹介してほしいです。


純粋な恋愛小説としても秀作です。
そしてなによりも北米カナダ人の女性が

小澤征爾をこんなにエキゾチックで男性的魅力あふれる人物
として描写してくれたことで

彼の生演奏が聴かれなくなっても、時代をこえて永遠に
世界のオザワの魅力が語り継がれることでしょう!


小澤征爾さんの復帰を願いながら。


◆◆◆


いつかおばさんになったエマが
年老いたマエストロに再会し

たくさんの歳月の向こうに
きらきら輝いている日々を振り返って
温かな気持ちで胸がいっぱいになる。

そんな場面を想像しながら・・
(『私とアキラと日本と』訳者:伊藤和子さんのあとがきから)

◆◆◆

それではよい連休を。
よい成人式をお迎えください





1 コメント

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小説の引用について (tarebon)
2010-01-08 15:19:12
本文で引用・または援用した原書は
以下の通りです。

セーラ・シアード著
伊藤和子訳
「私とアキラと日本と」
初版1995年:TBSブリタニカ

図書館にはあるかもしれません。

私が初版を買って持っているのは
タイトルと私の本名が同じ
アキラだったから、というものです。

だから余計に
感情移入しやすいのですかね・・

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