セイナルボンジン

時代を逆行する大きなお友達ブログ。宇宙戦艦ヤマトや東映特撮ほか。

怪奇大作戦⑤

2017-05-07 18:11:41 | 特撮
1968年制作のSFミステリー「怪奇大作戦」
全話レビュー最終回。


■第23話「呪いの壺」
ある古美術商の顧客が次々と謎の死を遂げる。
それは贋作づくりを強いられてきた一族の青年の
孤独な復讐だった。

実相寺昭雄監督による京都ロケ編。
不治の病に侵された青年のゆがんだ憎しみと、
彼に利用されていることを知りながらも愛し続ける
古美術商の娘(今で言う喪女っぽい)のキャラクターが好きです。

贋作づくりを諦めて受け入れていた青年の父が
最後に見せる慟哭が悲しい。

京都を舞台にした、格調高い愛憎劇。
大好き(=´∀`)


■第24話(欠番)「狂鬼人間」
「心神喪失者の行為は、罰しない」という
刑法第39条を逆手に取り、人為的に心神喪失者を
作り出し、犯罪を起こさせる「狂わせ屋」の話。

「狂わせ屋」の正体はかつて心神喪失者に
夫と子供を殺された女性科学者。
犯人が罰せられなかったことに絶望し、
社会への復讐を誓ったのだった……

この話は現在欠番で、正規のルートでは
視聴不可能となっています。
話のクオリティはとても高いのですが、
精神疾患に対する描写が現在では許されるモノではないので
公式が欠番という措置を取ったのはやむを得ないのかな。
岸田森の発狂演技が超怖かったですw

どうしても気になる人は、森田芳光監督の映画
「39 刑法第三十九条」を見たらいいと思います。
まるっきり「狂鬼人間」と同じ話なので!


■第25話「京都買います」
仏像マニアの美弥子お姉さんが、
物体転移装置で仏像をいっぱい盗む話。
…なのですが、実質的には
「リアルに居場所を見出せない孤独な男女のロマンス」なのね。

学生の頃見たときは、正直よく分からなかったのですが、
今見るとこれは凄いと思いました。
「前衛的な芸術映画」といっても過言ではないクオリティ。

当時は京都タワーが建設されるなど、
古都・京都が「現代的」に大きく変貌を遂げていました。
時代の変化が受け入れられず、仏像と共に静かに
生きたいと願うヒロインと、SRIの牧との出会いと別れを描きます。

ほとんど会話のないシーンも多いのですが、
京都の街並みを生かした美しい画づくりと、
牧を演じる、岸田森の繊細な芝居が雄弁に語ります。

ラストは胸にぽっかり穴が開いたような
とても寂しく、空恐ろしい気持ちになる幕切れでした。
今の京都の姿を、美弥子が見たらどう思うのかな…

個人的には「呪いの壺」のような
分かりやすい話の方が好みですけど
間違いなくシリーズを代表する名作だと思います(=´∀`)


■第26話「ゆきおんな」
那須のリゾートホテルでSRIメンバーが潜入捜査をする話。

最後はまさかの温泉回、しかも拝めるのがおっさんの
入浴シーンという色々カオスな回w
本編と関係ないダンスチームのシーンが
延々続くなど、シュールな映像が連発されます。
(タイアップする際のホテル側からの条件だったらしい)

「なんだこりゃ( ´_ゝ`)」な話ではあるのですが、
いつものメンバーのリラックスした表情が見られて、
嫌いになれない話でした!


****************************************

という事で、「怪奇大作戦」全26話レビューでした。
後半に行くにつれ、出来・不出来の落差が激しすぎて、
辛くなる部分があるのですが(個人の感想です)、
DVDを最終巻から順に見るという作戦で克服しました(笑)

「空想科学」の形を借りて時代と人間を鋭く切り取った
社会派SFミステリーの傑作という事で、まとめたいと思います。
お疲れ様でした~。


怪奇大作戦④

2017-04-30 18:09:02 | 特撮
1968年制作のSFミステリー「怪奇大作戦」
全話レビューその④


■第18話「死者がささやく」
殺人の濡れ衣を着せられた男を助ける話。
指紋を偽造する手袋という、割と現実味のあるトリックが印象的。
男を陥れるために近づいた女は、いつしか男を真剣に愛していた…
てなメロドラマ的要素もありますが、
あまりパッとしないエピソード( ´_ゝ`)。


■第19話「こうもり男」
SRI所長・的矢によってかつて刑務所へ送られた男が、
復讐のためつけ狙う。的矢所長危機一髪の巻。

的矢所長の葬式だとか、スクラップだとかの
見せ場はありますけど、ハッキリ言って意味不明。
こうもり男のビジュアルが、衝撃的にショボかったです( ´_ゝ`)。


■第20話「殺人回路」
絵画から抜け出した女神が人を殺す、怪事件の謎を追う話。
「コンピュータ」に対する50年前の人々の感覚も興味深い、
レトロSF風味のサスペンス。

片言で喋る人工知能と会話するシーン、ちょっと前なら古臭いと笑う所でしたが
今は普通にSiriやGoogleと会話していると思うと感慨深い。
個人的には冷酷な若社長が平田昭彦という事で名作認定ですが、
ドラマ的には普通の部類かな。
話のテンポも良く、楽しい作品です( ^ω^ )。


■第21話「美女と花粉」
街に起こる謎の変死事件。
その裏には、美を奪われた女の妄執があった…てな話。

SRIの紅一点、さー坊ことさおり活躍編。
牧と一緒におしるこ食べに行ったり、
実験に使うマニキュアが上手く塗れないのを助けてあげたりと、
年の離れた兄妹のようなやりとりが可愛かったです。
普通( ^ω^ )。


■第22話「果てしなき暴走」
謎の車の排ガスには興奮剤が仕込まれており、
それを吸ったドライバーは次々と事故を起こしていく、という話。

結局犯人が何者かに殺されて
事件は謎のままで終わっちゃうのよね。

1960年代当時は、急激に自動車の交通量が増えた反面
安全対策は十分とは言えず、「交通戦争」という
言葉が生まれるほど交通事故による死者が急増していた時代。
車社会に対する不安を描こうとしてたんじゃないかなーとは
思うんですけど、まあ、話の出来としては
「なんだこりゃ( ´_ゝ`)」って感じでしょうか。

〜つづく〜

怪奇大作戦③

2017-04-23 20:21:34 | 特撮
1968年制作のSFミステリー「怪奇大作戦」
全話レビューその③。


■第13話「氷の死刑台」
人体実験により超低温の肉体をもつ「冷凍人間」に
なった男が、街を恐怖に陥れる話。

7年間冷凍されていた男が家に帰ろうとするものの、
元の家族は既に引っ越していて…というシーンが切ない。
「可哀想に、あの男は7年間殺され続けていたのだ…」と、
狂った科学者たちの犠牲になった冷凍人間に同情する牧さんが良いです。

冷凍人間が歩くとき、地面に凍り付いた足を
ベリベリ引きはがして移動するとか、芸が細かかったです。

常識的に考えたら人体を冷凍したらカチカチになるだけで
動きだすってありえなくね?とか、
最後は豪快に必殺ビームで焼き殺しちゃうの!?とか、
燃えてる遺体の上をパトカー走って行っちゃうの!?(ヒドイ!)
とか、ツッコミどころも多いんですけども、わりと好きな話(´∀` )

イカれた科学者を演じるのは、「宇宙刑事シリーズ」の
コム長官こと西沢利明。冷凍人間よりもこの人の方が恐ろしかったです。


■第14話「オヤスミナサイ」
山荘で男が殺される。居合わせた2人の人間……
男の婚約者と、SRIの牧は異口同音に言う。
「私が彼を殺してしまったのだ」と…

若き日のアニソンの神・ささきいさおがゲスト主役。
ちょっとアクの強いイケメンぶりがたまりません。
キャンドルが灯された殺人現場や、死体がゆっくり
バスタブに沈んでいく幻想的なビジュアルが印象に残りますが、
何よりもラストに牧さんがささきいさお神に向かって
容赦なくショットガンぶっ放すシーンが強烈。
何してくれてんのよアンタ。
普通( ^ω^ )!


■第15話「24年目の復讐」
船の沈没後、水の中でも生きられる体に
適応し生き延びた旧日本軍の兵士が、
戦後23年を経てアメリカ軍への孤独な復讐を開始する。

戦争が人々の心に落とした影が描かれる話。
牧が、幼い頃アメリカ軍の機銃掃射で死んだ姉を想う場面が1番のハイライトかな。
肝心の水棲人兵士はほとんど何も語らないし、
クライマックスで大惨事を引き起こしてる事も
サラッと流されちゃってるのだけれど、
これは事件を追う牧の内面がメインの物語だから、
あまり大した問題ではないのでしょう。

兵士を演じたのは、仮面ライダーの死神博士で有名な天本英世。
出てくるだけで画面に怨念がみなぎってくるのでこわいwww
猿島のロケーションも美しかったです。
脚本家 上原正三のメッセージが込められた
「怪奇」を語る上では外せない一本(´∀`)


■第16話「かまいたち」
若い女性が真空の刃でバラバラにされる、
連続殺人事件が起きる。捜査線上に浮かびあがるのは
「大人しくて、オドオドして、イタチのような目をした」
ごく平凡な青年だった。

キレキレの演出が、一言も喋らない鬱屈した青年の闇を衝撃的に描く。
好きなエピソードです(=´∀`)

なぜ青年が犯人だと思うのか、と問われてうまく
答えられない牧さんが、すごく危ういキャラクターに
思えてドキドキします。この話に限らず、彼は犯罪を
犯す人間に精神的に惹かれるというか、同調していく面があるのよね。


■第17話「幻の死神」
ネックレスの盗難事件と、瀬戸内海の亡霊事件の関係を追う話。
久しぶりに三沢がメインの話ですけど、
話の出来は「フーン(´_ゝ` )」って感じかな…

ホテルのご飯がおいしそうでした。
怪奇大作戦は別名「タイアップ大作戦」とも言われていたそうで、
予算不足を補うため、各地のリゾートを舞台にした作品が多いです。

〜つづく〜



怪奇大作戦②

2017-04-16 18:24:07 | 特撮

1968年制作のSFミステリー「怪奇大作戦」
全話レビューその②。

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■第6話「吸血地獄」
吸血鬼となった美女ニーナと、その恋人の逃避行。
「科学を悪用した人間の闇を描くドラマ」という
シリーズとしては失敗作かもしれませんが、
ホラーの悲恋モノとしては悪くない…ような気がしないでもない。
ラスト、美しい姿を取り戻すニーナが印象的。
( ^ω^ )普通!

脚本を担当したのは、ウルトラマンを生んだ
天才脚本家・金城哲夫。「怪奇大作戦」のコンセプトには
最後までノレなかったんだろうなーという印象です。
彼はこの作品を最後に円谷プロを退社、故郷の沖縄で
若くして不慮の事故で亡くなってしまいました…



■第7話「青い血の女」
殺人人形が次々と人を襲う。その陰には息子夫婦と
折り合いの悪い、発明家の老人が抱える孤独があった。

この話の根底にあるのは、この頃問題になり始めた
核家族問題や、世代間の断絶というテーマです。
ふとした時に生まれた殺意が形となって暴走していく
ワケですが、それより何より人形のビジュアルが怖すぎるw

あと、普段SRIと協力している警視庁の町田警部が、
この件ではあっさり三沢を容疑者扱いするクールさにちょっとビックリ。

好きな話です! 怖いけど(´∀`;)


■第8話「光る通り魔」
汚職事件の罪をかぶって死んだ男が、
生への執着から燐光を発する液体人間となって蘇る。

チープな特撮を補って余りある、牧役・岸田森の名演と緻密なドラマ。
死んだ男・山本の人物像が、地道な調査から徐々に浮かび上がる構成がいい。
真面目だけが取り柄で、皆にさげすまれる男が、
最期に求めたものは何だったのか。
ラストの花嫁の涙は、山本を憐れむものなのか、それとも…

好きな話(=´∀`)
人間がスライムになるっていう説明は、
まあ常識的に考えたらメチャクチャなんだけどw
阿蘇山火口の荒涼とした風景と、牧の情感に満ちた語りで
不思議と納得させられてしまいます。


■第9話「散歩する首」
生首の幽霊が出る峠で次々と交通事故が起きる。
それは死者蘇生の実験に使う死体を得るため、
狂った科学者が仕組んだものだった…てな話。

科学者の神経質なキャラや、被害者の複雑な男女関係など
気になる要素は無くもないけど…
ビミョー(´_ゝ` )。

■第10話「死を呼ぶ電波」
テレビから殺人レーザーが出てきて人を殺す話。
内容は強欲社長が恨みを持つ男に狙われるという
「怪奇」らしからぬ普通のドラマなんですけど、
テンポの良い脚本と演出で、サスペンスアクションとして
それなりに楽しめました。普通!( ^ω^ )

■第11話「ジャガーの眼は赤い」
立体映像の技術を悪用する男が、身代金目的で幼い兄弟を誘拐する話。
これまた「怪奇」らしからぬ、ストレートな犯罪ドラマ。
立体映像のトリックが劇中効果的に使われていて、なかなか楽しめました。
普通!( ^ω^ )

■第12話「霧の童話」
落武者伝説の残る山村に亡霊騒ぎが起きる。
その裏には土地買収に絡む人々の確執があった。
三沢は山村の少年と親しくなり、事件の調査を開始する。

古き良き山村の情景が非常に美しい。
老人達が罪を犯してまで守ろうとした村はしかし、
事件の直後、水害で壊滅する。
近代化された村を呆然と見つめる老人は何を思うのか…
めっちゃ好きな話(=´∀` )

京都タワー(25話)の件もそうですけど、怪奇大作戦が作られた
1968年頃って、日本の風景が大きく変わりゆく時代だったのだなー
ということがよくわかりますね。


~つづく~

怪奇大作戦①

2017-04-08 16:37:16 | 特撮

『怪奇大作戦』
1968年 「ウルトラセブン」の後番組として制作された
円谷プロの社会派SFミステリー。30分完結のオムニバスで、全26話。

唐突に全話レビューします。
何故なら私がこのシリーズを愛しているからです(真顔)
ネタバレには一切配慮しませんので、ご注意ください…

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人体発火現象や亡霊の呪いなど、様々な怪事件に
SRI(科学捜査研究所)のメンバーが立ち向かう、
「日本版Xファイル」とでも呼ぶべき物語です。

怪獣ブームの後は怪奇モノだ!という制作サイドの意向からか
結構おどろおどろしい雰囲気ですが、事件は超常現象(オカルト)ではなく、
科学を悪用した人間の起こした犯罪という位置づけがなされています。
ドラマの中核は社会や人間の心の闇を鋭く描いており、
半世紀近く経った今でも、見る人の心を深くえぐる作品です。

SF考証については、1968年制作という事を差し引いても
凄い適当だなーという部分は多々あるのですが、科学的な正確さよりも
出演者の一人・岸田森が評するように、「シリアスな空想劇」として
楽しむのが正解かと思います。

一方で、シリーズ全体を見ると出来・不出来の落差が激しくて
「ちょっとなー」っていう話も多いので、個人的に

(=´∀`)好き。愛してる。
(^ω^)普通。
( ´_ゝ`) ビミョー。

と、備忘録代わりのメモをつけて書いておきたいと思います!

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■第1話「壁ぬけ男」
怪盗キングアラジンが、予告状通りに次々と盗みを働く。
彼は追っ手の眼の前で、壁の中をすり抜けて見せた!

途中までは「昭和のミステリーね、特撮のアナログ感が味わい深いね( ^ω^ )」
なんてほのぼのしてたら、ラスト5分で
「え、えらいモン見ちまったァー!」と驚愕したのが忘れられない。

ただ一度の失敗から名声を失ってしまった奇術師が、
「幻の喝采」を求めて湖に消えていく話。
彼の狂気を知りつつも、寄り添い続ける奥さんのキャラが好き。
犯罪に使われた技術を与えた科学者は罪に問えないが、
「僕は憎むね」という牧の台詞で締める所まで、
色々ツボを刺激される第1話(=´∀`)


■第2話「人喰い蛾」
毒蛾に仕込まれた細菌が人間をドロドロに溶かす!
ショッキングな連続殺人の謎を追う話。

人間溶解シーンは結構グロかったですが、
話は「敵対企業の妨害目的による殺人」という単純なもの。
赤ん坊を蛾から救い出すシーンのサスペンスが白眉。
シリーズ構成的には、主役格である
行動派の熱血漢・三沢と、
冷静な科学者・牧の、
2人のキャラをちゃんと立たせるのが狙いかな。
普通!( ^ω^ )


■第3話「白い顔」
美女の周辺で起きる連続怪死事件の謎を追う。
事故で大火傷を負った科学者が、娘に執着するあまり
彼女に近づく男を次々と殺していた、という話。

最終的に父親は報いを受け、隠し続けてきた素顔をさらす。
娘は、そんな父の孤独や醜さを受け入れ涙する…
甘いオチではあるけれど、私は好き!(´∀`=)
最後に娘を抱きしめる父の表情がまた、何とも言えずイイのよねー。

あとレーザーの描写が、科学特捜隊みたいな
手描きのビームじゃなくて、着弾点が突然発火する所が
リアルで良かったかな!


■第4話「恐怖の電話」
受話器から奇怪な音が響いた瞬間、人間が炎に包まれる!
連続焼死事件の謎を追う。

話は、戦時中に行われた金品横流し事件の仲間割れですが、
何といっても実相寺昭雄監督の執拗な演出にゾクゾクします。
幾何学的な防音室ですとか、電話交換機の神経質な音や
ビジュアルが緊迫感を高めます。

唯一の目撃者である被害者の娘を、拷問まがいのやり方で
追い詰める牧がちょっと怖い。ヒロインはウルトラマンの
フジ隊員の人ですが、影のある美女って感じが色っぽかったです。
ギリギリまで緊張感が高まった後の、
静から動への鮮やかな転換そして終幕。
うーん素晴らしい(=´∀`)

今の若い人は、ダイヤル式の電話を見てもかけ方がわからないんだろうなあ…


■第5話「死神の子守唄」
歌手・高木京子の歌う子守唄になぞらえ、
次々と娘たちが殺されていく。それは、
胎内被曝(※)による白血病で死ぬ運命にある京子を救うため、
京子の兄・吉野が行う人体実験だった。

(※お腹の中にいる時に、お母さんが広島で原子爆弾の被害にあった)

見るたび打ちのめされるんですけど、超好きな話(=´∀`)

この回で1番好きなのは、SRIの牧が、
吉野を説得しようとするシーンかな。
牧は吉野の怒りと絶望に完全に飲まれてしまって、
自分の無力さにうつむくしかないという…
もう、とんでもないドラマだなあと思いましたねえ。
京子に手を差し伸べようとする、三沢との淡いロマンスも印象深い。

少し駆け足ではあるけど、実相寺監督による
全編スキのない濃密なドラマです…!

この話は「特捜戦隊デカレンジャー」の「ハードボイルド・ライセンス」
という回でまるっとオマージュしてるので、そちらの方が入りやすい、かも。
デカブルー主役回で、男っぽい雰囲気の、いい話でしたね。
最後は「京都買います」だったしw

〜つづく〜

小説 仮面ライダークウガ

2014-07-20 14:51:47 | 特撮
「小説 仮面ライダークウガ」読了。

2000年に放送された平成ライダー第1作『仮面ライダークウガ』。
最後の戦いを終え、クウガ=五代雄介が姿を消して13年後の話。

クウガが出てこなくても成立すると言うか、
むしろクウガはオマケというかなり冒険的な内容です。
現実世界にヒーローがいたら?という話を、
彼と関わる人々の群像劇として見事に描き切った力作でした。

ラストには、頭の中にテーマ曲『青空になる』が流れます…!
TVではできないようなシリアスな側面も描かれましたが、
基本的には希望のある、とても爽やかな内容でした。

読んでて辛かったのは、私がTVシリーズの内容をかなり忘れているということ。
一応説明はあるけれど、過去に関係のある人物が出て来るたびに
「あれ、この人どんなキャラだったっけ」とモヤモヤしてしまいました。
原作ファンに向けて書かれた作品だから仕方ないのですが。

全編に渡る昭和マニアネタ
(キングコング対ゴジラの有島一郎って、分かった自分が嫌になったよ!)やら、
異様に気合の入ったアイドル描写やら、作者の荒川稔久の
やりたい放題っぷりが何よりも印象に残ってるのは秘密。

「特捜戦隊デカレンジャー」も是非、小説化して下さい。
宜しくお願いします。

牙狼-GARO- ~蒼哭ノ魔竜~

2014-06-28 22:34:41 | 特撮


牙狼-GARO- ~蒼哭ノ魔竜~
2013年雨宮慶太監督作品

ホントはマフラーは変身前しか付けてないんだけど、変身後にも似合うだろうなあと思って描いてみました。

魔戒騎士・牙狼の称号を受け継ぐ青年、冴島鋼牙は、契約を果たすべく「約束の地」を訪れる。そこは人間に忘れられた「モノ」達の住まう世界だった…という話。

雨宮作品は、「未来忍者」「ゼイラム」をはじめ、特撮好きとして基本的な所は押さえてきたつもり。
1番好きなのは「人造人間ハカイダー」です。
「牙狼」シリーズも、冴島鋼牙編は一通り見ました。筆を生かした独特のビジュアルや良い意味での泥臭さ、型を重視した力強い殺陣など、好きな要素は凄く多いんですけど「ハマりそうでハマらない」と言うのが正直な所だったりします。

牙狼は現代の闇で戦うことが多かったのですが、今回は約束の地という異世界が舞台。当然CGバリバリなのですが、絵本を思わせる鮮やかな色彩が美しく、画集などで見ていた雨宮ファンタジーを実写化した!という感動が大きかったです。

メインキャラも話の舞台も全て本作オリジナルなのですが、やってることは驚く程いつもの「牙狼」。
主人公の精神世界に突入、死んだ父親と再会して奮起…ってコレ何回やれば気が済むんだ!とか(笑)

ラスボスの松坂慶子(巨乳ですな)といい、「MAKAISENKI」の池畑慎之介(べっぴんさんでした!)といい、大物を贅沢に、上手に使う所は流石だなと思った次第。

あとは、カカシ役の貴虎兄さんの愉快なイケメン振りが楽しかったです。いつムーンウォークするのかとハラハラした(笑)

冴島鋼牙の物語はこれにて終了ですが、牙狼シリーズはこの後も続いている模様。今秋にはアニメも始まるらしいので、ちょっと気になっています。

さよならキョウリュウジャー

2014-02-09 13:26:33 | 特撮
『獣電戦隊キョウリュウジャー』、本日が最終回でした。

毎週録画はしていたのですが、実はここ4週ほど観る気になれませんでした。
「もう終わっちゃうんだ」と思うと寂しくて…
アイガロンが死んじゃうあたりからもうね、寂しくて寂しくて。

今日放映の最終話に合わせて、最終4話を一気見したのですが、
最高に熱い、王道展開でした!
特に最終回前の「ここは俺に任せて先に行け」からの素面名乗り、燃え過ぎて泣けました…
脚本・三条陸の代表作「ダイの大冒険」を思い出しながら見ると
より楽しめるかもしれません。

最後は全員、ダンスでハッピーというのも後味がさわやかでよかったです。
レッドの父・山下真司はおろか、百面神官カオス役の菅生隆之さんまで
踊っていたのにはびっくりしました。か、艦長ッ…!
(振り付けはお孫さんに教わったらしい)

しいて好きなキャラを挙げるなら、敵幹部のアイガロンとドゴルド。
この二人は散りざまも美学があって格好良かったです。
たまに見せるゲス~い表情もたまりませんな!


正義サイドだとウッチーこと空蝉丸かな。
ござるでアラサーで萌えキャラって、盛りすぎですよねえ(笑)
最終回直前で急激に女子力をアップさせたヒロイン・アミィさんも忘れ難い。
話が進むにつれ、グングン可愛く、キレイになっていったのが印象的です。


そうそう、映画『キョウリュウジャーVSゴーバスターズ』も観てきましたよ。
坂本監督らしい「美味しいところだけ全部ブッ込んで繋げました!」
と言わんばかりの、漢気溢れる大変すばらしい作品でした。

予告だと「恐竜戦隊大集合!」って感じでゴーバスターズの影が薄くて心配していたのですが、
ちゃんと彼ららしさを生かした活躍をしていて安心しました。
名悪役・エンターとエスケイプの二人も出番が多くて嬉しかったです。

個人的にはアバレッド・伯亜凌駕の登場が懐かしかったです。

大人になったね、凌駕…

『アバレン』は、特撮に「大きいお友達」としてハマりだしたころに見てました。
飄々とした自然体のヒーローは、歴代レッドの中でも
かなり異色だったと思うのですが、今回、
その魅力が存分に発揮されていて良かったです。
また『アバレンジャー』見たくなってきたなあ。

そんなこんなで、次週からは『烈車戦隊トッキュウジャー』。
劇場で見た限り、カーレンジャーのようにかなりぶっ飛んだ印象。
脚本が小林靖子(割と大人っぽい作風の人ですよね?)と言うことで、
どんなテイストになるのかまったく想像がつきません。
チビッ子から大きなお友達まで楽しめる痛快作であることを期待して。

とにもかくにも、『キョウリュウジャー』の皆さんお疲れ様でした。
『トッキュウジャー』も、楽しみにしています!

ブレイブイン!

2013-10-27 20:04:38 | 特撮





『獣電戦隊キョウリュウジャー』ブレイブ28に顔出し出演した、
声優の水島裕を描いてみました。

すごく…サモ・ハンです…

怪しさ全開の熱演に爆笑。何にびっくりしたかって、
てっきり水島さんが声をアテてる幹部「アイガロン」の人間態だと思ってたら
「ちょっとキャラの濃い一般人」としてサラッと流されたことですよ。
この番組のブレイブは留まることを知らないね…!!


という訳で、毎週日曜のキョウリュウジャー、楽しく見ています。
 前作『ゴーバスターズ』のスタイリッシュな雰囲気が結構好きだったので、
「ブレイブにも程がある!」
などの謎ワードが連発される真逆の作風のキョウリュウジャー、
最初はあまり乗れなかったのですが。

3話あたりで、「おっ、なかなかブレイブだねぇ」
と うっかり日常会話でキョウリュウジャー用語を使ってしまうほどに、
すっかりクセになってしまいました。
三条陸の脚本は、相変わらずソツがないというか、ツボを押さえてきれいにまとめますね。
テンポよく面白おかしいことを繰り広げる「お約束」な感じが、
昭和戦隊のテイストに近くて好みです。

ちなみに、現在自分の中でベストの戦隊は
『電子戦隊デンジマン』と『特捜戦隊デカレンジャー』です。
今後『キョウリュウジャー』を含めてベスト3になるのかな?楽しみです。


2012年の思い出② 特撮博物館

2012-12-25 19:02:37 | 特撮
●特撮博物館

東京都現代美術館企画展・『特撮博物館』。
特撮好きとしては行かずばなるまい、と夏休みを利用して、東京に旅行してきました。

エヴァの庵野秀明が館長を務める、昭和のミニチュア特撮へのあふれんばかりの愛情をこめた展示の数々。
非常に見ごたえがあって楽しめました。さほど混んでいたいたわけではないのですが、トータル6時間弱いました(笑)

今回、予習をかねて東宝・円谷作品のDVDをいくつか見ました。
中でも、やはり自分は初代の『ゴジラ』(1954年)が大好きなのです。
10年ほど前に初めて見て、非常に衝撃を受けたのですが、今もその気持ちは変わりません。
終戦から9年後、まだ戦争の記憶が生々しく残っている時代だからこそ生み出された、平和への願いが込められた奇跡の作品だと思っています。
その後の『ゴジラの逆襲』は復興に向けた希望をうたった作品、そのあとは高度経済成長を背景にした明るい娯楽作、という印象ですね。
博物館で現物の「オキシジェン・デストロイヤー」を見たことは一生の思い出です。

ちなみに、ゴジラシリーズで次に好きなのは、北村龍平監督の『ゴジラ FINAL WARS』だったりして。
北村龍平監督作品は何本か見ていますが、どれも中学生が妄想したような、アタマ悪い映画ばっかりですよね(褒め言葉)。
同監督作では、『ALIVE』が好きです。最後に主人公が得る「救い」がいいのです。
『特命戦隊ゴーバスターズ』ファンには、「黒木司令官が熱暴走ブルーバスターばりに大暴れする映画」と言っておけば通じるんじゃなかろうか(笑)

同博物館では、円谷プロの空飛ぶ戦艦『マイティジャック』が大きくフィーチャーされていました。これも、もちろんDVDで予習してから行きましたよ!話自体は自分はあまりハマらなかったのですが、特撮シーンは「うおぉ、これって実写ヤマトじゃん!!」とビックリしました。
海底ドックの注水、海面をぶち割っての発進シーンはやはりロマンですな。テーマ曲もかっこいいです。


特撮博物館で最も面白かったのは、この企画展のために作られた短編映画『巨神兵東京に現る』。ナウシカに出てきた文明を滅ぼしたとされる「火の7日間」をあえてミニチュア特撮で作るという作品。
作品自体も楽しいものでしたが(厨二的な意味で)、やはりメインは、上映会場の後に展示されていたメイキングです。
「え、これってCGじゃなかったんだ!」「へー、こうやってビルを壊してるんだー」などなど、さまざまなトリックや工夫も大変興味深かったのですが、それ以上に、作っているおじさんたちが実に楽しそうに取り組んでいる姿が印象的でした(笑


東京の旅ではこの後、戦隊ヒーローショー・後楽園シアターGロッソを見てきました。
ライブでヒーローを見るのは、人生でこれが2度目。(一度目は、むか~し田舎のスーパーでやってた「機動刑事ジバン」)
いや、感動しましたね。室内シアターならではの、縦横無尽な音響、光の演出に加えて、TVのキャラクターを生かしたサービス満点の掛け合いに、目まぐるしく展開する迫力満点のアクション!最後はダンスでハッピー!
今まで敬遠していたけれど、こんなにイイモノだったとは…今どきのヒーローショー恐るべし。

Gロッソ入場時、出迎えてくれたレッドバスターと握手できて感激しました!顔が小さくてスラッとしてて、かっこよかったなあ。
チビッ子の列に交じって、いい年した自分が握手を求めたら、レッドバスターが思い切りビックリしてたのはたぶん気のせいです!