出版屋の仕事

知識も経験もコネもないのに出版社になった。おまけに、すべての業務をたった一人でこなす私。汗と涙と苦笑いの細腕苦労記。

製本所見学

2006年11月07日 | 制作業務
厳密には「制作業務」じゃないんだが、制作途中の出来事なのでこのカテゴリー。

昨日、製本所の見学に行った。ずいぶん前に印刷所の見学には行ってたんだが、製本所はなかなかチャンスがなかった。もちろん、最終目的は「どこをどう突っ込んだら安くなるか」を知るため。とはいえ、流れと機械の大きさに圧倒されて、それどころではなかった。

うちはある印刷ブローカーを使っていて、それはやっぱり安いからなんだけど、この「製本所見学」にブローカー氏と印刷会社の担当者もくっついてきた。見学が終わる頃、製本所の人が「今日100冊見本上がりますから」と言ったとき、私には明日だと言っているブローカー氏と印刷会社氏がビビッたのが可笑しかった。そんなこと、こちらはわかって発注している。

で、製本所見学からは、即役立ちそうな情報は得られなかった。どこをどう調整するか(機械の)はバッチリ聞いてきたので、「遊ぼうと思えばコストをかけずに遊べる点」はわかった。けど、もともと遊びがない発注で、どうすればもっと切り詰められるかってのは、わからない。

笑っちゃったのは、三面断裁(だったかな?)の機械で、一体になった折丁の束をバサッと切る(小口とかを揃える)ところ。

こっちは「四六判ってのは188x128だったっけ…」と、調べたり前の本のデータを出したりしてDTPしてるのに、製本所で「適当に」切っちゃってることが判明。

確かに、同じ四六判でも微妙に大きさが違ったりすることがある。背表紙の具合かなんかが原因だと思ってたんだが、実は製本所の人の美的感覚らしい。「表紙を見て、このへんだと収まりがいい」と思ったところで切るとのこと。

うーん、こいつは知らなかった。私は非常に大雑把な性格で、細かいところは無視したいんだが、こんなところで製本所を頼れるとは知らなかった。逆に言えば、大雑把と言いながら、ノンブルの位置とか本文のテキストボックスの大きさにこだわって0.何ミリ単位で調整していたのは、まったくの無駄(ま、無駄じゃないときもあるだろうが)だったということだ。

多分、細かいところ(デザイナーの指定)にこだわって作る版元のときは、気を遣うんではなかろうか。うちの場合、マックでいじってるときにはいじるくせに、上がってきた本だと、「ああ、いいじゃない、いいじゃない」と喜んで済ましちゃうような感じだから、製本所の「このへん」で適当でもよしとなる。

で、それをブローカー氏も印刷会社氏もよーくご存知というわけか。まあ、それでやすいのなら構わない。

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