感染者が1万人を超え、コロナが足元に迫った実感があるのではないだろうか。医療機関の崩壊が懸念されていたが、既にその兆候は顕著に現れてきた。都内では救急の受け入れ先が無くなってきているらしく、たらい回し状態の急患が増えている。
何としても患者の急増を止めねばならず、緊急事態宣言の全国化が効果を発揮することを祈るしかない。ウイルスは入り込む人間がいなくなれば、それで消滅していく。彼らの生存条件は隣に新たな感染先、寄生先が存在することであり、空虚な世界に生きることはできない。彼らの生存戦略を無効にするため、行動自粛は徹底しなければならない。
緊急事態宣言後の世界でも、なお顧客と対峙せねばならないサービス業、医院、薬局、配送、スーパーなどで働く人々のリスクは高い。だが、社会の基本インフラを止めることはできない。オンライン勤務も事務職の世界では可能かもしれないが、製造はそうはいかない。大型の工作機械を家庭に置くことなどできるわけもない。一定のリスクを背負う他ない方々のお陰で社会は命脈を保っている、今そのことを忘れてはならない。
先週の週末の段階でも、江の島近辺は渋滞が起きるほどに賑わった。意味が分からない。未だに危機感が浸透しないのは異常なことと云うほかない。個人の自覚を待つ、クラスターを徹底追跡する、という日本以外では考え難い政策の効果は一体どこまであるのだろうか?答えは今週中の新規患者数に出る。宣言後二週間、患者数の減衰が始まらないのであれば、強制力のあるロックダウンの法制を整備する他なくなる。処罰を伴う外出禁止令が必要になるのか否か、週末までの感染人数の推移を見つめよう。
川口