チャオプラヤ河岸の25時

ビジネスマンの日記帳

西安・昆明

2016-04-22 09:01:38 | インポート


 熊本の震災も漸く終息方向、と云ったところだろうか。断層の横ずれの連鎖が震度6以上の地震を1週間に7回も多発させる、という世界でも希な災害となった。関連死を含めると犠牲者は50名を超え、今も避難者は9万人以上と伝えられている。規模に比較し死者が少ないのは、迅速な救援と耐震設計のお蔭だろう。後は速やかなインフラの復旧を祈るばかりだ。
 救援の輪は国内にも世界にも広がっているが、無論、天災であっても東アジアだけは同情だけが在るわけではない。中国の西安のレストランでは「熱烈祝賀熊本大地震」の非常識な横断幕を掲げて客を集めた。同じく中国の昆明銀行金属製品公司は割引祝賀セールを展開し、日本人10万人が震災死したら更に割引を拡大する、との祝賀キャンペーンを行った。これが中国の民度であり、反日洗脳教育の成果だ。韓国も似たようなNET上の反応があった。改めて彼の国に海外拠点を求め、彼の地の発展に資することの意味を個別企業に問う内容だ。
 例によってASEANや台湾の反応は極めて心暖まるものだった。日本の経済力や技術力の総力を挙げ、彼等をこそ浮揚させ、何が何でもテイク・オフさせねばならない。異様な反日2国とASEANとの経済的力量差を埋めること、それがアジア全体の平和に不可欠な条件になる。全ての日系企業に中国進出のリスクと意義を改めて問いかける、そんな極端な反応の差であった。
 次の断層地震のリスクは糸魚川・静岡構造線、長野県白馬から山梨県南部にかけて、と伝えられている。プレート・テクニクス論とは異なるメカニズムではあるが、一定の周期性はあるとされている。備えること、他に向き合う方法は無い。そして万一の場合は迅速に復興を成し遂げることだ。近隣には人の不幸で喜び、慰められる膨大な人口がある。日本の衰弱は彼らの膨張主義の本質を即座に刺激する。東日本地震の半年後は尖閣での攻勢と南沙・西沙の占領だったことは記憶に新しい。更に強靭になって復興する、それ以外にアジアの平和を担保する方法はない。







                                        川口

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災害

2016-04-17 18:39:34 | インポート

 熊本の震災が中々終息せず、懸念される。天草、熊本は活断層の巣のような場所だが、如何にも突然で驚いた。関心が東日本や東南海の地震に集中していただけに、不意打ちに感じたのだろう。
 日本には活断層が2、000近くもあり、何時いかなる場所も震度7の激震が襲う可能性はある、という現実を改めて脳裏に刻みたい。安全地帯などというものは無い、災害大国日本の現実だ。
 高度にシステム化され発展したテクノロジーと整備されたインフラ、その文明の成果が逆に災害への粘り腰を失くす。水と食料、電気にガス、トイレや医療、何かが欠ければ直ぐに生活は決定的に追い詰められてしまう。山に行けば何とかなる、そんな強靭な里山の文化が失われて久しい。今や、大規模災害には生きている外部のシステムの強力な支援が必須だ。今の処、外部システムは機能している。被災者には今暫く頑張っていただくしかない。
 5年前、タイの大洪水では自分が被災者となった。余りの損害というものは、暫く現実に肌実感として受け止められない。ダメージは数か月も遅れ、ようやく実感されるものだ。日々を消化していくだけ、それだけでもかなりの質量になってしまうからだ。今、物心両面の支援が熊本には欠かせない。局所的、一過性の災害でなかった以上、避難生活は長期間に及ぶはず。がんばれ、熊本。

 半島のメルトダウン化が一段と進んだ。朴槿恵政権が総選挙で大敗し、少数与党に転落。暫くは何もできない、何も決められない政治が続き、経済の衰弱は更に進むことになる。外資の引き揚げもかなりの規模で始まるだろう。政権の求心力維持の為、またぞろ無反省に反日と片思いの親中に熱を上げるしかない。
 北では金一家の大事な記念日に移動式中距離ミサイルを打ち上げたものの、無残に失敗。金正恩の面子の為に核実験にまた手を付けるしかなくなった。坊ちゃまとヒステリー・ママとの軋轢はレベル的に危険水域に入ってしまっている。何があっても驚けない。
 半島の自主統治能力に疑問符が付くのは今に始まったことではない。李朝朝鮮以来の低い政治民度を原因としている。半島で何が起きても、なおかつ関わらないこと、それが戦前の轍を踏まぬ為の大事なアジアの常識だ。
 現在の状況では、北の軍事暴発に中朝同盟が自動的に起動するなどあり得ない。無論、韓米同盟に自動的に日米同盟が引っ張られることもない。半島の支配者が中国になろうがロシアになろうが、日本にとってどうでも良い。地政学的リスクは同じようなものだ。半島は半島に任せる、その距離感こそが在るべき感覚であることに疑念の余地は無い。
 驚くべきことに現在の韓国の大学生は88%が海外での就職を希望している。既に国家の体を成していない。彼等が何処に向うのかは知らないけれど、巨大な中国に向かってくれることを切に願う。半島との関わり、いかなる形式であれそれだけは避けねばならない。日本にとって、半島へのいかなる関与も巨大な災害になる、それが歴史の教訓と云うもの。







                                    川口
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2016-04-11 21:18:25 | インポート


 長野も桜が満開になった。花冷えの朝だったが、桜並木のトンネルの艶やかさは格別だ。サクラはバラ科スモモ族に分類される。たった数日の命を咲き誇った後、淡泊に花吹雪となる潔さが日本人の心を捉えて久しい。
 
 大和心を人問わば 深山に咲ける山桜花 
 
 桜色、というものも600種はあるという桜の木の、何を思い浮かべるかで随分異なる。圧倒的な数のソメイヨシノばかりが桜ではなく、もっと色合いの濃い木は沢山ある。何れにせよ、どれもが日本の風景に溶け込んで美しい。ただ愛でるのみ。
 インターネットの時代、写真や動画の情報は一瞬で世界に拡散する。桜の日本を観光する外国人旅行者も驚くような数になってきた。数年前までほんの5~600万人だった外国人旅行者は、今や2,000万人の時代、2020年には4,000万人になる、と予測されている。これを大衆レベルの第二の開国と云わずしてなんと云うのだろう。
 日本は、長い鎖国と島国根性の時代をやっと克服する契機を得ているのだ。
 いち早く産業革命を成し遂げ、中露という大国との戦役をも勝ち抜いた、鎖国明けの偉大な日本。列強の仲間入りを急速に果たしたアジアの中の特殊な国。だが、それは欧米への劣等感とアジアへの侮蔑、という屈折した大衆意識、或いは無知の中で成し遂げられてきた。今、その大衆レベルでの思想史的清算が進むことになる。第二の開国が意味するものは、だから大きい。
 明治以降の重厚な先人たちの想い、その背景にも、やはり爛漫の桜が咲いていた。



                         




                                   川口
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