![]() | マホロミ 1 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕) |
クリエーター情報なし | |
小学館 |
「マホロミ(1)」冬目景
高名な建築士だった祖父の孫にして、やはり建築の道を志す土神(にわ)くんは、建築家の1年生。ひさーしぶりに再会した幼馴染の卯(あきら)との、ちょっと濃い友達関係以外はとくに変哲のない大学生活をおくっていた。のだが……。
卯に誘われて出かけた取り壊し寸前の洋館で、土神はなぜか古めかしいドアノブに心惹かれる。真鍮製の、レリーフが美しいそのドアノブに触れた瞬間、目の前に幻の扉が現れた。
扉はすぐに消え、他の誰に説明することもできず、まあしょうがないか、あれは気の迷いだったのだと片付けようとしていた矢先、土神は謎の美女と出会う。祖父の隠し持っていた古い写真に写っていた少女に瓜二つの彼女は、真百合という名で、奇しくも土神と同じ現象を体験できる能力を持っていた……。
古い建物に残された記憶をミステリアスな美女と一緒に探偵するという、いかにも冬目景っぽいお話。登場人物の配置も、祖父の代から受け継がれている愛憎関係なんかも当然お得意の分野で、だからこそ目新しくはないが安定して楽しんで読める。冬目作品の雰囲気が好きな人だったら文句なしのおすすめ。
個人的には卯が好きかな。近代建築マニアで、実家が剣道場で、暴力も辞さないシスコン兄貴どもに過保護に守られてて、土神のことを気にしていて、言葉には出さないけどもいつかきっと……な雰囲気を持っている彼女が可愛いい。冬目作品的には当然の当て馬なのだけども、頑張ってほしい。土神と幼馴染といっても小学生の時のサマースクールでだけの関係らしいのだけど、そのへんも良いよね。そういうちょっとした、ほのかで淡い繋がりに憧れます。
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