人類は衰退しました のんびりした報告 (IKKI COMIX) | |
クリエーター情報なし | |
小学館 |
「人類は衰退しました のんびりした報告」原作:田中ロミオ 漫画:見富拓哉
最近放送中のアニメを面白く拝見しているので購入。
設定準拠のオリジナル話のようで、原作既読の方でも楽しめるのではないでしょうか。ちなみに僕は原作未見。
国連の回し者で、妖精さんと交流することがお仕事の、調停官の「わたし」がちっちゃな妖精さんたちと過ごす日々は、終始のんびりと穏やか。もう鳴らせないCDを鳴らそうと奮闘したり、不完全なレシピからマロングラッセを作ろうと試行錯誤を繰り返したり、ギャンブルにはまったり……常にべったりというわけではないけれど、「わたし」からそう遠くない位置に妖精さんがいて、彼ら(彼女ら?)との稚拙で素朴なコミュニケーションになごむ「わたし」になごむ、という図式がなかなかいい味出してました。
アニメの「わたし」のような毒舌はないし、考えて見れば見た目もかなり違うので、あの「わたし」とは違う「わたし」なのかもしれませんが、これはこれでありかなと思います。
個人的には、上手いとか下手とかいう次元を超越した独特の味のある絵のタッチが好きですね。水没した街とか、崩れたビルとか、意味をなさない電化製品の山とか、アニメでは表現しきれていない「衰退した」空気感を描ける見富さんに漫画を任せたのは正解だったと思います。大江千里とか森高千里とかシベリヤとか、時折挟む小ネタに同世代の匂いを感じたりもしますし……。