Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

tak's Movie Awards 2012

2013-01-02 | tak's Movie Awards
中学3年で映画ファンを公言して以来、年末にその年観た映画のベスト作品を選出している個人的映画賞。雑誌「ロードショー」や「スクリーン」の真似事を友達とやってた訳ですが、毎年選ぶことが定着してしまい、この年齢になるまで、映画ファンたる僕の年中行事となってます。今年でなんと32回目。日本アカデミー賞より権威はないが、同じくらいに歴史はある。映画に対する愛情の表現手段だと思っています(2011年の結果はこちら)。
年齢も年齢なんで鑑賞本数は減る一方。今年も見逃して悔しい思いをしました。しかし、その分選球眼がものを言う。2012年に僕が鑑賞した映画から、お気に入りを発表致します。

★対象は僕が2012年に観たすべての映画(劇場、DVD、VTR、地上波、BSすべて含む)。新作、旧作を問わない。
★劇場公開することを前提に撮られた映画を対象とする。いわゆるVシネマ、OVAなどビデオリリース目的のものは含まない。

■作品賞=「ミッドナイト・イン・パリ/Midnight In Paris」(2011年・アメリカ)

様々な個性をもった秀作が多かった2012年。ハリウッド100周年の今年に往年クラシックへの敬意を示した仏映画「アーティスト」は素晴らしかったが、アメリカがこういう映画を撮れなかったことが実に悲しい。一方でスピルバーグが往年のハリウッド映画の良心を感じさせる「戦火の馬」を世に送り出してくれた。「永遠の僕たち」はノーマークだったが心に残る映画になりそう。
そして僕が今年ベストワンに選ぶのは、ウディ・アレン監督作「ミッドナイト・イン・パリ」。自分が好きなことを素直に好きと言えないもどかしさ、自分を抑えてしまう経験誰にでもあることだろう。結局いちばん近くにいてくれる人は、自分のそうした好みを理解してくれる人がいい。そんな男と女の出会いって、人生において本当に素敵なこと。ウディ・アレン作品は、いつも男と女のあり方をいろんな形で示してくれる。肩の力の抜けた楽しさと、名作「マンハッタン」を思わせるオープニングの美しさ。笑顔で映画館を出て行くことができる素敵な映画。ラストシーンの主人公のように、できればこの感動を理解してくれる誰かと観られればもっと幸せなんだが・・・。残念ながら、わが配偶者はウディ・アレン映画を好まない(泣)。

今年の10本
「アーティスト」(2011年・フランス)
「永遠の僕たち」(2011年・アメリカ)
「エリザベスタウン」(2005年・アメリカ)
「おおかみこどもの雨と雪」(2012年・日本)
「桐島、部活やめるってよ」(2012年・日本)
「ゴーストライター」(2010年・フランス=ドイツ=イギリス)
「最強のふたり」(2011年・フランス)
「戦火の馬」(2011年・アメリカ)
「劇場版魔法少女まどか☆マギカ 前編・後編」(2012年・日本)
「ミッドナイト・イン・パリ」(2011年・アメリカ)

■特別賞(ベストアニメーション)=「劇場版魔法少女まどか☆マギカ」(2012年・日本)
今年は劇場版アニメに大作、秀作が多かった。見逃したものも多かったが、世間の評判を聞いて「これだけは!」と意気込んで映画館へ。前編&後編を一気に鑑賞するなんて初めてとった行動かも。


■監督賞=吉田大八 「桐島、部活やめるってよ」(2012年・日本)

「桐島~」は今年の日本映画ベストワン。こんなに胸を痛くする青春映画を僕は観たことがない。映画部のエピソードは原作にはなく監督が加えたものだが、加わったことで悩みながらも懸命に生きる僕らを肯定してくれる優しさが映画にあふれることになった。
今年の10人
ウディ・アレン 「ミッドナイト・イン・パリ」(2011)
ガス・ヴァン・サント 「永遠の僕たち」(2011)
キャメロン・クロウ 「エリザベスタウン」(2005)「幸せへのキセキ」(2011)
新藤兼人 「北斎漫画」(1981)
スティーブン・スピルバーグ 「戦火の馬」(2011)
デビッド・リーン 「戦場にかける橋」(1957)
細田守 「おおかみこどもの雨と雪」(2012)
ミシェル・アザナヴィシアス 「アーティスト」(2011)
吉田大八 「桐島、部活やめるってよ」(2012)
ルカ・グァダニーノ 「ミラノ、愛に生きる」(2009)

■主演男優賞=フランソワ・クリュゼ & オマール・シー 「最強のふたり」(2011年・フランス)

東京国際映画祭と同じダブル受賞にした。だって二人があっての映画だもの。人生がクロスすることがなさそうな二人の偶然の出会いと絆に感動。エンドクレジットで席を立つ人がいなかったのも忘れられない。それはこの二人の演技あってこそ。
今年の10人
アレック・ギネス 「戦場にかける橋」(1957)
オーウェン・ウィルソン 「ミッドナイト・イン・パリ」(2011)
オーランド・ブルーム 「エリザベスタウン」(2005)
オマール・シー 「最強のふたり」(2011)
クラーク・ゲーブル 「深く静かに潜航せよ」(1958)
ジャン・デュジャルダン 「アーティスト」(2011)
スティーブ・マックイーン 「ゲッタウェイ」(1972)
フランソワ・クリュゼ 「最強のふたり」(2011)
マット・デイモン 「幸せへのキセキ」(2011)
レオナルド・ディカプリオ 「J・エドガー」(2011)

■主演女優賞=ミア・ワシコウスカ 「永遠の僕たち」(2011年・アメリカ)

ノーマークだった映画に感激することが毎年何本かある。今年の筆頭は何と言っても「永遠の僕たち」だ。死を迎えることを受け入れて、死に取り憑かれた主人公に寄り添うヒロイン。しかしそこには悲壮感もお涙ちょうだいな過剰な演技もない。「アリス・イン・ワンダーランド」のクールな印象とは違った等身大のヒロインを演じて好印象。
今年の10人
カトリーナ・スパーク 「女性上位時代」(1968)
キルスティン・ダンスト 「エリザベスタウン」(2005)
沢尻エリカ 「ヘルター・スケルター」(2011)
ジェニファー・ティリー 「バウンド」(1996)
ソフィー・マルソー 「アンナ・カレーニナ」(1997)
ティルダ・スウィントン 「ミラノ、愛に生きる」(2009)
ニコール・キッドマン 「ラビット・ホール」(2010)
ペネロペ・クルス 「サハラ 死の砂漠を脱出せよ」(2005)
ベレニス・ベジョ 「アーティスト」(2011)
ミア・ワシコウスカ 「永遠の僕たち」(2011)

■助演男優賞=ジェームズ・クロムウェル 「アーティスト」(2011年・フランス)

「アーティスト」は芸達者な役者に支えられた映画。サイレントだけにやや過剰な演技が要求されるものだろうが、主人公の運転手を演じた名優クロムウェルの存在は映画をビシッと引き締める。犬も主役二人を引き立てたけれど、この人も忘れてはいけない。
今年の10人
アーミー・ハマー 「J・エドガー」(2011)
アーロン・エッカート 「ラム・ダイアリー」(2011)「ラビットホール」(2010)
アレック・ボールドウィン 「ロック・オブ・エイジズ」(2012)
加瀬亮 「永遠の僕たち」(2011)
ジェームズ・クロムウェル 「アーティスト」(2011)
トーマス・ヘイデン・チャーチ 「幸せへのキセキ」(2011)
トム・クルーズ 「ロック・オブ・エイジズ」(2012)
早川雪舟 「戦場にかける橋」(1957)
マイケル・ファスベンダー 「プロメテウス」(2012)
ランベール・ウィルソン 「サハラ 死の砂漠を脱出せよ」(2005)「恋するシャンソン」(1997)

■助演女優賞=エル・ファニング 「幸せへのキセキ」(2011年・アメリカ)

ゼダ・ジョーンズの姉御に助演賞!と思ったけれど、いざ選出する年末になって、銀幕の片隅でほんとうに心に残った笑顔を放った女優さん・・・と考えたら、エル・ファニングを選ばずにいられなかった。窓越しの告白シーンはキャメロン・クロウ監督らしい素敵な場面。
今年の10人
エル・ファニング 「幸せへのキセキ」(2011)
キム・キャトラル 「ゴーストライター」(2009)
キャサリン・ゼダ・ジョーンズ 「ロック・オブ・エイジズ」(2012)
キャシー・ベイツ 「ミッドナイト・イン・パリ」(2011)
ジェーン・バーキン 「恋するシャンソン」(1997)
ジーナ・ガーション 「バウンド」(1996)
スカーレット・ヨハンソン 「幸せへのキセキ」(2011)
田中裕子 「北斎漫画」(1981)
ナオミ・ワッツ 「J・エドガー」(2011)
マリオン・コティヤール 「ミッドナイト・イン・パリ」(2011)

■音楽賞=斉藤和義 「ゴールデンスランバー」(2009年・日本)

旧作から選出。公開当時映画館で"幸せな朝食、退屈な夕食"を聴いてシビれたのを覚えている。あの曲を初めて聴いたので歌詞をメモして帰宅したっけ。今年になって本編を観てカッコよさにまたシビれた。
今年の10人
アルマンド・トロバヨーリ 「女性上位時代」(1968)
梶浦由記 「劇場版魔法少女まどか☆マギカ 前編・後編」(2012)
サー・ゲオルグ・ショルティ 「アンナ・カレーニナ」(1997)
斉藤和義 「ゴールデンスランバー」(2009)
ナンシー・ウィルソン 「エリザベスタウン」(2005)
林光 「北斎漫画」(1981)
ブリュノ・フォンティーヌ 「恋するシャンソン」(1997)
ヨンシー 「幸せへのキセキ」(2011)
ルドヴィック・ブルース 「アーティスト」(2011)
ルドヴィコ・エイナウディ 「最強のふたり」(2011)

■主題歌賞=Don't Stop Believin'/Diego Boneta, Julianne Hough, Mary J. Blige, Tom Cruise, Alec Baldwin, Catherine Zeta-Jones and Russell Brand 「ロック・オブ・エイジズ」(2012年・アメリカ)

80年代育ちにはたまらない映画だった。どっかの映画評論家が「ゴミのような映画」とコメントしたらしいが、そんなん知るかっ。ラストを飾るDon't Stop Believin'に、ジャーニーファンの僕は涙せずにいられなかったよ。
♪Don't Stop Believin'/Diego Bonetaほか「ロック・オブ・エイジズ」(2012)
♪Down To Earth/Peter Gabriel 「ウォーリー」(2008)
♪Mr. Robot/五十嵐信次郎とシルバー人材センター 「ロボジー」(2011)
♪September/Earth, Wind, & Fire 「最強のふたり」(2011)
♪Two Of Us/The Beatles 「永遠の僕たち」(2011)
♪幸福な朝食、退屈な夕食/斉藤和義 「ゴールデンスランバー」(2009)
♪なごり雪/イルカ 「チルソクの夏」(2003)
♪人はそれを情熱と呼ぶ/サンボマスター 「恋の門」(2004)
♪陽はまた昇る/高橋優 「桐島、部活やめるってよ」(2012)
♪蛹化(むし)の女/戸川純 「ヘルタースケルター」(2011)

■ベストアクション映画=「エクスペンダブルズ」(2010年・アメリカ)

年末までに「007/スカイフォール」が間に合わなかった(泣)。んでテレビで観た「エクスペンダブルズ」を選出。これも80年代育ちにはたまらない映画。スタローンかっこよすぎ。

■ベスト恋愛映画=「エリザベスタウン」(2005年・アメリカ)

キャメロン・クロウ監督作品は大好きなのだが、これも素敵な素敵な映画。キルスティン・ダンスト主演作、僕にはハズレがないようだ。夜通しの長電話、手作りのガイドマップとBGM。そして赤い帽子の彼女との再会。きゃーっ!こういう映画でキャアキャア言えるオレ、まだまだイケてるはず(苦笑)。

■ベストミステリー/サスペンス=「バウンド」(1996年・アメリカ)

「マトリックス」を生んだウォシャウスキー兄弟の出世作。ハードボイルドな雰囲気、密室劇の面白さ。そして主演女優二人の色香に酔いしれる大人のサスペンス映画。

■ベスト人間ドラマ=「戦場にかける橋」(1957年・アメリカ)

これまで観る機会がなかったのが恥ずかしい・・・いやはや不勉強でした。登場人物それぞれの思いが交錯するクライマックスの緊張感。こういう映画、今はないよなぁ。

■ベストコメディ=「ロボジー」(2011年・日本)

わが街北九州ロケ映画、今年もいろいろありました(いろいろ見逃したりもしましたが・汗)。矢口史靖監督らしい楽しい楽しい映画でしたね。

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6 コメント

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Unknown (imapon)
2013-01-04 18:08:32
恥ずかしながら年末に初めて斎藤和義という人を知りました。
なんだ、こういうのは?と相手にしないようにしようと思ったのですが、なんだか懐かしいパッションを感じて・・・
良いフレースを出してくる方ですね。
「幸せな朝食、退屈な夕食」もYOU TUBEでチェックしました。カッコ良いですね。

takさんの今年の10本で見たのは「まどか☆マギカ」だけなので
こんな事ではいかんと反省してます。
「アーティスト」は見る予定でしたがやめちゃいました。
「桐島部活」はやたら評判が良いので見てみたいです。あとはウディ・アレン、こちらはDVDででも・・・

そんな奴ですが、本年もよろしくです。
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あけまして (ジル)
2013-01-04 20:26:03
おめでとうございます!
takさん、今年も宜しくお願いいたします。
いや~、新年早々お邪魔したら、何やら楽しげなベスト選出記事が。
なにやかにやでtakさん、いっぱいご覧になってますよね~。
劇場では数本しか見ることができませんでしたが、
「ミッドナイト・イン・パリ」「最強のふたり」「ロックオブエイジス」は私にとっても印象に残った作品です。
ゼダ姉さんは文句なしの「助演女優賞」です。
こちらではエル・ファニングに持って行かれたんですね。笑
「ゴミのような・・・」と言った評論家さん、悲しいですね。
あの映画に賭けるビッグネームたちの気持ちも汲み取れなかったんでしょうか?
自分目線でしか見られない映画評論家はダメだよね!
懐かしい「バウンド」「エリザベスタウン」などまた思い出しました。
鑑賞幅の広さ、新旧取り混ぜての選出が新鮮です!
「桐島~」とか「永遠の~」とか、私も観てみたくなりました。
あまりにも鑑賞数が少なかった昨年ですが、今年は本当にたくさん映画を見たいです。
またよろしくお願いします~~~。

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imaponさんへ (tak)
2013-01-07 20:32:19
今年もよろしくお願いします!。

斉藤和義は同世代なので、なーんか共感できるところが多くってですね(・・・とここ数年で気づいたのですが)。imaponさんはメインストリームとは違ったところで、いろいろ観る機会があってよいなぁ・・・といつも思ってブログ拝見してます。

今年もいい映画に出会えますように。
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ジルさんへ (tak)
2013-01-07 20:41:37
今年もよろしくお願いします。
昨年、前半はあれこれ観ることができたんですけどね。サマーシーズンに「ダークナイトライジング」を見逃してから、何か公私ともに忙しくなりまして。「アルゴ」観てたら「バウンド」は選ばなかっただろうし、大好きな「007」観てたらスタローンは選ばなかったと思います。
「永遠の僕たち」はジルさんお好きではないかなぁ・・・冒頭流れるビートルズに心持って行かれました。

今年は新年早々僕の生息地でもヨーロッパ映画にありつけそう。時間つくって観ようと思います。
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今年も、ゆるゆるとよろしくお願いいたします。 (ボー)
2013-01-13 12:11:07
エルちゃんと「ロック・オブ・エイジズ」くらいが我が家と似ていますね!
ほかは…やはり、私がひねくれモノな証拠…苦笑!

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ボーさんへ (tak)
2013-01-14 21:35:02
今年もよろしくお願いしますね。
ボーさんとは観てる分野が僕とあんまりカブってないんですかねぇ。僕が「マリリン」見逃したのも原因かな。
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