Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

4月のBGM

2015-04-30 | 音楽
2015年4月に聴いていた愛すべき音楽たち。

■Begin Again/various artists
映画「はじまりのうた」鑑賞。前作「ONCE ダブリンの街角で」が素晴らしかったジョン・カーニー監督の新作。傷心のソングライターの女性が、中年音楽プロデューサーとの出会いで自分を取り戻していく物語。音楽で人と人がつながる楽しさ、感動。あんまり気に入ってサントラ盤を買ってしまった。ここ10年位お気に入りのサントラは既成曲のコンピ盤ばかりだったけど、映画オリジナル曲のクオリティが高くって、ポップアルバムとして十二分に合格点。恋人役で出演したマルーン5のアダム・レビーンのヴォーカルがいい。そしてキーラ・ナイトレイの歌声がナチュラルで素敵。
はじまりのうた-オリジナル・サウンドトラック

映画『はじまりのうた』スペシャルミュージッククリップ「Lost Stars」


■New Jersey/Bon Jovi
ベスト盤CrossroadにBorn To Be My Babyが入っていないことを、ずーっと不満に思っていた。ブクオフの280円棚で発見して即ゲット。改めて聴くといいアルバムだな。I'll Be There For Youがまたグッとくらぁ。ボンジョヴィを初めて聴いたのは高校時代で、She Don't Know Meだった。「Don'tじゃなくてDoesn'tじゃねぇの?」と友人たちと話してたっけ…。
NEW JERSEY+2

Bon Jovi - Born To Be My Baby


■Angel Blossom/水樹奈々
とある飲み会の席で、僕のブログで音楽ネタがアニソン偏っていることを指摘された(汗)。えーと、うーん。派手で起伏が激しいアレンジが特徴のアニソンは、僕にとっては4分間のプログレッシヴロックのようなもんで・・・(すごい言い訳)。奈々さんの新譜は魔法少女ものアニメのOP。同じシリーズで使われたeternal blazeやbright streamがマイナーキーの曲だったのに対して、今回は春っぽいポップチューン。フラッシュモブ風のPVがこれまた素敵。
Angel Blossom(初回限定盤)(Blu-ray Disc付)

水樹奈々『Angel Blossom』MUSIC CLIP(Short Ver.)


■Wingspan(夢の翼)/Paul McCartney
今月来日公演が行われたポール・マッカートニー。このライブに行く人々を羨ましいなぁ・・・と思ってたら、NHKの朝のニュースで演奏の模様が流れた。うおー、Magical Mystery Tourじゃん!と朝からテンション高くなっちまったのです。ポールのディスコグラフィーの中で、最も好きなのは実はウィングス。中学生のとき、友人に借りたウィングスのグレイテストヒッツに夢中になって、歌詞カード片手に家で歌いまくっておりました。4月は数日間通勤BGMがこの2枚組ベスト盤だったのでした。
夢の翼~ヒッツ&ヒストリー~

Paul McCartney & Wings - Band On The Run (Rockshow) [HD]


■New Season/森高千里
歌番組のMCに登場したモリタカ。翌日職場でも話題になった。「takさん世代は大喜びでしょ」彼女がデビューした当時、僕は熊本在住だったから地元での取りあげられ方もよーく覚えている。デビュー曲のNew Seasonは、当時わがバンドの選曲会議にも挙がったが却下されたっけ。このブログの10選シリーズでもこんな記事書いてます。
the best selection of first moritaka 1987-1993

森高千里 『NEW SEASON』 【セルフカヴァー】


↓ 森高楽曲の傑作と信じて疑わない名曲。

プリンセス・プリンセス & 森高千里 テリヤキバーガー


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オーケンの散歩マン旅マン

2015-04-26 | 読書

大槻ケンちゃんのエッセイ集「散歩マン旅マン」読了。

バンド活動の理想と現実、
不思議な女友達タロー子との交友録、
映画や格闘技やUFOへの偏愛。

ブースカのぬいぐるみのエピソードにバカ笑いし、
ガン闘病中の友人とのエピソードに涙する。

「気づかう、というのは生きていく上で、すべての人にとっそれは重要なことなのだとオレは確信した。」
その一文に僕も大きくうなづいたよ、ケンちゃん。




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フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ

2015-04-25 | 映画(は行)

■「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ/Fifty Shades Of Grey」(2014年・アメリカ)

監督=サム・テイラー・ジョンソン
主演=ジェイミー・ドーナン ダコタ・ジョンソン ジェニファー・イーリー ルーク・グライムス

 ハーレクインロマンスのような吸血鬼映画「トワイライト」好きな主婦が、ネットに書き下ろした小説を映画化したという本作。女性目線の官能映画ということで巷では話題になってたし、昨年から映画館では予告編がずーっと上映されていたし、それに最近のアメリカ映画ではセックスシーンが売り物の作品はほぼ皆無だったし・・・といろいろ理由をつけて要するにエロいのがちょっと観たかったんでしたっ!。

 最近のハリウッドはいろんな規制がますます厳しくなって以前よりも過激な描写が難しくなっている。そんな中でこれだけセックスシーンを売りにした映画が製作されるのは珍しい。確かに頑張ってるとは思えた。でもねぇ・・・こんなもん?女性でも観られるオシャレなエロ映画ということであれば、僕ら世代にはミッキー・ロークとキム・ベイシンガー主演の「ナインハーフ」の印象が強い。比較してはいかんと思うのだけど、同じような場面でも「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」にはあんまりそそられないのだ。

 例えば2つの映画に共通して出てくる氷を使った愛撫の場面。「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」は"そんなことやってます"という行為を映しているだけにしか思えなかったのだ。肌に触れる冷たさ、ハッとしてのけぞる彼女。それを短いカットをつなぎ合わせて編集していて、ヒロインであるアナの緊張感は伝わる。だけどその行為自体のエロさはどうだろう。「ナインハーフ」のエイドリアン・ライン監督はカメラワークが徹底的にフェチな人だ。ミッキー・ロークが手にする氷、したたる滴、キム・ベイシンガーの肌をはう指先、あごがのけぞり、唇が小さく悲鳴をあげる・・・それらがすべてクローズアップ。僕ら観客はその行為をのぞき見しているような淫らな気持ちをかきたてられる。二人の周りの小道具までも、気持ちをかき立てる要素になっていくのだ。それは「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」に決定的に欠けているもの。秘密の部屋に置かれた様々な道具にしてもそれらを克明に見せないものだから、"なんか変な趣味持ってる人の部屋です"という様子しか伝わらない。孔雀の羽根やら様々なお道具をロジェ・バディムの映画みたいになめるようなカメラワークで撮ってたら、もっともっと観客はドキドキしたのではなかろうか。え?僕がそんなのばっかり見慣れてるから?(笑)

 この映画最大の売りでもあるセックスシーンは、ただ行為を映しているだけにしか思えない。比べるのはどうかとも思うのだけれど、アン・リー監督の「ラスト、コーション」は、セックスシーンがストーリー上でとても重要な意味をもつ映画だった。登場人物の葛藤やその行為にふける意味。それゆえの行為の激しさ。淫らな気持ちよりも、心を揺さぶられたものだ。この「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」だって、変わった性癖を持つに至ったグレイ君の心理描写や、それを受け入れるか葛藤するアナちゃんをもっと深く描いていたら、きっと違う印象になっていたはずだ。

 結局この映画は、"倒錯した性癖をもつ若い男性が、好きになった女性を思いっきりいたぶりたいのだが拒絶されちゃいました"というお話。バイト先調べて突然彼女の前に現れたくせに、「僕には近づくな。もう会わない方がいい。」と訳のわからない拒絶。ヘリコプターだのグライダーだのに彼女を乗せて、自分とでしか見られない風景を見せたり、経験をさせたり。最後まで納得がいかないのはこの若きCEOグレイ君の行動だ。でも同じように彼女をグライダーに乗せるいけ好かない金持ちであっても、「華麗なる賭け」のスティーブ・マックイーンやそのリメイク「トーマス・クラウン・アフェアー」のピアース・ブロスナンのように格好良く思えないのは何故だろう。一方でヒロインのアナちゃんが彼色に染まっていく様子は実に楽しそうに描かれている。つまりこの映画は、"冴えないヒロインの元に突然王子様が現れましたとさ"、というハーレクインロマンスそのもの。女子目線の王子様願望がテーマの「トワイライト」エロチック版なのだ。それはそれでもいい。だってそういう需要の元で売れた小説だし、製作された映画なのだから。



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誘惑のアフロディーテ

2015-04-06 | 映画(や行)

■「誘惑のアフロディーテ/Mighty Aphrodite」(1995年・アメリカ)

●1995年・アカデミー賞 助演女優賞
●1995年・ゴールデングローブ賞 助演女優賞
●1995年・NY批評家協会賞 助演女優賞

監督=ウディ・アレン
主演=ウディ・アレン ミラ・ソルビーノ ヘレナ・ボナム・カーター マイケル・ラパポート

 世の中、知りたくてしかたないこともある。知らなくていいこともある。でもその好奇心が思いがけない出会いをもたらし、人生にいたずらをもたらしてくれる。時におもしろ可笑しく、時にシリアスに、時に皮肉たっぷりに男と女について考えさせてくれるウディ・アレン先生。この「誘惑のアフロディーテ」は、そのバランスが実に見事。妻が養子をとりたい、と言い出したことに最初は渋っていた主人公レニー。だが養子にした息子がとても優秀だと感じ、その母親がどんな人物だか興味が日に日に高まっていった。いろいろ探っていくうちに、母親たる人物は元ポルノ女優の娼婦リンダだと知ることになる。レニーは彼女がまっとうな人生を送れるように世話を焼き初め、一方で妻との間では離婚の危機が・・・。

 アレン作品では、舞台劇風な演出で物語の語り部が登場したり、主人公にアドバイスをする不思議な存在がよく登場する。最近なら「ローマでアモーレ」のアレック・ボールドウィン、古くは「ボギー、俺も男だ!」のハンフリー・ボガード風な人物。「誘惑のアフロディーテ」ではギリシア悲劇オディプス王の物語を演ずる人々(F・マーリー・エイブラハムが怪演)が、リンダに深入りするなと何度も忠告する。この客観的な視点が加わることで、観ている僕らには事態が悪くならないのか?この先いったいどうなるのか?という不安と期待が高まってくる。主人公レニーがリンダを娼婦をやめさせてまっとうな暮らしを送れるように奔走する姿は、まさにギリシア神話に出てくるピグマリオン。「マイ・フェア・レディ」や「プリティ・ウーマン」に形を変えて今も語り継がれる物語が、ここでもしっかりと継承されている楽しさ。ギリシア悲劇という高尚な題材を加えつつも、映画の中で飛び交うのは極めつけのエロ話。このギャップがたまらなく面白い。そしてオスカーを受賞したミラ・ソルビーノの強烈なキャラクター。アレン先生の女優を輝かせる手管はどの作品でも素晴らしい。そしてラストシーンの何とも言えない切なさ。この結末が、クライマックスまで暴走気味だったこの映画のストーリー見事に着地させてしんみりさせてくれる。

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