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慰安婦問題日韓政府合意云々よりも、民間がやるべきこと

2015-12-29 | 政治の空気
慰安婦問題に関する日韓の政府合意事項について、日本の保守派・右派から激しい批判が巻き起こっています。もちろん理由は「弱腰だ」ということ。具体的には「軍の関与」を認めたことが批判の中心のようです。

私は批判も称賛もしません。
敗戦国という日本の立場、そして国内に朝日新聞をはじめとして、日本人の冤罪を世界にばら撒く人間が権力を握っている構造上、戦勝国を中心とした世界では、日本に冤罪を押し付けられることを避けることは困難です。

何度も指摘しているように、戦勝国、特にアメリカにとって、原爆投下や東京大空襲などの大量虐殺を正当化するためには、当時の日本が悪であってもらわなければ困る訳です。だから冤罪でもなんでも、当時の日本が犯したと噂されるものについては飛びつき、それを冤罪だと否定すると、「歴史修正主義者」という欧米人特有の傲慢なレッテルを貼って排除しようとします(本当の歴史修正主義者はアメリカら戦勝国側なんですけどね)。

そういう状況に、被害国を自称する中韓が飛びつき、日本いじめに利用しています。さらに日本国内で、大メディア権力や学会など、外国に媚びて庶民から搾取している既得権益もこれを悪用しています。

ドイツでも、いくつかやっていないこと(冤罪)を国で認めてしまっている点もあるでしょう。しかも日本より悪いことに、法規制にまで反映しているところもあるようです。そういう強引な法規制などが原因で、地下に潜って違法に手を染めるしかなくなってネオナチのような人種差別主義暴力集団が誕生し、世界中に拡散されています(だからドイツの戦後政策はお手本でも何でもなく、むしろ「反面教師」だと言っています。)

当のドイツの庶民の多くは、その問題については口を閉ざし、何とか聞き出すと、「あれが本当のことだとは思っていない」という意見が多いようです。敗戦国というのはそういう理不尽な仕打ちを受けることがあるということです。

歴史というのは、戦争で勝った者に都合よく書き換えられます(それが本当の意味の歴史修正)。従って敗戦国は、戦争に勝たない限り、歴史冤罪を晴らすのは困難なのです。

いくら捏造からはじまった冤罪とは言え、既に中韓だけでなく欧米の一部にも広がった慰安婦問題について、自称被害国の韓国側が何らかの譲歩をしたら、日本政府も何か譲歩しなければ外交にはなりません。それが今回の軍の関与や首相個人のお詫びの文言でしょう。対中軍事のために日米韓の足並みをそろえるために日韓の歴史問題を解決しろというアメリカからの圧力もあったでしょう。様々な状況から考えて、今回の妥結はやむを得ないと思います。


では我々はこうした歴史の冤罪を事実上甘受しなければならないのでしょうか?
それは違います。そう考えている人は視野が狭いと思います。

まず幸い、日本はドイツほど愚かではないので、法律ではそうした問題には触れていません。庶民の間で、安易に冤罪を認めてしまわないことが重要です。

そして何より大事なのは、「世界は戦勝国だけのものではない」ということです。
第二次世界大戦を戦勝国による偉大な勝利だと考えているのは、世界の中で戦勝国だけです。その他多くの国々、アフリカ大陸、西アジア、東南アジアなどでは、全く異なる歴史観を持っています。

確かに戦勝国に比べ、これらの国は経済も政治も影響力が小さいと見なされています。というよりも、日本のメディアがこれらの国や地域のことを軽視しているケースが多いですね。
しかしそれはそうした国や地域への過小評価であり、差別です。世界は永遠に同じ国々が覇権を握り続けるとは限りません。これは世界史を見ても明らかです。ほんの10年や20年では変わらないでしょうが、100年以上のスパンで見れば、色々な変化が起こり得ます。

だからこそ、日本人は今後、今のうちに、このような戦勝国史観とは異なる国や地域に、日本の立場をきちんと表明し、関係を深くしていくことが重要です。
安倍政権は少ない時間を利用して、既にそうした地域との外交を深めてきました。これは歴代政権にはなかったことです。

しかし大メディア権力の監視を受け続け、手足を縛り付けられている日本政府には、時間も金も限度があるので、それだけでは足りません。
だからこそ、日本の大企業など、民間でこうした外交・ロビー活動を続けていく必要があるのです。
残念ながら、日本はそこが一番遅れています。日本よりはるかに経済規模の小さい韓国が、日本よりはるかにロビー活動に金を使っているのと比べると一目瞭然です。
日本の企業にそもそも「愛国心」などというものが存在しないのでしょう。そこが韓国企業との違いです。

まずはこの辺から変わっていかなければならないと思います。一番変わらなければならないのは政府ではなく、民間です。もちろん、我々庶民も含め。

一部保守派が、「今回の妥結によって、我々は反対運動ができなくなる」などと言っているようですが、全くもって意味不明です。我々国民には言論の自由、表現の自由があります。

政府ができなかった抗議を、我々民間がやればいいだけのことです。いくら正しいことでも、押し通せば戦争などの危険性がある政府のかじ取りと違い、我々の抗議活動にはそのようなリスクは存在しない訳ですから、我々庶民こそがやらなければなりません。



(追加)

以下は、かずさんが指摘された、今回の合意に関する、日本政府の意図の予想です。
私が思いついていないものも含め、上手くまとまっているので、転載します。

①支那や北朝鮮に対する日米韓の防衛網を構築する為
②拉致問題の解決を図る為
③韓国との関係改善を望む経済界を手懐ける為
④童話「北風と太陽」で言うところの太陽な融和策で慰安婦像などの諸問題の解決を図る為
⑤「歴史修正主義」というレッテル貼りを回避する為に、日韓関係の再構築、あるいは日韓関係の円満さを「演出」する事を念頭に置いて
⑥中韓の反日連携に楔を打ち込むため


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