K馬日記

映画や美術、小説などの作品鑑賞の感想を徒然なるままに綴っていきます。

ノスタルジア

2020年05月21日 | 映画
長いアラン・ロブ=グリエ紹介を終え、ようやく次の作品紹介に移れます。 今回は五月末までGYAOで無料配信中のアンドレイ・タルコフスキー監督『ノスタルジア』です。第36回カンヌ国際映画祭で創造大賞を受賞しています。 《Story》ロシアの詩人アンドレイは、通訳のエウジェニアを連れてモスクワからイタリア・トスカーナ地方の田園にやって来る。2人は18世紀のロシアの音楽家パヴェル・サスノフスキーの . . . Read more

囚われの美女

2020年05月18日 | 映画
最後に紹介するアラン・ロブ=グリエ監督の作品は、1983年に制作された『囚われの美女(原題:"LA BELLE CAPTIVE")』です。 《Story》場末のナイト・クラブ。なまめかしく踊るブロンドの美女を、男が見つめている。男の名はヴァルテル。地下組織で情報の運び屋をしている。シュルレアリスム画家ルネ・マグリットの多数の絵画をモチーフに、幻想と官能が交錯する不条理サスペンス。(「Film . . . Read more

快楽の漸進的横滑り

2020年05月17日 | 映画
そろそろ在宅映画にも飽き、東京での映画館解放が待ち遠しいこの頃です。 今回は1974年に制作された『快楽の漸進的横滑り(原題:Glissements progressifs du plaisir)』という作品。タイトルからして既にセンセーショナルです。 《Story》ルームメイト殺しの容疑で逮捕された美しい女アリス。心臓にハサミが突き刺さっている被害者の体には、書きかけの聖女の殉教の絵。一 . . . Read more

エデン、その後

2020年05月11日 | 映画
続いては1971年製作の監督初のカラー作品『エデン、その後(原題:"L'Eden et après")』です。 因みに英題は"Eden and After"で直訳ですね。 《Story》カフェ・エデンにたむろするパリの学生たち。倦怠と退廃、リビドーが充満するコミュニティに、 突如現れた男が話す、知らない遠い国の話…。豪奢に浪費される極彩色、儀式のようなSM遊戯。& . . . Read more

嘘をつく男

2020年05月09日 | 映画
続いては1968年製作の『嘘をつく男(原題"L'homme qui ment")』です。舞台は第二次世界大戦下のスロヴァキア。『不滅の女』のように異邦人である主人公の男が、嘘を駆使しながらある村に溶け込んでいきます。 森の中をスーツ姿で走る男の姿は完全に異邦人。まずはトレーラーでご覧ください。 《Story》ナチス傀儡政権下のスロバキア共和国。戦乱にあけくれる小さな村に、レジスタンスの英雄 . . . Read more

ヨーロッパ横断特急

2020年05月05日 | 映画
続いては1966年製作で、アラン・ロブ=グリエ監督の最高傑作との呼び声も高い、メタフィクションの金字塔『ヨーロッパ横断特急(原題"Trans-Europ-Express")』です。 こちらもYoutubeにトレーラーが上がっていたので、宜しければまずは雰囲気だけでもご覧ください。 《Story》パリからアントワープへと麻薬を運ぶ男の波乱万丈な道中を多重なメタで構築し、“ヨーロピ . . . Read more

不滅の女

2020年05月04日 | 映画
では、随時アラン・ロブ=グリエ監督の作品個別感想をアップしていきます。 年代順と言うことで、まずは初の映画監督作品『不滅の女(原題『L'imortelle』)』から。Youtubeにトレーラーが上がっていたのでまずは雰囲気だけでもご覧ください。 《Story》イスタンブールに休暇でやってきた男は、白い車を乗り回す謎の美女と出会う。“夢の国”トルコでのアバンチュールを . . . Read more

アラン・ロブ=グリエ特集

2020年05月03日 | 映画
みなさんこんにちは。ゴールデンウィーク中の自粛は順調ですか?意外とオンライン飲みが連日続き、飲酒量が増えた人も多いかもしれません。 私はというと、Amazon Primeでアラン・ロブ=グリエ監督の特集をやっておりましたので、解禁されている作品を全部観てみました。 アラン・ロブ=グリエ(Alain Robbe-Grillet, 1922年8月18日 - 2008年2月18日)は、フランスの . . . Read more