風薫海航空翔

カゼカオル・ウミワタル・ソラカケル Presented by 柊(syu)

不覚にも涙

2007-12-16 14:02:21 | 徒然なる日々
同じ職場のCuteなブロガーさんが「泣けたよ~」と記事に書いていた本をお借りした

          

お笑い芸人・麒麟の田村裕・著『ホームレス中学生』。
(ワタシの手作り表紙ではアリマセン、ホンマにこんな表紙で売られているんです。念のため)。
今年メチャメチャ売れた本らしい。そう言えば本屋で平積みされているのをよく見かけたなぁ~。笑い飯と並んでM-1常連の麒麟、結構好きなお笑い芸人さんである(どっちかというとバリトンボイスマニアのワタシは、川島派であるが)。

そして読破後、結論から書けば。



・・・・泣いた

不覚にもお笑い芸人の本で泣いてしまったのである。
仕事帰りの電車の中で読んでたら、もう少しで涙腺決壊寸前。下まぶたと眼球の間に暖かい水が限界水域に到達。あああ、マズイって!降りるのがあと1駅先だったら、確実に落涙してたんだって!!間違いないって!!(←なぜか越中詩郎口調)。
必死に我慢して帰宅後、自宅で心行くまで泣いたのは言うまでも無い


田村が中学生時代、父親が突然蒸発し家族が『解散状態』に。残された子供たちはそれぞれ野宿生活を強いられた。田村は公園で寝泊りし、飢えを凌ぐために雑草から果てはダンボールまで食べようとした・・・(だから表紙のダンボールにかじった後がついている訳ね~)。

そんな元ネタは以前からTVで知ってた。
M-1出場のときも「優勝賞金であのとき生活していた公園を買い取りたい」とか言ってたし。1DKとか2Kのように、間取りを「1P(=1Park)」とネタにしてたもんな~(笑)。

本書の前半で書かれていたのは壮絶なホームレス生活のエピソード。日本縦断をしている貧乏旅人の旅日記とかでよく見かける壮絶さにも似ているが、それは好きでやってるから全く違うレベルだ。よくぞここでグレなかったもんだ、と思うぐらい凄まじい生活が描かれている。そこにお笑い芸人らしいコミカルな視点が加わっているので、いわゆる「お涙頂戴モノ」で終わっていないところが救いどころ。

しかしワタシが泣いたのは、そんなホームレス生活のエピソードではない。
彼と彼の兄弟を救った周囲の人たちの暖かさ、そして田村自身の両親への前向きな気持ちに涙してしまったのである
豊かなこの時代に極貧生活へと転落した原因である父親に対して、「確かに家が無くなって苦労したが全くうらみはない。お父さんの父親としての役割は終わっていない。僕たちが親孝行をするために帰ってこなければならない」と言い切れるポジティブさ。いつか亡き母に再会したときのために、生きる意味を見失っていた時代から今を精一杯生きようと決意したこと。
そんな全てを受容した精神力に感動して、涙を流した

不幸を不幸と嘆くことは容易い。
それらをいかに受容し、原動力に変えていくかが『人間力』なのかもしれない。批判よりも受容を学ぶ必要のあるワタシにとって、すご~く勉強になる一冊だった…

そういえば最近某TV番組で、蒸発した父親と再会したとか?。良かったね~