東京サンフィッシュ

落語ときものとマンガとマンボウを愛するコピーライター(こやま淳子)のブログ。

夏だから。

2016年07月18日 10時33分20秒 | きもの日記
今年も浴衣を買ってしまいました。



真っ赤な朝顔の染められた綿麻の浴衣。

松屋のおばさんによると、ちょっと凝った染め方なんだそうです。

本当は、梅雨の時期だったのでセオα(洗えるきもの)を買いにいったんですが、

並べられた浴衣を見ていたら、ついふらふらと試着してしまいました。

あああ。いったい私は何枚浴衣を買えば気がすむんだろう。

毎年全部着られないくらい、すでにうちにあるというのに。

ま、いいか。夏だから。

そして、浴衣コーナーの隣の撫松庵へ。ここには、かわいいセオα(要するにポリエステルですね)の

浴衣や夏きものがたくさんあります。

普段お稽古に着ていける小紋が欲しかったのですが、

何枚か試着していくと、ものすごくすてきな柄行きのきものが。これはどう見ても訪問着です。



「背が高いから、大柄がよくお似合いですね」

とかなんとか言われるし、どうしてもこれが欲しくなってしまいました。

「うーん、でもやっぱり、これに名古屋帯はおかしいですよねえ。お稽古に袋帯でいくのもなあ」

と悩んでいたら、

「大丈夫ですよ。訪問着に名古屋帯でも。夏だから」

と、呉服屋のおばさんが言います。

「夏だから? 夏はいいんですか?」

そこではたと思い出しましたが、先日着付け教室での会話。

8月に歌舞伎にいくことになって、ふだんは歌舞伎だとちょっと華やかな訪問着とか付け下げとか、

もしくは色無地、江戸小紋あたりを選ぶんですが、そのために絽のきものをまた買うのかあ、と悩み、

「これ(小紋)でもいいかなあ」

とつぶやいたところ、マイ師匠が

「いいんじゃない。夏だから」

とおっしゃったのです。

どうやらきもの業界には、「夏だから(ゆるくても)いい」というルールがあるらしい。

日本人ってきっちりしているようでいて、実はそんな感じで

臨機応変に「いいかげん」になることで、過ごしにくい時期を過ごしてきたのでしょうか。


私は結局、セオαの訪問着を買いました。

ふだんはポリエステルのきものなんて、と言っているマイ師匠も、

「うん、ポリ持ってたほうがいいよね、夏だから」

と、おっしゃっいました。




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