東京サンフィッシュ

落語ときものとマンガとマンボウを愛するコピーライター(こやま淳子)のブログ。

SWAクリエイティブツアー

2010年09月27日 11時29分28秒 | 落語日記
土曜日、SWAクリエイティブツアー@赤坂レッドシアターに行ってきた。

SWA(創作話芸アソシエーション)の落語会は初めてだったけど、

一人一人は大好きな落語家さんたちである。


(オープニングトーク)

春風亭昇太「温かい食卓」

柳家喬太郎「故郷のフィルム」

林家彦いち「知ったかしげちゃん」

三遊亭白鳥「新婚協奏曲」

(エンディングトーク)


それぞれ「温故知新」から一文字とって、新作をつくり、

ネタ卸しするというのが今回のテーマ。

どれもおもしろかったけど、特に白鳥さんのネタはよかった。

落語通には評価の低いあの話し方も、かわいらしくておかしみを誘う。

喬太郎さんは、急に前日までと違う設定でやってみたくなったらしく、途中で

「なんだか今日の噺はとっちらかってるね」

「設定変えてやってみたら、わけわからなくなっちゃってね」

「いいんだよ、明日がんばれば」

なんていうくすぐりを自ら入れていた。

それぞれがそれぞれのネタを自分のネタに即興で入れ込む、

みたいなことも当然のようにやっていた。さすがSWAである。

考えてみると、新作を4本立て続けに聴くという機会もなかなかない。

しかも全部ネタ卸しだから、本当に初めて聞く噺ばかりなのである。

それを疲れさせないで聞かせるって、けっこうすごいことだと思う。

4人揃ってのトークでは、仲の良さが伝わってきて、またそれも楽しかった。

悪人。

2010年09月24日 12時54分31秒 | 映画日記
本当にいいものとか、感動するものに出会えるとき、

それはいつも、思いのほか、素直でストレートなものだったりする。

ああこんな普遍的なテーマが、まだあったのか。

と、膝を打つような(もしそれが自分の業界で行われていたら、地団駄踏んでくやしがるような)…

「悪人」は、そんな映画だった。

すべての犯罪者が、心の底までねじくれていて極悪な人間だとは限らない。

そしてその犯罪者を、愛してしまう人間がいないとは限らない。

そんなこと映画や文学の世界では、きっと新しくもなんともないテーマだと思うんだけど、

だからこそ、ここまで野太く普遍的な物語になれたのだろう。

もちろん出会い系サイトや悪徳商法といった、今的な要素も多分にあって、

地方で細々と働きながら暮らす主人公たちの閉塞感も、とてもリアルに描かれている。

柄本明と樹木希林が、それぞれ被害者の親と加害者の親を演じていて、

その静かな演技の凄みにとにかく圧倒される。

賞を取った深津絵里もよかったけど、妻夫木くんの演技もすばらしかった。

監督はフラガールの李相日、音楽は久石譲。

そのスタッフ陣のせいなのか、ものすごく暗くて哀しいストーリーなのに、せつない愛に満ちている。

それは「純愛」なんていうふわふわしたものではなくて、

人間のどうにもならない腑甲斐なさへの、深くて太い愛である。

はじめての文楽。

2010年09月21日 20時32分47秒 | マンボウ日記
昨日、生まれてはじめて文楽を観た。

国立劇場の夜席で、演目は以下の通り。

勢州阿漕浦
 阿漕浦の段
 平治住家の段

桂川連理柵
 石部宿屋の段
 六角堂の段
 帯屋の段
 道行朧の桂川

前半は、「あこぎな奴」の語源になった演目で、

密猟をした上司をかばって死罪になる部下の話(「サラリーマン物語」と、つれていってくれたSさんは言う)。


後半は、40近い既婚者の男が、はずみで寝てしまった14歳の娘と、

なんだかんだあって最後は心中に追い込まれてしまうという、ちょっと怖い不倫のお話。

見る前は、眠くなったらどうしようなどと心配していたが、

けっこうそういうドロドロで、笑いどころもあったりしたので、

最初から最後まで入り込んで見てしまった。

「文楽ってワイドショーみたいなもんだからさ」

とSさん。

伝統芸能とは言っても、もとは大衆芸能だったわけで、

やっぱり人間の興味って、古今東西変わらず下世話なものなのね。

1つの人形に何人も黒子(人形使い)の方がついていて、

よくあれで合うなーなどと思って見ていたけれど、

不思議なことに、だんだん人形しか見えなくなってくる。

人形と、大夫の声と、三味線の音が、ぴったりと合って、

舞台に命を吹き込んでいた。


ここが三条愛宕道、露の命の置き所

定まり事とあきらめて、一緒に死んでくださんせ


情念の音とことばをたっぷり浴びて劇場を出たら、

すっかり涼しくなった夜空に、満月には少し足りない月が浮かんでいた。

秋だなあ。

こんどは着物で来たいと思った。

コマフォト10月号

2010年09月16日 09時13分41秒 | 最近の仕事
COMMERCIAL PHOTO (コマーシャル・フォト) 2010年 10月号 [雑誌]

玄光社

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昨日発売したコマーシャルフォト10月号。

マイベストチョイスCMのページに、

ママズクラブシアターのシネアドを取り上げていただきました。

今回の選者は、CMディレクターの友次彰さん。ありがとうございました。

私のコメントも載っているので、機会があればご覧いただけるとうれしいです。

エル セルド

2010年09月04日 13時40分37秒 | おいしい店
忙しくなってきました。

毎日、夜中まで打ち合わせして、

そのあとチームの皆さんとご飯を食べに(つまり飲みに)行ったりしてるので、

さらに日々の疲れがたまっていきます。

ま、帰ればいいんだけど。

この前、得意先からの帰りに寄ったのは、銀座のスパニッシュグリル「エル セルド」。

昭和通り沿いの小さなお店で、ふだんは予約しないと入れないらしいですが。

イベリコ豚の専門店とのことですが、

タパス、パエリヤ、ワイン、出てくるものすべてが、おいしかったです。

そんなわけで、今日も明日も仕事です。

せめておいしいもの食べてないと、やってられませんw

夏の出会い。

2010年09月01日 12時03分14秒 | マンボウ日記
9月になってしまいました。

今年は、なんだかいろんな方にお会いできた夏でした。

湘南発WEBマガジン「BRISA」のパーティでいろんなアーティストの方にお会いしたり、

黒須美彦さんや谷山雅計さんの誕生会で、広告業界のひさしぶりの面々や、

初対面の方々にお会いしたり、

(TCC同期である中村聖子さんと、10年ぶりに再会できたのはうれしかったです)

友人に誘われていった飲み会で、

いままで会ったことのない異世界職業の方にお会いしたり。

もちろん、いつもの落語友達やきもの友達ともさんざん会っていましたが。

フリーになって、いままでにまして、こういう出会いが楽しいと思える今日この頃。

しかしこうして書いてみると、どんだけ遊んでるんだっていう感じもしますが…

仕事も忙しくなってきたので、ちょっと寝不足な日々であります。