人工知能と少子化対策:年末大掃除其の7

2017-01-04 12:38:54 | AI

元々は「使えない」という意味不明な題名であったが、嘘つきはD〇Aの始まりというか、おぼろげな記憶を元に書いた後、間違っていることがわかって書くのを止めたままお蔵入りしちったやつですわ。

ちなみに人工知能が発達すれば今人間がやっている多くの仕事は代行され、新たに創造される仕事はあったとしても、労働時間は今より短くなることは確実であろう。となると、古代ギリシアとはいかないまでも我々の余暇は増えるわけであって、それが家庭で過ごす時間の増加、ひいては出生率の増加につながる可能性はある。がしかし、当然のことながら生活設計も大きく変わっていくだろうから、産みたい人たちはそれなりの人数を産もうとするインセンティブを仕込んでおかないと、結局は金がないので作りません・作れませんとなったら単に暇人が増えるだけって話である(ついでに言えば、他者との交流を減殺していく人が増えて人工知能との交流で事足りるとなったら、たとえ余暇が増えてもやることはそれとの戯れや仮想現実への耽溺である。交流があるとしてもせいぜい、時折身体を動かすために箱庭的空間で体験労働みたいなのをやるだけだろう)。まあそもそも子供を作ったら後は人間より有能な人工知能が子育てを共同体レベルで一手に引き受け、すぐ親は自分たちの趣味に回帰するというプラトンの「国家」的状態も想定しうるだろう。ちなみに、人工知能が全人類の知性を超える地点のことをSingularityというが、カーツワイルによればそれは2045年のことである。あと30年弱といえばまだもう少し時間がありそうだが、「人工知能と経済の未来」を書いた井上智洋によれば、汎用型の人工知能が2030年には登場し、それが雇用大崩壊を生み出すとのこと。そうすると、今働いている45才未満の人(まあ私もその一人だが)は、現実的に影響を被ることを想定しておく必要があるだろう。想定しうる社会の大変化に対し、国家が、そして我々がどのような態度で臨むのかよくよく考えておくべき、ということだ。

 

 

 

【原文】

少子化が叫ばれて久しい中、時に「産めよ殖やせよ」という昔のキーワードが取りざたされることがある(ちなみにリンク先は意図的w)。しかし出生率の推移を見ればわかるように、その「スローガン」に反して出生率は基本的に減少を続けたのであり、むしろ出生率が上昇したのは二次大戦後の数年間であった。このことは、そもそも戦争に行く人間が増えれば子供が作りにくくなるだとか、あるいは戦争が終わって人が戻ってきたら子供が作れる機会が増えるといったごくごく当たり前な条件の変化を想起すれば十分だと思われるが、ともあれ「スローガン」では人口対策に効果がないとは言うことができるだろう(なお、戦争で生活が苦しくなれば子供を多く出産するのはためらわれるのではないかとか、とも想定できるが、戦前から出生率が下がり続けている以上その点は軽々に判断ができない)。ましてや、「道徳」や「本能」に依拠して昔語りをすることなど愚の骨頂である。

 

ではどういう視点で原因や対策を考えていけばいいのか?OECD諸国の中で見た場合、出生率上位(1.8以上)にはスウェーデンやフランス、中位(1.5前後)にはスイスやドイツ、下位(1.3前後)にはスペインやイタリア・・・といった具合に分類されるが、日本は下位国と同じ水準である。そして上位国と下位国を分かつ特徴は婚姻外出生率で、具体的には2010年段階でスウェーデンでは新生児の二人に一人(50%)、ドイツでは三人に一人(33%)が婚外子であるのに対し、日本は2008年段階でようやく2.8%に上昇した、というレベルでしかない(ちなみにイタリアは婚外子が少なかったが徐々に増えて2008年では17.7%まで増えてきている)。社会状況の似た先進国の政策・変化・現状は(前にも書いたことだが)大いに参考にすべきであって、日本社会のためにも、馬鹿げた婚外子差別などしている場合ではないのだ(いわゆる「保守」「愛国」的な連中が過去を振りかざして日本を破滅に導く政策を声高に主張しているのが私には不思議でしょうがないが、まあ「思い出語り」と「政策」の区別もつかないのであろう。ちなみに言っておくと、婚外子の少なさは日本の「伝統」のように思っている人がいるかもしれないが、それはある意味で幻想である。というのも、明治民法が制定される明治半ばまでは、「内妻」や「権妻」と呼ばれる重婚状況にある女性が少なくなく、当然その子供も多数いて、「妾腹」「私生児」などと呼ばれて差別の対象になってきたからだ。夫婦別姓問題もそうだが、「昔そうだった」と言うのなら、そうではない時代のことも踏まえつつ、なぜ自分の言うところの「昔」のやり方が今日的に合理性があるのか論理的に説明してほしいところだ)。

 

とはいえ、短期的な方策はいくつか思いつくとしても、そもそも原因は何なのか?といった疑問は残るし、それがわからなければ中長期的な対応策を考えるのは難しい。その際に一つ参考になるのが「少子化の原因がわかったので対策書く」という記事である。「対策」は書いているかしらん?と思うものの、数字の推移からは女性の社会進出=少子化などという想定はできないといったことが簡潔に説明されており、そもそもデータをどのように見ていけばいいのか?という点でも得るものがあるだろう。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 終わりがけの油断 | トップ | 以心伝心 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

AI」カテゴリの最新記事