フラグメント88:なぜ人を殺してはいけないのか

2010-04-14 18:23:26 | フラグメント
今回のフラグメントは「殻ノ少女」とそれ以外、という構成になっている。殻ノ少女もクロウカシスもまだコンプリートできておらず(というよりプレイする時間がなく)そのままになっているが、いずれ時間を見つけてまとまった記事を書きたいと思っている。その他は、<摩耗する人>が「なぜ人を殺してはいけないのか?」という問いを扱っていたり、<田中氏1500円貸し>では「同調圧力を強制しようとするものの大抵は、自らが傲慢な侵略者かもしれないとは考えない」つまり「そもそも悪意をもってそうしているのでないだけにタチが悪い」という話をしている(後者は「沙耶の唄」の記事で触れる予定)。これらは根源的な問題であるため、今しばらくはまとまった形で記事にする余裕はなさそうだ。


ただ可能な範囲で述べておくと、だいぶ前「なぜ人を殺してはいけないのか?」という問いに対して私は「それを認めると社会が崩壊するからだ」と解答したことがあるが(「常識・倫理のアンチテーゼ」)、よく考えればわかる通り、これは問題のすり替えである。というのも、私が言っているのはあくまで「なぜ殺人が禁じられるのか・罰せられるのか」という禁じられる必然性・必要性についてであって、人を殺してはいけない理由そのものではないからだ。この論理で相手を説得することは社会というインフラを支える決めごと(社会契約)には従うべきだと言っているのに等しいが、当然ながら、そのような基準に従うことは決して自明(真理)ではない。そのため「そうまでして守る価値が社会にあるんかいな」と容易に反論が可能であるし、また「なぜ人を殺してはいけないのか?」という問題を相手が真剣に考えていればいるほど、それが単なるはぐらかしにしか感じられないとも予想される。


自分自身が「滅びの希求」を持っていた経験からもそうだし(最終的にはそこから共生のロジックも出てくるわけだが)、また例えば映画の「接吻」で表現される殺人の動機づけや社会に対するポジショニングを見ても、「なぜ人を殺してはいけないのか?」という問いに対して「それを認めると社会が崩壊するからだ」と答えたとしても、ほとんど効果はないだろう。さてそうなると、説得は諦めて厳罰化による抑止という話になりそうだが、例えば死刑の存在が殺人の減少に繋がらないのだとすれば、被害者はともかくとしても、第三者にとっては単なるカタルシスの問題にしかならない。別の言い方をすると、凶悪犯罪に対して怒りを覚え、それこそ「市中引き回しの上~」というような公開処刑を望む感性はわからないではないが、それがもし次なる犯罪の抑止にならないとしたら、それはどれほどの意味を持つのか…ということは考えてみる価値があるだろう。


なお、「接吻」という映画についても、小池栄子の演技力だとか、社会に対する憎悪(自分が割を食っている感覚?)を具体的な人間への凶行に結び付けても何の解決にもならない、等など書きたいことがあるが、ここでは置いておく。



<殻中間>  「殻ノ少女:プレイ雑記
一応7.8割終了。ネタばれなしで中間報告いきます。DVDPGなのが悪影響。斬読スキップなしだから攻略面倒。テキストを読むより見る感じ。おかげで誤字発見率高(何かの参考になるかもしれんから言っとくと、たいてい誤字には気付かない)。推理もあまり身が入らず。ただ、六年前の話があったのでそこはきちんと加味して推理した。てゆうか真相これなん?だったら怒るよ。まあカルタグラの反省か背景がわかるルートと救われるルートわけたり、また「手紙」がイマヒトツ有効活用されなかったので、おそらく違うルートがあるんだろーと期待。じゃなきゃ単なる消化不良だべ。


<花貫渓谷>
日下と対決し和菜が無事なエンドと日下自殺し和菜脚と子を失う…テーマ的にはこっちが近い?→心蔵たちの告白と冬子死。冬子生だが真相分からず。全てを一つで解決しようとしない→カルタグラの反省?黒い殻を受け継いだ少年…ネバーエンド。ハンニバルのラストを連想。カルタグラ…女性の妄執、殻…男性の妄執。どちらも本命ではない。六年前の事件との連動性がないから。二人をつなぐもの…しかしあの名前でなw


<摩耗する人>  「祭りの横で」、「亜空間喫茶にて
そもそも社会って何で成立するのか、成立させる必要があるのか?根源に立ち返る。あれはなぜダメかではなく、なぜ禁じられにすぎない。ヤツ、ゴチパン、二番目は所属願望…ほんまに?それって現象学的な話じゃないかい?精神分析の問題点。戦争のない社会の話…文献。とにかく所属させてくれ!とネタに走る。アメリカは慣習法…過去の偉い判事の判決が参照、古い判例。地域性がやたら強い。沿岸地域と内陸…文化や人の流入。イギリスには憲法がない。フランスは主意主義でドイツは形式主義。相手のニーズを予測したアピール書→上野千鶴子のサヨナラ、学校化社会を思い出した。


<田中氏1500円貸し>   「『調和』と『地雷』
勤怠、割り振り、資料準備。同調圧力を強制しようとするものの大抵は、自らが傲慢な侵略者かもしれないとは考えない。


<流れ>
DVD記入→DVD焼き→洗濯→売るもの選別→借り。→沙耶→エロゲー→えろ素→ムーたち→沙耶→見えないパンチのり夫事件→褐色→鈍感な主人公増補(積極的な奴は鬼畜かギャグ…同級生的主人公の淘汰)→分析屋~まいど~19円です。やし~…至極のビブリオ~序章~(…章、完結篇)→京都
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