雨をかわす踊り

雨をかわして踊るなんて無理。でも言葉でなら描けます。矛盾や衝突を解消するイメージ・・・そんな「発見」がテーマです。

靖国 2

2005-10-20 00:11:25 | 歴史
首相靖国参拝、賛否は二分 中韓との関係「心配」65% (朝日新聞) - goo ニュース

こういうのをみていると、秦郁彦さんが引用していたボルテールの言葉を思い出す。

「人々が長いこと論争している場合には、大抵彼らの論じ合っている事柄が、彼ら自身わからなくなっている証拠である」

秦さんによると、世間を賑わしている上記戦争群に関するネックになる論題(例えば戦争責任や東京裁判の正当性)は、学者の間でも甲論乙駁ある。もともと日中戦争と太平洋戦争などを総称する戦争と、日本人にとっての宗教観についての輪郭がおぼろのままだから、国民感情の問題にまで引き下げられると始末が悪い。純粋な愛国心、敵愾心、猜疑心を刺激し、それぞれの文化圏の常識と結びついて、事態が紛糾してしまった。これが、日本の反体制派や左翼、中国や在米中国人の運動を始めた人々のねらいだったのだろうか。

外交史をみるとわざわざもめそうな問題を残しておくということは戦術上よく使われる。したがってそれはそれで対処しなければならない。一方で上記戦争群に関する知識にしても、外向きはともかく我々は我々のために過去をそれなりに整理する必要もある。対外的な歴史認識ではなく、むしろ本当の意味での「歴史」(註:ラテン語では「知ろうとすること」が原義)を真摯に遂行することに意味があるのではないだろうか。

そうすると秦郁彦さんが必要になって、留学前に読んだ(対決を見越して)。秦さんは、『昭和史の論点』かなにかであの東京裁判はあの戦争での日本の責任を結果として当時の戦争指導者に帰させたことには日本が次のステップに進むのには意義があるとするような大きな視点に定評があると思うのだが、ひとつ秦さんがいったことに疑問がある。

太平洋開戦時、アメリカは日本の暗号を解読していたという。しかし戦争が開始してから二年後に解読に成功したのであって、真珠湾には間に合っていなかったというのが秦さんの調査結果。しかし以前ここでも紹介したアメリカのジャーナリストによれば明らかに日本の真珠湾攻撃はわかっていた。どちらが正しいんだろう?そしてもうひとつの疑問。靖国参拝で韓国のひとが怒るのはなぜ?靖国に、韓国人も日本のために戦ったとして祭られているから?

知ってる方、よろしくお願いします。

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2 Comments

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Unknown (siva)
2005-10-21 12:52:09
秦さんが『昭和史の論点』でそれをいったとき、保坂さんはじめ対談者がひいた気がした。東京裁判を肯定的に受け取るひとなんてなかなかいないもんね。
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Unknown (stone)
2005-10-25 19:35:46
確かに。というか、僕もひいた。そんなこと思いもしなかったそれまで。
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