Nさんという70歳代の男性を担当させていただいていました。
保護受給中にわたしの地区に引っ越してきたのが今年の夏でした。
小柄で、ヨボヨボですが、声は力強く大きな方でした。
Nさんは悪い意味で有名な人でした。
生活費が足りなくなると毎日のように役所や介護事業所に電話をしていました。
他にも、ヘルパーが気に入らないとか、借家の家主があいさつに来ないのはおかしいなどとも。
同じことを毎日のように、窓口や電話で声を荒げて言っていました。
そんなNさんの愛する内縁の奥さんは、グループホームで生活しています。
施設の職員の方に聞くと、月に何度もお見舞いに行っていたらしいです。
わたしが夏に一度だけ同席させてもらった時に、
Nさんは奥さんの手を握り、優しく声をかけてあげていました。
奥さんには若干認知症がありました。
Nさんは、奥さんと離れて生活することになったため、わたしの地区に引っ越してきました。
一人暮らしになって寂しくなったことが、
大声をあげたり、電話をかけてくる原因なんだと、
後にケアマネさんらから教えていただきました。
数年前に発見されたんNさんの肺がんが悪化したのは12月でした。
在宅酸素をしなければならなくなりましたが、
それでも5キロほど離れている役所に、自転車で来ていました。
年末に救急搬送され入院してからは、一気に容態が悪化。
年明けに会いに行った時は、喋ることすら困難な状態になっていました。
先々週、「いつ亡くなってもおかしくない状態です」と病院から連絡を受け、
その翌日、別の用事で病院に行ったついでに会いに行くと、
喋れはしないものの、ベッドの柵を指で弾いてカンカンと鳴らしていました。
まだ、意識はしっかりしており、がんとはいえ、元気な様子に見えてしまいました。
その翌日、Nさんは亡くなりました。
窓口で大声を上げて、銀行でも大声を上げて、外でも大声を上げて、
あることないことを周囲に聞かれ、恥ずかしくてたまらなかったことも、
忙しくていっぱいいっぱいの時に、わざわざ電話をしてきて長々と文句を言われたりしたことも、
金が足りないのはお前らのせいじゃ!!と
杖を突きつけられ、あわや殴られそうになったことも、
最近背中が痛いのよ・・・おかゆさんしか食べれんなったのよ・・・と
弱々しそうに電話してきたことも、
入院中に施設の人が奥さんを連れてきた時に同席した時、
「退院したら連れて帰ってね」と痩せた腕を握りながら呼びかける奥さんに対し、
Nさんが頷いて返したことも、
全てが忘れられない思い出になってしまいました。
散々手を焼かされたはずなのに、
身内が死んだ時のように胸が痛くなってしまうなんて・・・
Nさんに関わった人が、みんな寂しそうにしていました。
これもきっと、Nさんの人徳なんでしょうね。
手の届かない、遥か遠くで光る小さな星を見て、
1人の男性の生涯に想いを馳せました。
保護受給中にわたしの地区に引っ越してきたのが今年の夏でした。
小柄で、ヨボヨボですが、声は力強く大きな方でした。
Nさんは悪い意味で有名な人でした。
生活費が足りなくなると毎日のように役所や介護事業所に電話をしていました。
他にも、ヘルパーが気に入らないとか、借家の家主があいさつに来ないのはおかしいなどとも。
同じことを毎日のように、窓口や電話で声を荒げて言っていました。
そんなNさんの愛する内縁の奥さんは、グループホームで生活しています。
施設の職員の方に聞くと、月に何度もお見舞いに行っていたらしいです。
わたしが夏に一度だけ同席させてもらった時に、
Nさんは奥さんの手を握り、優しく声をかけてあげていました。
奥さんには若干認知症がありました。
Nさんは、奥さんと離れて生活することになったため、わたしの地区に引っ越してきました。
一人暮らしになって寂しくなったことが、
大声をあげたり、電話をかけてくる原因なんだと、
後にケアマネさんらから教えていただきました。
数年前に発見されたんNさんの肺がんが悪化したのは12月でした。
在宅酸素をしなければならなくなりましたが、
それでも5キロほど離れている役所に、自転車で来ていました。
年末に救急搬送され入院してからは、一気に容態が悪化。
年明けに会いに行った時は、喋ることすら困難な状態になっていました。
先々週、「いつ亡くなってもおかしくない状態です」と病院から連絡を受け、
その翌日、別の用事で病院に行ったついでに会いに行くと、
喋れはしないものの、ベッドの柵を指で弾いてカンカンと鳴らしていました。
まだ、意識はしっかりしており、がんとはいえ、元気な様子に見えてしまいました。
その翌日、Nさんは亡くなりました。
窓口で大声を上げて、銀行でも大声を上げて、外でも大声を上げて、
あることないことを周囲に聞かれ、恥ずかしくてたまらなかったことも、
忙しくていっぱいいっぱいの時に、わざわざ電話をしてきて長々と文句を言われたりしたことも、
金が足りないのはお前らのせいじゃ!!と
杖を突きつけられ、あわや殴られそうになったことも、
最近背中が痛いのよ・・・おかゆさんしか食べれんなったのよ・・・と
弱々しそうに電話してきたことも、
入院中に施設の人が奥さんを連れてきた時に同席した時、
「退院したら連れて帰ってね」と痩せた腕を握りながら呼びかける奥さんに対し、
Nさんが頷いて返したことも、
全てが忘れられない思い出になってしまいました。
散々手を焼かされたはずなのに、
身内が死んだ時のように胸が痛くなってしまうなんて・・・
Nさんに関わった人が、みんな寂しそうにしていました。
これもきっと、Nさんの人徳なんでしょうね。
手の届かない、遥か遠くで光る小さな星を見て、
1人の男性の生涯に想いを馳せました。