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バイオ・微生物実験好きな管理人による、研究仕事、日常、実験技術や理科系ネタのブログ

マトリックスにはもう1作がある? アルティメット・コレクション その後1

2004-12-25 20:30:55 | 日記

初めてTrackBackを頂いてかなり嬉しかったので(Thx~)、その後を報告。

さて、私はこの商品を12,429円で購入。(http://murauchi.com/)
発売は17日でしたが、15日に注文、18日に到着しました。

それからというもの、毎日毎日見ていますが。(クリスマスっていつだったっけ?サミスィー)
まだ見終わりません!
と言うくらい、かなり濃いー内容になっております。
リビジデッド版(裏話)は、CG処理や、ワイヤーアクション、キャストの話しなど、これを見てこそ面白さ倍増、という内容。1(サブタイトル無し)、2(リローデッド)、3(レボリューション)どれを見ても面白いです。
特に2からは、
投資額の大きさ増えた→やれることの自由度も増えた→やることが徹底的
という背景が垣間見えます。
改めてこの映画に関わる人々の意気込みを確認できます。

さて、前回のブログ時には知らなかった内容が収録されていました。
本編それぞれに、
①哲学者による音声解説
②映画批評家による音声解説
のバージョンが収録されているのです。
つまり、全てを見ようとすると、1編につき3回、連作すべてみようとすると総合9回見なければならないのです。
んがー、こりゃーすごい。
監督兄弟は自ら映画解説を語ることを嫌っています。観客に「考えること」をして欲しいからです。
①による擁護的解説と②による批判的解説をどちらも見て、自分の解釈をして欲しいと。

実際見た感想としては、
①によって映画の流れが本当に良くわかります。映画に秘められた哲学的神話的思想の謎解き。
3の最後で哲学者さんは、「この解説は監督の意見と相違しない」と言っています。
①の考えが監督の考えと思ってよさそうです。
②は、純粋に映画を画像の流れとしてみたときの批評になるので、流れをわかってなかったりしてイライラしますが、さすが映画批評家。色彩やCGへの評価は絶品です。

①も②も邪魔な部分がある反面、どちらにも同意できる部分があるという感想でした。私としては。


ただ…気になることが一つあるんです。
監督兄弟はMatrixを3部作と考えているようです。
それはもちろん、サブタイトル無し、リローデッド、レボリューションでしょ?
そう考えるのが普通ですよね。
実は、リビジデッドの中で、

「リローデッドとレボリューションは2作目の前半と後半」

という発言が!(たぶん)
さらりと言われているので、自信を持っていえませんが、実はもう一作残されている?
…是非作ってください。(でも、ネオ死んじゃってキアヌはナシかなー)

私と同じような疑問をもたれた方はどこかにいるでしょうか…。<もう一作


クローン猫が大売出し

2004-12-24 19:23:28 | サイエンストピック

愛猫のクローンの値段は?
(Hot Wired/2004.12.23)

クローン動物の育種技術は着々と進んでいますが、こういう市場を作り出してしまうとは…。
もちろん、クローン元となるペットを生き返らせたい飼い主が頼んで育成してもらうものですが。
価格は5万ドル。
一方、クローン牛は2万ドル…。

そういえば、テロメアの問題はどうなったのでしょう。
テロメアは、簡単に言うとDNAの中でその細胞の分裂回数を決める領域のこと。
チケットのようなもので、分裂するごとに短くなっていくものです。
短ければ細胞は短命だし、長ければ長命。
クローン動物の作出技術で、はじめの頃問題となったのは短命であるということ。テロメアが短いのです。
もともとの細胞のDNAのテロメアが短いためだと考えられていたと思います。
現在のクローン作成技術では、生まれたばかりな細胞を使うのでしょうか。
植物・微生物系に偏っているspirillumはこの方面に疎い&無知です。
どなたか詳しい方はいませんでしょうか…。



石油を食べる細菌

2004-12-21 10:26:38 | バイオレメディエーション

石油を食べる細菌を利用して、海に流れた石油を浄化する技術が紹介されていました。
油流出事故汚染をバクテリアで浄化
(Hot Wired-2004.12.14)

細菌などの生物を利用して環境を浄化することを「バイオレメディエーション」と言いますが、5~6年前にブームして、その後は研究を続けられるところは続けているという技術です。
ちなみに、植物で環境を浄化する技術は「ファイトレメディエーション」です。
それにしても石油があれば増える細菌、全く凄いことをやってくれるものですね。

記事では、微生物が他の場所に移行する危惧を回避するための研究や、最適条件を模索する研究が行われていることが書かれているし、微生物が大量に増えた場合に海洋系の環境が逆に悪化してしまう危惧があることなどが書かれています。
この技術で問題になる点は、海洋という開放的な自然界に細菌をまく、という点です。
実際にシミュレーションをパソコン上で行った結果は、昔に比べたら格段にレベルが上がっているのでしょうが、人間の手がかかった生物を人間の手で意図的に増やしたり添加したりするのは、予想し得ない問題を生む可能性が大きいです。
私の前の職場では環境ホルモンだけあれば増える細菌がいましたが、培養を何代も重ねるとともに更にバージョンアップしていったので、細菌の進化の早さにかなり恐怖を感じました。そんな変異が自然界でおきてしまったらどうするのかと不安になります。

12月10日に紹介した「細菌が燃料を作り出す」という技術については、それを行う場所を閉鎖系にしてしまえば問題のない技術です。こういう技術研究は安心して応援できますが、今回の記事については、ぜひとも慎重に進めて欲しいものだなと思います。

かつての遺伝子組み替え技術のような、半開放系で遺伝子組み替え作物を栽培したら周囲にも変異が現れたというような先走り試験は避けて欲しいものです…。


マトリックス・アルティメット DVD BOX

2004-12-19 10:58:24 | 日記
いやいや、実は管理人は映画Matrixシリーズのファンだったりします。
マトリックス・アルティメット・コレクション(Amazonの紹介ページ)
12月17日、待ちに待ったDVDのBOXが発売されました。
今までのどのシリーズも購入せずに我慢してきたかいがありました。
あまりに発売されないので、BOXは企画されないのかと凹んだりもしましたが。
いやー良かった良かった。
早速購入です。
こんなときにはノートパソコン購入の為に取っておく資金のことは度忘れです。それで万事OKです。

Matrixシリーズは、3部作全て見てもストーリーが繋がらなかったりするのですが、
アニマトリックス(WalkerPlusの特設サイト)のなかのアニメの短編(「ファイナル・ファイト・オブ・オシリス」「キッズ・ストーリー」)
や、
エンター・ザ・マトリックス(公式サイト)というゲームのストーリーを組み合わせて初めてストーリーが繋がるという、
グローバルというかなんというか貧乏泣かせなものだったりします。

DVDのBoxにはさすがにゲームは入っていませんが、ゲームに使われたムービーは入っているので、ある程度ストーリーもわかります。
Matrix面白いけど難しい、と感じている方はこれらを見ることオススメします。

DVD Boxにはいわゆる裏話が入っていて、(「リビジデッド」)それを見ると面白さ倍増ですし、スミス役のヒューゴ氏のひょうきんなところが見れたり、ネオ役のキアヌ氏が髪にネグセつけたまま無邪気に笑っていたりします。
管理人は萌え萌えです。
普段は全然そんなこと思わないのですが、私はミーハーだったのかとこういうときにはいつも確認してしまって軽く凹んだりします。
でもまたしばらく忘れて、久しぶりに映画見たときにまた確認しちゃうんだよなー。
ということでこの一週間はミーハー週間になりそうです。

理系ネタじゃなくてすみません。


…Matrixオタクですみません…。



大学時代って貴重です。

2004-12-15 22:26:33 | 日記

今日の昼食時。

私:「昔××に住んでたんですよー、大学がそこにあって。」
先輩:「……うちの大学の分校……そこにあるんだけど……(;・∀・)」
私:「!Σ(゜Д゜)」
先輩:「●●大学……」
私:「!!!!!!!!!Σ(゜Д゜)」

もうずっとお世話になったりお話しもしたりしているのに、今日はじめて判明した事実。
今の職場では本当に良くお世話になっている方。
縁というのは不思議ですね。
こういう縁は大切にしたいものです。

もちろん昼食後は大学話で盛り上がりました。
あーーーーーーーーーーーー学生に戻りたい!入りなおしたりしたーーーい!!
と無理な夢を抱いたりしちゃいました。
たまにはこんな夢想もいいもんです。
最低賃金のバイトとか、貧乏暮らしとか、サボった授業とか、いびきかいて寝てた学部長の授業とか(当然成績は悪かった)、あー懐かしい。

大学生の皆さん、自由で時間もあって好きなことに打ち込めて、勉強とか研究とか遊びとかそういうことが思う存分出来るのは大学時代がMaxです。思う存分に、何でもいいのでやりたいことやっておくほうが後悔しなくてすみます。
年寄りの意見ですみません。

Googleで文献検索

2004-12-13 23:10:12 | 仕事近況

いつも仕事では細菌の培養ばかりやっている私ですが、
今度は植物培養を始めるような流れになってまいりました。
植物の培養は学生時代に研究室でやって以来なので、うまく出来るかどうか。
久しぶりに植物培養の実験書や卒論を引っ張り出して見ています。

卒論を見ていたら何だか懐かしくなって最近の関連文献なんか探しちゃったりしましたよ。
11月からGoogleで文献検索が出来るようになっています。

http://scholar.google.com/

通常Googleで「キャッシュ」「関連のページ」とか出る部分に文献データベースサービスへのリンクが貼ってあり、とても便利です。
今まで色々な場所で検索していたものが一つの場所でできるというのは便利。
でも、報文の中にキーワードがあったりして、更に途中で途切れている場合、もっと続きを読みたいなーと思ってリンクをたどると、「料金払え」と言われるのには Σ(゜Д゜;)です。
もう少し気軽に読ませてくれよーもう公表された報文なんだからさーと思うのは私だけですか、そうですか。


雑菌対策は鍋?電子レンジ?

2004-12-12 19:26:45 | 身近な衛生

前の日に作って冷蔵庫に置いておいたシチュー、鍋で温めるのと電子レンジで温めるのと、どちらが雑菌を殺すことが出来るのでしょう?

答えは、どちらも同じ

実は、雑菌を殺すことができる条件として、
75℃、1分間
という定説があります。
鍋で加熱しようが電子レンジで温めようが、要するに全体が75℃で1分間温めることが出来たら、大半の菌は死にますよ、ということです。

ここで注意する点は、75℃以上にしないと雑菌が死滅しないのではなく、75℃以上で大体の菌は死んでくれるという点。60℃で死んでしまう菌もいますし。
それから、この条件を満たしたからといって、全部が死んでしまうのではないということ。
前からこのブログで言っている、胞子(芽胞)を作る細菌は、胞子の状態で75℃でも生き残ることが出来ます。
もう一点重要なのは、全体がこの条件になる必要があること。
シチューやカレーなど粘性が強くて対流が起きにくい液体は、全体を均一に混ぜる必要があります。
シチューなどは電子レンジで加熱したら、適当なところで一度混ぜて、また電子レンジで加熱したほうが雑菌対策になります。


これは相対的な菌の数が減るという話しです。
強力な毒素を出すような菌がいて、それが活発に活動したあとだと、食品全体に毒素が回っています。
こういう毒素は大抵熱に強いので、加熱しても毒性が残っています。
臭いや味がおかしかったら食べるのはやめましょう。

今は冬で全体的に菌の数が減っていますから、頭の片隅に残しておくくらいで大丈夫です。


細菌で車を走らせる研究が。

2004-12-10 20:50:19 | バイオレメディエーション


細菌で車を走らせる燃料を作るという研究があるらしいです。

微生物に燃料を作らせる――研究進むエネルギーのバイオ生産
(Hot Wired Japan/2004.10.4)

細菌が糖などの分解物を分解したときに出る水素を燃料にしてしまう研究。
分解できるものなら何でも利用できるらしいので、燃料がなくなったときには牛乳なんかを細菌君たちにプレゼントすればいいわけですね。きっと喜んで水素出してくれます。
すごくクリーン&エコロジー。

もう一つは、それよりも更に前になってしまうけど、
細菌が分解するときに作り出す電子を利用して、燃料電気にしてしまう研究。

発電と汚水浄化を同時に行なうバイオ燃料電池
(Hot Wired Japan/2004.10.4)

ここでは汚水を利用して、発電とともに汚水も浄化する方法が研究されてます。
データ的には実用化にはまだまだかかりそうな感じだけど、
汚水処理場が発電施設になる日がくるかもしれません。
そしたら原子力発電所なんて危なっかしいものも必要なくなりますね。


この研究の流れは、とてもいいと思うのです。
この世の中に途方も無いほどの数がある細菌。
それを何とか利用して役立てる。
今まで発見されていない菌の中にはすごい能力を持った菌が潜んでいるかも。
それか、すごい能力の菌に進化するかも。
単純だからこそ変異をしやすいというのはウィルスが典型ですけど、
細菌には良い面でも悪い面でも、可能性をたくさん秘めたものなんです。

こわーい。(笑)

顕微鏡で写真をとるには

2004-12-08 23:44:19 | 菌を顕微鏡で見る

仕事柄、顕微鏡で写真をとることが結構あるんです。
本来は顕微鏡にカメラを固定し、ピントを合わせるためのレンズをかませて設置します。
そうしないと綺麗に焦点の合った写真というのは取れないわけです。

ところで、うちの仕事場では、そんなに綺麗な写真はいらないが、取引先に説明するときに写真が欲しい程度で顕微鏡の写真をとりたがっていました。
ある時ふと思いました。

目で見える→レンズにカメラ近づける→写真撮れる(単純)

顕微鏡の接眼レンズにデジカメを近づけ、目で見るように取れないかなーなんて近づけたり遠ざけたり。
レンズの丸い視野よりも黒い影が中まで入り込まないような距離まで遠ざけるといい感じ。
デジカメのプレビューの解像度が低いのでピントが合ってるか定かではないし、自動のピントあわせもどうやら効かない模様。
まーいいや、と思いながらシャッターを切って、パソコンで見てみたら、……撮れてる。
なーんだ簡単じゃん。
その方法で顕微鏡カメラセット(最低20万円ほどする)を購入せずにすんでいます。
ちなみに、11/26のブログの菌の顕微鏡写真はそうやって撮ったものです。

ところが、この方法は案外思いつく人が少ないようです。
職場の上司にも驚かれ、出入りの業者の方にも驚かれ、更にはその業者さんのお客さんまでがこの方法を詳しく知りたいと言ってきました。

…私以外には、単純馬鹿がいないってことね…、と己の無邪気さというか頭の足りなさというか凹みます。