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珠江の風にあたって、時間を潰していると、何やら空からポツリポツリと雨が降り出してきました。仕方がないのでボートの待合室とおぼしき場所に向かいます。
船乗り場に近付くと、丁度一台の船が出港の準備を始めていました。
チケット売り場の窓口で今出る船に乗れるかと聞くと(当然、運行表などを指差して、身振り、手振りで)OKとの返事。
38元を払ってチケットをもらい、桟橋を走って船に乗り込みます。
雨が降ってきたので屋根付きのテーブル席に座りました。
急いだので、自分の船を写すことは出来ませんでしたが、クルージングの途中でほぼ同様の船とすれ違ったので写真に収めました。
隅田川遊覧船とほぼ同様の規模とスタイルです。
珠江左岸に街灯りが煌き、橋がライトアップされています。
窓ガラスに船内照明が写し込まれ、写真は実際の印象ほど綺麗に見えませんが、雨降る夜の広州は情感たっぷりです。
ところが、窓辺の四人掛けテーブルに一人で座って景色を楽しんでいると、通路を挟んだ隣の席で10代後半と思える3人の女の子達が私のテーブルに視線を向けながら、きっと多分、
「ねえ、あそこに変な小父さんが座ってるけど、席が三つ空いてるんじゃない」
「ここだと景色が見えないけど、あそこなら外が良く見えるわよ」
「ねえねえ、あそこに座れっていいか、あの小父さんに聞いてみてよ」
「いやよ、普通の人と、なんだか感じが違うもの」
との話が聞こえてきました。
いや、いや、中国語なので言葉は分かりませんが、内容はほぼ間違いありません。
私は横の席のザックを床に下し、三脚も床に寝かせ、リーダ格らしい女の子に向かって手招きした後、掌を上に向け、空いている席へスライドさせました。
三人は互いに顔を見合わせた後、すぐに笑顔を見せて私のテーブルに移動してきました。
私は暫く、外の景色を眺めていましたが、彼女達の会話が途切れた頃、ガイドブックに中国語と日本語で「私は日本人です」と併記してある場所を指差して渡すと。
「えー! そうなんだ」「ねえ、この小父さん、日本人なんだって」
後は、彼女達が「おはようございます、ありがとうごさいます」と知ってる限りの日本語を並べ、クラスの男子にも声をかけて。あっという間に、私の周囲はこのような状況に。
静かな夜を楽しむ予定でしたが「これもまた楽し」です。
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