以前のページで、イギリスの道路事情を簡単に説明しましたが、ドーヴァーからA20を西へ走り、しばらくして、三桁の番号が付されたA259に入りました。
この道路は制限時速が、A20の60マイル(96キロ)から50~30マイルに規制され、道幅は片側一車線です。
周囲の風景も長閑な雰囲気に満ちて、交通量は減少し、ストレスが少ない、鼻歌混じりのドライブを続けました。
ライを出てから、A259を30分程も西へ走り、ヘイスティングズ(Hastings)という町に着きました。
この町は1066年のヘイスティングズの戦いで、フランスのノルマンディー公ウイリアムがアングロサクソン軍を破り、イングランドを制服し、英国王ウイリアムⅠ世として即位した地です。
現在はウイリアムが建てたヘイスティングズ城の廃墟が町の背後の小高い丘に残ります。
街を見下ろす丘に登ると、芝山の頂に、白いリゾートホテルが建っていました。
眼下のリゾートタウンが砂浜に広がり、町を見下ろす斜面には、本格的なシーズンを前にしたカフェが旗をなびかせていました。
私はこの丘で、海風を胸いっぱいに満たしました。
人類の歴史は、地球上の至る所で、血に染まる物語に溢れます。
千年や二千年の歳月で、人間の本質が変わる筈はないだろうと思います。
私は千年の時を忘れ、静かに寛ぐヘイスティングズの丘を下ってA259に戻り、一人旅の先を急ぐことにしました。
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