デオラリのピークを過ぎ、道は沢の中へと下って行きます。
シャクナゲの巨木が、到る所で周囲に根を巡らせていました。
見上げるアンナプルナ・サウスに雲が掛かり始めました。
足元の水溜りに薄氷が張っています。
マチャプチャレが歩を進めるごとに、大きさを増してきました。
沢へ下るにつれて積雪量が増えてきます。
昨日歩いたダラウンティ・コーラの谷筋と違い、森が深く、民家も殆ど見当たりません。
11時少し前、ゴレパニを出発してから2時間程でデオラリのGHを通過しました。
雪の積もる道が続き、傾斜のきつい場所ではトレッカーが渋滞を起こしていました。
大阪市大の学生達に「スキーの要領で足を運ぶと転ばないよ」と説明すると、「スキーをしたことがありません」の返事が返ってきました。
雪道を歩いたことがない人は、かなり苦労していたようです。
暫く進むと、トレッキングルートから雪が消えました。
尾根を一本隔てただけなのに、昨日のルートと違って、周囲に段々畑が見えません。
道には敷石も施されていませんでした。
そのような素朴な山道に、野の花が可憐に咲き揃います。
左:プリムラ・エッジワースィ 右:プリムラ sp
山道脇の笹薮に、雨期には水路となるであろう場所で、サクラソウが群落を作っていました。
尾根と沢が複雑に入り組んだ地形は、夫々の場所毎に環境が変化し、多彩な植物を育むようです。
日本の東北地方に見られる藪山のような谷に清らかな水が流れ、木漏れ日に導かれた山道が穏やかに続いていました。
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