2013年10月31日 滋賀県米原市の杉林の中を、花の百名山 霊仙山登山口を目指し車を走らせていました。
新東名高速道路の浜松PAで夜を過ごし、朝7時過ぎに出発してから約2時間、朝の9時を少々回ったところです。
昨晩は車の中で熟睡し過ぎたため、予定よりも遅い出発となってしまいました。
榑ヶ畑登山口の駐車場は既に5,6台の車で溢れ、やっと一台分を確保することができました。
季節外れの平日ですが、霊仙山は結構登山者に人気があるようです。
身支度を整えて、9時半に登山道へ歩を進めました。
杉木立の中を縫うように山道が続いています。
10分も歩かないうちに、「山小屋かなや」に出ました。
ここで、私は「かなや手動飲料販売所」という素敵なものを目にすることになります。
地方へ行くと、道路脇に野菜の無人販売をよく見かけますが、ジュースやビールの無人販売は今回初めて目にしました。
滋賀県は近江商人のイメージがあるので、生き馬の目を抜くような土地柄かと思っていたのですが、相当にイメージが変わりました。
どうぞ、いつまでもこのシステムが続けられますようにと、願わずにはいられません。
山小屋かなやの料金は素泊二千円、キャンプ五百円。
連絡先は 090-9700-1640 bigbirddesign@ybb.ne.jp だそうです。
清々しくて心地よい木立の中に登山道が続いていました。
そんな登山道で青々と葉を広げたヤブニッケイを見付けました。
今私が一番興味のある、コクサギ型葉序を持つ樹木です。
鳥が種を運んで来たのでしょうか。
こんな風に繁殖してゆくのですね。
標高を少しずつ上げて行くと、ブナの林が広がり、木々の梢が仄かに色付き始めました。
登山道の南へ、霊仙山から伸び出した尾根にも秋の気配が感じられます。
やや暫く登ると更に展望が開け、鈴ヶ岳や御池岳らしき峰々の姿が見えてきました。
眼下の谷の中から獣の鳴く声が聞こえてきました。
たまたま、通り合わせた登山者の方が「鹿ですね」と教えてくれました。
霊仙山は石灰岩からなる山で、上部はカルスト地形となり標高900mを越えた辺りから樹木の姿が疎らになります。
そんな景色の中で真っ赤に実を付けた木立を見付けてレンズを向けていると、先ほどの方が「綺麗なマユミですね」と声を掛けてくれました。
晩秋の穏やかな枯葉色の草原で、赤い木の実が青い森を背に、朝の陽射しを浴びていました。
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