フィッシュガード(Fishguard)を過ぎて、ウエールズの海岸線に沿って北へ走ります。
道路の両側の視界を、草に覆われた石垣が塞いでいました。
丘の上に出て視界が広がると、それだけで嬉しくなります。
雨雲が空に広がりますが、私の気分まで被うことはありません。
道の脇にポツンと民家が現れたりします。
何の変哲もない民家ですが、野の花に包まれ、白い窓枠と蔦が絡まる姿に何故か惹かれるものがあります。
道は緩やかにアップ、ダウンを繰り返しながら、北へ向かいます。
変化の少ない道が続きますが、私が運転に飽きないのは、遥か地平の果てまで続く、こんな景色の中のドライブが心地良いのです。
何も考えずに、ゆったりと地平線に向かうドライブは、日本のごみごみした道路では味わえない、「走り」を味わうことができます。
稀に入江などが見えると、車を停めて、手足を伸ばし一休み。
今がどの辺かと言えば、ウエールズ南西の岬を回り込み、アベライロン(Aberaeron)へ向かっている所です。
交通量が少ない、信号もない緑の道で、快適なドライブを続けました。
不思議です。
こんなふうに、車を緑の牧羊地の中で走らせていると、ここが異国であることを忘れていました。
私は20代後半の頃、北海道の牧草地が広がるオホーツク海岸沿いの地域で、医薬品のプロモーション活動に従事していました。
この辺りの、ウエールズの光景は、あの頃車で走った、猿払村辺りの景色を思い出させます。
緑の草原が私を癒してくれます。
旅があまりにも順調なのです。
ここまでは本当に、何のアクシデントもなく、思い描いた通りに、旅を続けてきました。
私は今年で61歳。
体力も反射神経も以前より相当低下していますが、イギリスでのドライブは、日本と同様に左側通行ですから、神経を使うことが殆どありません。
ロンドンのような大都会は別にして、ウエールズのようなエリアでは、日本人の誰もが、僅かな予備知識さえあれば、簡単にドライブを楽しめます。
以前のページの、レンタカーを借りる や 旅の概要とドライブの準備 などを参照し、御同輩の方々もイギリスのドライブ旅行に出掛けられては如何ですか?
想像以上に安価で、気ままな旅が楽しめる筈です。
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