康王南路を南へ歩くと、上下九路の歩行者天国と交差します。
ガイドブックによれば、この上下九路には老舗レストランが並んでいるはずです。
私は康王南路を右に曲がり、上下九路へと歩を進めました。
両側にはマクドナルドや日本料理店が軒を並べ、若者達の姿を多く見かけます。
5分ほども歩いたでしょうか。文昌南路が交差する角に、ありました、広州酒家。
看板には、なんと!日本語で「食は広州にあり」と記載しているではありませんか。
これを見た途端に、日本人が大挙して店に押寄せている姿が見えるようで、何だか急に気持ちが萎えてしまったのです。
それと店構えが立派過ぎて、一人で入るのは気後れします。
中華料理店の大テーブルを一人占めして、食事をしても美味くはないからです。
「金を払えば気にすることはない」と言う人もいますが、そのような流儀は私の趣味ではありません。
広州酒家を通り過ぎ、暫く先に進むと、やがて蓮香楼の看板が目に入りました。
これが多分、ガイドブックにある蓮香満酒家のことだろうと判断して店の前に立ちます。
真っ赤なチャイナドレスの、ころっとした体格のお嬢さんが、二階への入り口で店番をしていました。
その前に立って人差し指を一本立て、次にその指を自分に向けた後で、無言で「どう?」と問いかけました。
お嬢さんはにっこりと笑って、私をテーブルに案内してくれました。
本当に一言も発することなくテーブルに座ることができたのです。
「愛に言葉は要らない」とよく耳にします。
私にそのような経験はありませんが、つくづく本当なんだろうなと思いました。
さてと、まずはビールを頼んで、出てくる間にゆっくりとメニューを眺め、
メニューに鴨、足などという字が紛れ込んだ料理を頼みます。
十分に染み込んだ醤油風味の皮がとっても美味です。
私はどちらかと言えば小食ですが、もう一品欲しくて、メニューの中の「香煎黄色花魚」という料理を指差して、どんなものかと聞くと、焼いた魚にレモンを掛けたようなものらしいので、それを一つ。
鯵に似た味で、これまたGood!。
新たに名も知らぬ酒を追加するころには、すっかりいつものペース。
お腹も一杯になったので会計を頼むと91元。
100元札を渡して「釣りは要らないよ」とお大臣を気取りますが、考えてみればその額は100円程度ですから、大きな顔はできません。
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