コーカサスサワグルミの、道を挟んだ反対側にはセイヨウバクチノキが蕾を膨らませていました。
早い年では、3月の中旬頃から花を咲かせることもあります。
その先でもモミジバスズカケが枝に鈴を掛けていました。
よく見ると、枝先に若葉が萌え始めています。
歩を進めると、常緑樹のタラヨウが濃い緑の林を作り、右に常緑樹が茂る暗い森が広がっていました。
左手には大きなサンシュユが黄金色の花を枝に並べています。
サンシュユは早春の花です。
もう既に時は春。
サンシュユも実を稔らせる準備中のようです。
近くで、トキワマンサクが枝先に白い花を咲かせていました。
同じ木が、セイヨウバクチノキの裏手で、三、四階程の高さに育っていますが、4月中旬頃に、全面が白い花で飾られると(右写真)、他ではみることのできない圧倒的な存在感を示すようになります。
トキワマンサクの自生は静岡県湖西市、三重県伊勢神宮、熊本県荒尾市のみしか知られていませんので、これ程の大きさの木は貴重な存在です。
右:2014年4月15日撮影
タラヨウの梢の下を潜るように森の中へ入ってみましょう。
常緑樹の森の中に一ヶ所だけ明るい空間が広がり、そこに横たわるような樹形のサネブトナツメが保存されています。
この木は1727年(享保12年)に中国から輸入されたもので、1917年、1979年の台風で現在の樹形になったと解説板に記載されていました。
もう一度元の道へ戻り、先に進むと、白い樹皮の、大きなシマサルスベリが並んでいます。
草木が萌え出す前、明るい陽射しがシマサルスベリの樹皮に降り注ぐ頃は、不思議な雰囲気の空間が、森の奥に、人知れず出現します。
この木の横には、雪のような肌の八頭身美人が似合うと思うのは私だけでしょうか。
シマサルスベリの並木を抜けて、カリンの林へと入って行きます。
殆どのカリンはまだ葉を落としたままでしたが、数本の木の枝先に、花冷えに抗うようにローズピンクの花片を見付けることができました。
今年も、このカリン林が桃色に染まる日がすぐにやってくるに違いありません。
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