東名高速道路の東京ICを出発してから三日目の朝を指宿の地で迎えました。
空には雲ひとつなく、目の前に開聞岳が優美な姿を見せています。
素敵な一日が始まりました。
石碑に刻まれた文字をご覧下さい。
この石碑は1705年に、前田利右衛門が「唐いも」を琉球から持ち帰り、薩摩の国へ広げ、その後「唐いも」が飢饉を救う作物として日本中にサツマイモの名で伝わっていった偉業を称え、建てられたものです。
実は、ヒガンバナも、救荒作物として植栽されていた可能性があります。
太平洋戦争末期には、ヒガンバナの澱粉を餅にして食料とした記録が残っているそうです。
しかしヒガンバナはオヤコロシ、シビレバナといった異名を持つ有毒植物です。
ヒガンバナを食すには、その毒を抜くために、相当長い時間をかけて水に晒すような手間と労力が必要だったのです。
そんな危険を伴い、加工に多大な労力を要するヒガンバナなどと比べ、サツマイモはどんなに有難い作物だったのだろうと、この石碑を前にして、昔の人の喜びが痛いほどに分る気が致しました。
サツマイモを称える石碑の後ろで、朝日の中、開聞岳が美しい姿で輝いていました。
長崎鼻へと廻れば、美しい海岸線から望む開門岳もまた魅力的です。
更に、この付近にはJR最南端の「西大山駅」があり、そこから望む開門岳も一服の絵となります。
そして、この素晴らしい環境に囲まれて門を開く「フラワーパークかごしま」へも、立ち寄らせて頂くことができました。