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九州の山深く

2015-03-20 20:06:34 | 九州の梅を訪ねて

 

 かいごん塔から国道388、446を戻り、途中から尾鈴山を周り込んで西都市へ向かう県道22号に入りました。

 

 県道22号は工事中で、一時間に一回だけ通れる交互通行規制が行われていました。

 

 

 県道22号への分岐点に、何やらそれらしき表示があったのです、ダメなら戻ればいいと、タカをくくり、ここまではしってきたのです。

 

 なにしろ、ここを通らなければ、今日はこの後の全ての計画がご破算です。

 

 「停止位置」の場所で、赤白の旗を持った小父さんに、「あとどれくらい待つの?」と聞くと「10分ぐらい」との回答が得られました。

 

 私の車の練馬ナンバーを見て、「東京からはしって来たの?」と聞かれましたので、4日の夜に東名を出て、車で九州の梅の名所を廻っていることを話しました。

 

 「これから何処まで行くの?」と聞かれたので、次の目的地である「大椎葉有楽椿」の住所を伝えると、

 

 「そりゃ、だいぶ遠いね」との返事が返ってきました。

 

 そうなんですよ、このルートが通れなければ、私の今日の旅はもう店じまいなんです。

 

 こちら側の通行時間が来て、ゴーサインと共に県道22号をはしり始めました。

 

 はしり始めて直ぐに、小丸川を渡りました。
 

 

 

 小丸川の左岸を下流へと向かう県道22号は、道巾も広がり、心地よいドライブが続きました。

 

 


 下流にダムがあるのでしょうか、小丸川は森の緑を溶かし込んだ色に水を湛えていました。

 

 

 エメラルドの水の上の、赤錆びた橋を対岸へ渡ります。

 

 

 周囲の山々の深い緑が、水辺へとこぼれ落ちそうです。

 

 

 橋を渡りきると、中之又の分岐に出ました。

 

 

 その先で、道巾が狭まりました。

 

 

 対向車が来ると、ちょっと厄介そうな道です。

 

 

 100メートル以上にも亘る工事区間は、右側が山の崖で、左も路肩から垂直に川へ落ち込んでいました。

 

 この状況では、交互通行も致し方ありません。
 

 

 

 左手に小丸川を見て、交互通行の道を進みました。

 

 対向車の心配がないので、周囲の景色を眺める余裕も生じます。

 

 

 道路標識も信号もない緑の道で、ハンドル操作にだけ注意して、運転操作を楽しみながら、はしり続けました。
 

 

 やがて、小さなダムの脇を通過しました。

 

 

 暫くはしると、谷と道路幅が広がり、緊張感から解放されましたが、今度はちょっとばかり退屈です。
 

 

 

 しかし、ここからが長かったのです。

 

 

 県道22号から、国道219号へ入り、一ツ瀬ダムの手前で右折して、大椎葉トンネルを抜け、尾八重川に沿って進みます。

 

 トンネルの入り口に表示されて後、要所要所に現れる、「有楽椿の里 →」の看板を頼りに進んでいきますと、道は途中から尾根へ登り始めました。
 

 

 

 

 気付くと、尾八重川を谷底に眼下に見下ろす尾根の上にいました。
 

 

 

 その先の「有楽椿の里 →」の標識は右手の尾根に通じる道を示し、距離は11kmとあります。

 

 

 ナビの画面の中で車は、道のない、山の斜面を進んでいました。

 

 ナビを購入してから、7年程が過ぎていますから、ナビも相当に疲れてきたようです。

 

 此処まで来ると、時折出てくる標識だけが頼りです。

 

 

 やがて、道は下り坂となり、

 

 

 その先の集落で、再び「有楽椿の里 →」の表示を目にしました。

 

 残りは5km。

 

 

 しかし、道は集落を抜けた後、反対側の尾根に登り始めました。

 

 時間は既に17時を過ぎていました。

 

 さすがに心配になり、のろのろと通りかかった車に声を掛けて、道を尋ねました。

 

 集落に人影は全くありませんし、このチャンスを逃がせば、二度と人と出会うことはなさそうに思えたのです。

 

 

 そして、やっとのことで「有楽椿の里」の駐車場に辿り着いたのが17:10分。

 

 現在地をナビで確認すると、県道22号線で工事中だった場所の、尾根を挟んだ反対側になります。

 

 

 

 

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