~短い一日、空にっき~

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ハドソン川に旅客機不時着…邦人2人含む155人全員救出

2009年01月17日 21時13分34秒 | ☆今日の日記☆

15日午後3時30分(日本時間16日午前5時30分)ごろ、米ニューヨーク・ラガーディア空港を離陸したUSエアウェイズのエアバスA320型機が飛行不能となり、マンハッタン島の西側を流れるハドソン川の水面に不時着した。

 乗客150人、乗員5人は機体から脱出、全員が救出された。

 米連邦航空局(FAA)は、エンジンが鳥を吸い込む「バードストライク」が原因とみて、調査に入った。

 AP通信は救急隊員の話として、少なくとも78人が負傷したが、大半は軽傷だと伝えた。在ニューヨーク日本総領事館によると、堺商事(本社・大阪市)のニューヨーク現地法人に勤務する滝川裕己(ひろき)さん(43)と出口適(かなう)さん(36)の2人の日本人乗客が搭乗していたが、けがはなかった。同機はノースカロライナ州シャーロット行きの1549便。ニューヨークは、事故当時の気温氷点下6・7度、水温4・4度だった。

 乗客の証言によると、離陸から数分後、機体に衝撃があり、エンジン部分から煙が上がった。付近で鳥の群れが確認されており、左右両翼下のエンジンが吸い込み、停止したと見られる。米連邦捜査局は、「テロの証拠はない」としている。

 機長はラガーディア空港に引き返すのは不可能と判断、眼下のハドソン川に緊急着水した。機体は前部が水面に浮き、後部がやや沈む傾斜状態。機内に浸水する中、乗客らは左右の非常口から脱出し、水面すれすれの主翼で救助を待った。

 着水現場に急行した米沿岸警備隊などの救助ボートが機体に横付けされ、救命胴衣を着けた乗客らが次々と乗り移った。現場付近は、川幅約2キロで、着水地点は川岸から数百メートル。フェリーや水上タクシーも救助作業に参加した。

 現場から数百メートル陸側には、ロックフェラーセンターなど高層ビル街やブロードウェーがあり、機体が陸上に墜落していれば大惨事となるところだった。また、事故発生から約1時間で救出作業が完了、米メディアは「乗員・乗客らの冷静で迅速な対応が奇跡的な全員救助につながった」と大々的に伝えている。

NYで米機不時着 155人全員無事 ハドソン川の奇跡 国民に希望灯した


大惨事になるところだった。「奇跡」といっていい。乗員・乗客155人は全員救助された。15日午後(日本時間16日朝)、ニューヨーク・マンハッタンのハドソン川にUSエアウェイズの国内線旅客機1549便(エアバスA320型)が不時着した事故。機長がみせた究極のプロフェッショナリズムとボランティア精神による救助がもたらした「奇跡」は、金融危機で重苦しいムードが漂う米国の人々の心に希望をともしている。(ニューヨーク 長戸雅子)

 マンハッタンの西側を流れるハドソン川に同機が不時着したのは、午後3時半すぎ。現場から東へ約12キロのラガーディア空港を3時26分に、ノースカロライナ州のシャーロット空港に向けて離陸した直後のことだった。機は鳥の群れに突っ込み左右のエンジンに鳥が吸い込まれる「バードストライク」で飛行できなくなったとみられる。

 元空軍パイロットで操縦歴40年以上のベテラン、チェスリー・サレンバーガー機長(57)は、ラガーディア空港へ戻るか、より近いニュージャージー州の空港への着陸を検討した。だが、最終的にハドソン川への着水を決断する。タイムズスクエアに摩天楼…。マンハッタンに突っ込めば大惨事になる。

 機長は機首を上げ気味に着水を敢行した。スムーズだった。川岸からわずか数百メートル。きわどくもあった。

 機体は上半分をみせ水面に浮かび、乗客は翼の上などで救助を待った。乗客には大阪市中央区の化学品専門商社「堺商事」の現地法人に勤める滝川裕己さん(43)と出口適さん(36)の2人も含まれていた。沿岸警備隊や、近くを航行していたフェリーなどに全員が救出、収容され、手当てを受けた乗客78人の大半は軽傷だった。

 「機長から『衝撃に備えてください』とのアナウンスがあった。機内では多くの人が祈っていた」

 管制官との交信の際も機長は終始冷静だったという。ある目撃者は「非常に制御された降下だった」と言う。テロとは思わなかったとも。米運輸安全委員会(NTSB)は調査チームを事故現場に派遣し、原因究明に乗り出した。

 「奇跡」は機長の冷静な対応と飛行技術に負うところが大きい。だが、それだけではない。多くの救いの手が差し伸べられた。

 事故発生当時は日没前で明るく、機体はすぐに水没することなく1時間ほど浮いていた。その現場付近に、沿岸警備隊の巡視船やフェリーなどが多く航行していたことが幸いした。

 救助に向かったフェリーなどは14隻。そのひとつ「トーマス・ジェファーソン号」が救助を始めると、翼の上に立ちすくむ乗客からは歓声が。フェリーの乗船客も、救命胴着やロープを投げ渡した。「乗客は『早く早く』と叫んでいた」(同号の船長)

 水難救助は高い技術が必要だとされる。フェリーの乗員は救助訓練を定期的に受けており、迅速な対応がとれたという。不時着水から救助まで約40分間。この日のニューヨークの気温はマイナス8度だった。水中に10分いたら死亡していただろう、と専門家は言う。

 「911」。事故を目撃した多くの市民が警察、消防当局に連絡した。男性乗客の一人は「女性や子供を優先し乗客同士も助け合っていた。心温まる光景だった」と振り返った。ブッシュ大統領も夜、「乗員のスキルと勇敢さ、救助隊員やボランティアの献身ぶりに感銘を受けた」と語った。

旅客機不時着 搭乗の日本人「窓から水、怖かった」

米ニューヨーク市のハドソン川に15日、不時着水した米USエアウェイズ機に搭乗していた大阪市の貿易会社「堺商事」現地法人に所属する出口適(かなう)さん(36)は、墜落事故から一夜明けた16日、毎日新聞の取材に「着水後、窓から水がざーっと入ってきた時が一番怖かった」と語った。

最後尾から3列目の座席に座っていた出口さんは「ドンという衝撃があった後、何かが燃えるようなにおいがした。妻と1歳の娘の顔を思い浮かべ、死ねないぞと思った」という。01年9月11日の米同時多発テロ当時もニューヨークに勤務していたが、「原因は分からなかったが、テロを連想することはなかった」と振り返った。

 飛行機は隣接するニュージャージー州の空港への着陸をあきらめ、ハドソン川への着水を選んだチェスリー・サレンバーガー機長(57)の判断で左へ急旋回。ジョージ・ワシントン・ブリッジのすぐ上を通過後、「左側の窓に摩天楼が迫って見えた」。大惨事と隣り合わせだった。すさまじい衝撃とともに着水。気温氷点下6度、水温5度の中、乗客たちはパニックにならず「落ち着いて女性を先に助け出した」。出口さんも翼の上で「20分から30分待機した」というが、ボートが次々に来るのを見て「助かったと思った」という。

 救出された後、翼が沈んでいくのが見えた。外出していて事故を知らなかった家族には携帯電話で「墜落したけど、心配はいらないから」と連絡した。

 両方のエンジンが止まりながら乗客乗員155人が無事救出され、米メディアが「ハドソン川の奇跡」と報じた機長の判断について、出口さんは「アナウンスの声も落ち着いていた。そのおかげで乗客は安心したのだと思う」と語った。



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