「Windows10 64bit以外はインストール出来ない」とされるKaby lakeコア。我が家はWindows7 64bit ProとWindows10 64bit Proの併用。メインはWin7だが、Core i7 7700 + Z270の環境で、なんの支障もなく動いている。ネットを探してみたが、skylakeとkabylakeの違いはとても少なく、ほとんど差がない。構築済みのWin7環境だったら動くでしょ、普通。ただ、私の場合は苦労した。
今まで使っていた自作機のマザーを、GA-Z87X UD3HからGA-Z270X-Gaming 7に換えることにした。当然、CPUもメモリーも換える。CPUはTDP35WのCore i7 7700T、メモリーはDDR4-2400で64GB。CPUクーラーも、リテールではなく白虎に変更。これだけで12万(\!)を越える。お財布的にはめちゃくちゃ痛いのだが、電脳野郎としては大いに盛り上がる。幸いなるかな使い回しのきくビデオカードは、TDP75Wの玄人志向 GTX1050 4GBで、補助電源の要らないタイプ。ケースは500W電源のフルタワーだから、空間的にも電源的にも余裕はあるのだが、耐久性優先で、出来るだけ低発熱のパーツを揃えている。
私のメインシステムはちょっと変わっていて、5基の5インチベイは、3基のリムーバブルケースと2基の光学ドライブで埋まっている。HDDやSSDは内蔵せず、カートリッジを交換しながら起動するという、いささか面倒な使い方をしている。システムを複数台のHDDに順次クローンしながら交換して使っているためで、冗長性が高い分、カートリッジを差しかえるだけで最大4週間前まで物理的に遡って起動出来るし、データも複数台のHDDに毎日自動バックアップしているので、HDDの物理クラッシュが起こってもほとんど損害がない。いろいろやった果てにたどり着いた高耐久型運用で、RAIDやDroboでは不可能な復旧能力を得ている。もっとも、2TBのHDDを10台も喰うので、あまり経済的とは言えない。ほぼパラノイアである。
さてこの換装、ケチが付きっぱなしであった。過去にもマザーの初期不良に当たっている私は、CPUとメモリだけを付けた状態で起動チェックを行う。Z270Xはオーバークロック仕様のゲーミングマザーなので、トラブル発生を前提にした診断機能が付いている。二桁の状態表示インジケーターの他に、[CPU][DRAM][VGA][BOOT]のLEDがあり、異常箇所が点灯する。
初回起動時はインジケーターは作動したが、リセットを繰り返す状態で、ビデオ出力がない。BIOS(UEFIだけど)が起動していないので、CMOSクリア後に再起動してみたが、今度はインジケーターが作動せず、異常を示す[CPU]のLEDが点灯。メモリも外してチェックしてみたが、あとはもう、何をやっても無駄だった。
ここからが難しい。マザーとCPUのみの状態でBIOSが起動しないということは、マザーかCPU、あるいはその両方が初期不良ということになるが、いくら日頃の行いが悪い私でも、両方いっぺんに初期不良を掴むほど不運ではあるまい。CPUがイカレているのか、マザーがイカレているのか。確立で言えば、マザーの初期不良の方が起こりやすい。しかし、マザーはCPUの不具合を警告している。マザーはAmazonから、CPUは[PCワンズ]というショップから購入しているから、両方をセットで送って検品してもらうことは出来ない。
まずはPCワンズで購入したCPUをショップに送り、点検してもらうことにした。Amazonから購入したマザーの方は、日本GIGABYTEのサポートから「初期不良です」という証明をもらわない限り交換に応じてもらえない。これには時間がかかるので、即応体制の整ったPCパーツショップから当たるのが順当だ。
結果から言うと、送ったCPU初期不良で、交換品を送ってもらうことになった。交換品のCPUは、念のためPCワンズで動作確認してから送ってもらっている。それを装着して起動すると、ようやくBIOSが立ち上がった。ここまで4日間、ようやく作業が出来ると思って喜んだのだが.....。
マザー+CPU+メモリ1セット+光学ドライブという最小構成(もちろん、キーボードとマウスとモニターはつないだが)でWindows10 64bit Proのインストールディスクから起動しようとしたが、マザーのロゴ画面でロック。光学ドライブをWin10 64bit ProのHDDに差しかえて起動しようとしてもブルーバック。Windows CEからWin7 64bit Pro(もちろんKaby Lakeでも起動可能)、果てはubuntuからWin10対応のツールのUSBメモリ起動まで全てやったが、ロゴで止まるかブルーバック、全滅である。さすがにここまで来ると、マザーの初期不良を疑わざる得ない。自己検証能力の無いAmazonで買ってしまったことをほとほと悔やむハメになった。しっかし、ともに1%未満と言われるCPUの初期不良とマザーの初期不良、同時に当たるもんかね。マザーの初期不良は、Amazonで3枚目だ。私の普段の行いは、そこまで悪かったんだろーか。
すったもんだでマザーを交換してもらったが、今度は[検証済み]のはずのi7 7700TのTurboboostが機能しない。Windows10 64bit Proではきちんと機能するが、Windows7 64bit Proでは定格クロック以上にならない。BIOSの設定も、OS上の設定も全て確認したが、どこをどう変えてもダメだった。
アマゾンで交換してもらったマザーのシリアルナンバーは、初期不良が出たマザーと2番違い。同じロットの、同じ日の、2個あとの製品なんである。やっぱり、マザーの不良を疑った。これ以上時間を掛けたくないので、同じGIGABYTEのGA-Z270X-Gaming 5をAmazonで購入。いろいろ問題はあるものの、ここがいちばん早いのは確かだ。
もう何でもいいから動け、と思ってまた組み直したが、Gaming 5と7700Tの組み合わせでも、Turboboostが機能しない。底なし沼に落ちていくような気分で、今度はCore i7 7700をAmazonで購入。CPUをショップに送って再検証してもらうのは後回し。とにかく、メインマシンがまともに動かないともう、にっちもさっちもいかないんである。
さて、2周回ってGA-Z270X-Gaming 7 + Core i7 7700で組み直したところ、何もかもが嘘のように普通に動いた。Windows10 64bit Proはもちろん、メインシステムのWindows7 64bit Proでも全てが正常で、Turboboostもきちんと作動する。ま、それが普通だわな。
ここまで来るのに12日。マザー1枚とCPU1個を余分に買い込んだから、思いっきり余計な出費が出てしまった.....。
--------------------以下改変--------------------
これでCPUの返金がきちんと出来れば、問題はまぁ無かったのだが、PCワンズからはCPUに異状なしとして返金を断られ、検査用に送ったCPUも送り返されてきた。余ったパーツを転売するためには、交換された二個目のCore i7 7700Tが正常だと確かめる必要がある。PCワンズの検証では、ASUSのZ270マザー + Windows7 + 7700Tで、きちんとTurboboostが機能していた。GIGABYTEのマザーでも、BIOS上ではTurboboostは正常に機能している。論理的に考えると、問題があるのはマザーでもCPUでもなく、GIGABYTEのドライバだということになる。
すったもんだに紆余曲折で多少時間はかかったが、GIGABYTE(サポート担当の旭エレクトロニクスじゃなく、GIGABYTE開発担当)側から、『ドライバが7700Tに対応していない』というコメントをもらえた。
GIGABYTE、お前のせいか。CPUの初期不良×マザーボードの初期不良×CPUドライバの不備って、確率的には10億分の1ぐらいだと思う。One in a Billionって、アタリを引いたならカッコいいが、ハズレを引いたら情けないくらいの確率じゃなかろーか。
今回も、しっかり深く墓穴を掘った。まぁ、人柱'sの一人だし。
7700TとWindows7の組み合わせを考えている方、GIGABYTEは避けた方がいいです。
ドライバがアップデートされれば対応するかもしれませんが、それがいつになるのかも分からないし、そもそもアップデートされる保障も無いので。
--------------------以下追記--------------------
Windows UpdateでKB4012218を適用すると、それ以降はWindows Updateそのものが使えなくなります。要するに、「Kaby Lake以降のCPUを使ってる人には、もうサポートしませんからね」パッチなので、これは適用外に指定しておく必要あり。まぁ、わざわざKaby LakeでWindows7を使おうって人は、いわれなくても分かっているとは思いますが.....。ちなみに、windows8.1の場合はKB4012219が意地悪パッチなので、参考までに。