映画さんぽ シスタマゴの徒然日記

映画大好きな姉妹が、最近観た映画のレビューや日々の出来事を気の向くままに綴っています♪

エヴォリューション

2017年02月04日 | 映画
去年公開された映画なのに、こちらでは今頃上映…

監督のルシール・アザリロヴィックの作品は、今までに『ミミ』『エコール』を観たことがあるのですが、内容はともかく画面上では美しい作品というイメージがありました。

この監督作品はただボーっと画面を眺めていても理解できません。
「観客によってさまざまな解釈ができる」映画ではなく、おそらくちゃんとした正解があるのですが、それをわかりやすく丁寧に説明してくれる気はないという作品です。
監督が画面にさまざまなヒントと思しき映像を散りばめているので、それらを手がかりに自分で状況を読み取らなければならないのです。

前作『エコール』で見かけたレビューで“美しい秘密の森の中、少女たちが妖精のようで、ひたすら美しいおとぎ話のような映画だった”というのがありましたが、とんでもない!!
彼女たちがなぜそこにいるのか、何をさせられているのか、ラストのこれからどうなるのかを考えると身の毛もよだつ恐ろしい物語だということがわかります。

話を戻しまして、今回の『エヴォリューション』です。

<あらすじ>
住民は少年と女性だけの島で、10歳のニコラ(マックス・ブレバン)は、母親と2人で生活している。全ての少年が不可思議な医療を施されていることなど、島での日常に違和感を覚えるようになった彼は夜中に家を出て行く母親の後をつける。海辺に向かった母親が、ほかの女性たちと始めたある行為を目にするニコラ。それを機に、彼は思いも寄らなかったおぞましい事態にのみ込まれ……。



今回は画面上でもグロい描写があり、常に異様な雰囲気で、もう生理的にダメという人も多々いると思います。
自分なりの解釈を載せておきます。(これが正解かどうかはわからないけれど)

以下ネタバレなので、読みたい方はドラッグして読んでください。

ニコラが描く絵に、観覧車、動物、車など、およそこの島には存在しないものが描かれている時点で、ニコラ他少年たちは小さい頃に都会から攫われてきたのだと推測できます。彼女たちは普通の人間ではなく、背中に吸盤があり、水中でも呼吸ができることから、水棲生物が進化(エヴォリューション)した人間だということが示されます。そして、その生物とは、画面で様々なところに提示されている“ヒトデ”だと思われます。
手術室の照明の形、ニコラを育てている女性の名前『ステラ(星)』など。

女性は自分たちだけで子供を作ることができないため、医療と称して子供の身体に卵を仕込んで、育ったら帝王切開で赤ちゃんを取り出すということを繰り返してるのでした。子供はそのために連れてこられたのであり、用が済んだら捨てられます。(ニコラが海底で見つけた少年の死体はこれ)
ステラはニコラに秘密を喋った後、彼を殺そうとしますが、ある種の愛情が芽生えたため結局助けてしまいます。出産させられた赤ちゃんに栄養を与えるため、水槽に固定されていたニコラをステラは助け出し、船に乗せたあと、途中で彼女は島に向かって泳いで帰ります。船に乗ったニコラには、かつて住んでいた都会の灯りが見えてくるところで物語は終わります。




始終不気味な雰囲気で、観た後「早くまともな世界を観たい」と思ったほどです。
次の日に観る予定の『ドクター・ストレンジ』が、とてもまっとうな世界に思えて心待ちにしてしまいました。

興味ある方は観てくださいね。あえて積極的にお薦めはしませんが
コメント
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